【感想・ネタバレ】紅蓮館の殺人のレビュー

あらすじ

山中に隠棲した文豪に会うため、高校の合宿を抜け出した僕と友人の葛城は、落雷による山火事に遭遇。救助を待つうち、館に住むつばさと仲良くなる。だが翌朝、吊り天井で圧死した彼女が発見された。これは事故か、殺人か。葛城は真相を推理しようとするが、住人や他の避難者は脱出を優先するべきだと語り――。タイムリミットは35時間。生存と真実、選ぶべきはどっちだ。

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匿名

ネタバレ 購入済み

山火事と殺人事件と過去のシリアルキラーと要素満載です。かつて高校生探偵だった元探偵VS現役高校生探偵の物語でもあります。
今作の探偵役の葛城が高校生ということもあり、若さや未熟さが強調されていて、ラストは読んでいて苦しくなりました。
小さな伏線が盛り沢山で、終盤はドキドキハラハラです。

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2025年07月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

やや分厚い小説(439ページ)ですが、トリック以外は難しい部分がなくてサクサク読み進められました。
登場人物もそんなに多くなくて覚えやすいです。
最初、確か主人公たちが以前の事件の話をしていて、「あれ…シリーズものの途中の巻から読み始めちゃったかも?(・・;)」と不安に思いネットで調べてみましたが、シリーズものではありますがこれが最初の巻で間違いないようです。

第一部の終わりぐらいで、この館にいるメンバーの中に十年前に自殺したはずの連続殺人鬼が混ざっている、という事実が判明して面白さに拍車がかかりました。
わたしは久我島さんあたりが何か隠していると思っていたのですが、彼だけでなく実はみんなが正体を隠していてとても驚きました。

第二部の終わりに誰が連続殺人鬼だったのかが明かされて、「え、さらに続きがあるの!?」と次の第三部で一瞬どんでん返しの展開を期待しましたが、特にそのような展開ではなく、やや消化不良というか、読後感はあまり良くないまま終わってしまいました。

ただ、シリーズものなのでこれ以上分厚くするよりは、次巻に続いてくれたほうが、寝転がって仰向けで読む分には腕の疲れが減るので助かります。

この作品はいつも机で読書をしている方のほうがおすすめです。
次の巻はもう少しページ数が減っているといいなぁと思うずぼらな一読者の意見でした⊂( ⊂ _ω_)⊃ゴロン

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2025年12月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ミステリの部分は面白くて寝る前に読み始めたら続きが気になって結局読み終えてしまった。トリックとかは面白いと思うし良くできていると思うんだけどちょっと犯人が物足りない。過去の事件との繋がりとか色々盛り上がりがあったのにちょっと残念。ミステリ以外の部分では「探偵」としての2人の探偵の考え方とかはちょっと余計な気がしてしまう。それはそれで面白いとは思うけどなんかちょっと余計かな~。

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2025年11月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

迫りくる山火事と逃げ場のない崖に囲まれた館に閉じ込められる人達と、そこで怒る奇妙な殺人事件。「館」ものであるが故にあるあるな流れかと思ったが、「探偵」と「元探偵」がこの閉ざされた空間に揃い、過去と現在が絡まりあって展開されていくストーリーは面白くて一気読みをしてしまった。ただところどころ荒というか、読んでてモヤモヤの残るところがあるのが残念(シリアルキラーと因縁の深い元探偵が、保険会社の職員と顧客として出会うとかアリかな〜…)
お気に入りキャラは、美登里ちゃん。嫌な予感はしてたけど、生きててほしかったなあ

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2025年09月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

《館四重奏シリーズ》第1作。嘘がつけず惚れっぽい少年・田所くんと、ひとの嘘を見抜く達人である名探偵・葛城くんのコンビが活躍するミステリ小説。

読み終わった印象として、著者紹介で表されている「緻密な論理のアクロバット」という評がしっくりきた。
館ものらしい大仕掛けもあるけれど、基本は小さな気づきの積み重ねで謎を説いていき、気づいた頃には読者が想定していた筋書きや設定とは全く違うところに辿り着いている、という作品だったと思う。

登場人物たちの素性が二転三転する展開も面白かったけれど、一番の見せ場は葛城くんと、元名探偵・飛鳥井による「探偵」という「生き方」についての議論。
探偵の独善を巡る議論としては、たとえば法月綸太郎の『密閉教室』を思い出すけれど、あれほどの容赦なさやどぎつさはなく、むしろ青春ものとして前向きな、成長の物語につながっていきそうな苦みを感じさせた。
続刊もまた読んでみたい。

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2025年03月24日

匿名

ネタバレ 購入済み

登場人物はラノベっぽい

謎解きの手順には若干気になる点がなくもないものの、それを重大な瑕疵とまでは言い切れず——むしろ視点を変えれば、巧みな計算のうちとも取れるほどです。そして、謎解きを経た結末は、まるで作者自身が“名探偵”という存在に挑戦しているかのような印象を受けます。

#ドキドキハラハラ

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2025年02月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

○ 総合評価   ★★★★☆
〇 サプライズ  ★★★☆☆
〇 熱中度    ★★★★☆
〇 インパクト  ★★★★☆
〇 キャラクター ★★★★☆
〇 読後感    ★★☆☆☆
 「屍人荘の殺人」と同じように,極限状況のクローズドサークルで殺人事件が起こる。「屍人荘の殺人」では,その極限状況がどのような状況なのか,という部分が伏せられている。この作品は,極限状況がどのような状況か,という点は隠されていない(裏表紙の解説にも書かれている。)。その極限状況とは山火事。落雷により生じた山火事のせいで,あと35時間で館が焼損するというような極限状態で殺人事件が起こる。
 探偵役とワトソン役は高校生の葛城輝義と田所。葛城は人の嘘に敏感であり,嘘をついている人間がいるとその嘘をロジックで暴く。探偵役としてもう一人,既に引退した元探偵として飛鳥井光流が登場する。飛鳥井は,十年前に自身が関わった事件に巻き込まれ,ワトソン役だった甘崎美登里が殺され,探偵であることを辞めている。
 メインとなる殺人事件は,ミステリ作家,財田雄山の館,落日館で,天利つばさという少女が,落ちている吊り天井に潰された状態の死体として発見されるというもの。飛鳥井は,不幸な事故だったとするが,葛城は殺人事件だと主張する。
 メインの殺人はこの殺人1つだけだが,この殺人に,飛鳥井が探偵を辞めるきっかけになった,10年前の殺人事件が関わってくる。葛城は,天利つばさが殺された現場の謎を解き明かす。つばさは落ちてきた吊り天井につぶされたのではなく,上昇する吊り天井に挟まれ死亡していた。吊り天井の上には空間があり,その空間には稀覯本と10年前の殺人事件の際に失われた水彩画が残されていた。すなわち,飛鳥井が探偵を辞めるきっかけとなった事件の真犯人=爪とこの事件でつばさを殺害した犯人は同一人物であることが示唆されていたのだ。
 極限状態である山火事から無事に脱出するために,謎解きをするべきではない。協力するべきだと主張する飛鳥井に対し,葛城は館と館にいる全ての人物の謎を暴くという。
 飛鳥井は館にいる人物の嘘を暴く。最初に暴いたのは館の住人である貴之,文男,そして殺害されたつばさが財田雄山の子どもや孫ではなく,詐欺師だという嘘
 次に暴いた嘘は久我島が妻を殺害していたという真相
 その次には,同じタイミングで落日館に来た小出が本物の貴之に雇われた盗賊であるという事実
 そして,つばさの部屋から隠し通路を発見する。小出の獲物である金庫=未発表の財田の原稿を盗んだのは本物の貴之だった。
 飛鳥井は,爪の正体である久我島を,隠し通路の出口で,久我島の手を掴まないという方法で落とし殺害する。飛鳥井はつばさの殺害現場を見て,久我島が爪であることに気付き,殺害現場から爪を思わせる装飾を全て隠蔽し,事故に見えるように偽装した。
 エピローグは飛鳥井と葛城,田所との対話。葛城は真相を多い隠して,謎を解くことから背を向けたことで,隠し通路を見付けるまでの時間を稼いだという飛鳥井のやり方に納得ができない。飛鳥井は葛城に厳しい言葉を投げかける。「名探偵っていいご身分ですこと。自分の納得のために世間を振り回すことができる。」,そもそもつばさが死ぬきっかけを作ったのは葛城の存在であることを示唆する。「君のことは見ていられなかった。全てを解くために,全てを壊そうとしていた。」。最後に葛城は「それでも僕は-謎を解くことしか出来ないんです。」と悲鳴のように飛鳥井の背中に言葉をかける。
 この作品は本格ミステリ好きのミステリオタクに向けられた作品である。屍人荘の殺人が特殊な設定でありながら,一般読者向けのエンターテイメントに満ちた作品ったのに対し,この作品は探偵とは何か,名探偵の存在は何かという,おおよそミステリオタクにしか興味がない部分をラストで掘り下げている。 
 作品としては,貴之達,落日館にいた人物が詐欺師の集団だったことなど,登場人物全員が嘘をついているという展開にそれなりのサプライズがある。もっとも,爪が久我島であるという真相や,小出が盗賊であったという真相,外部から本物の貴之が侵入しているという展開など,それほどの意外性を感じさせない部分もある。
 何より,久我島が爪だったことが偶然であるというご都合主義がやや興ざめ。飛鳥井が久我島に出会っていたのは偶然だったというところは,飛鳥井が久我島が爪だと疑って近づいたというような感じにしておいた方がよかったようにも感じる。
 ラストの名探偵論も含めて,全体的に盛り込み過ぎ,練り込み不足という感じがある。緊迫感とサプライズ,ロジックなど本格ミステリ好きを喜ばせる要素は豊富だけに,もう少し余計な部分をはぶき,エンターテイメントとして面白い作品に仕上げれば傑作となっていたかも。惜しい。十分面白い作品だが,不満な点もあるので,★4で。

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2025年05月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

以前から気になっていた阿津川さんの館シリーズにようやくチャレンジ。
それなりのページ数でしたが、割とテンポよく読み終わり。

内容としては、某館シリーズの影響を受けたというか、堂々とチャレンジしてる感じなのかな。いわゆる館でのクローズド殺人事件を若い探偵が解いていく系。
ミステリとしては、割と不確定要素が多いかなーという、印象。そもそもの偶然起きた山火事の時に、「昔の仇に出会った」「妻を殺した」「詐欺で侵入」「盗みに入ろうとした」「憧れの作家に会いにきた」が同時に起きてるのはとんでもない確率!!
犯人のトリックは特になく、言葉や行動・わずかなヒントから論理的に推理していくのは、納得感はあったけども。
まだ、完結はしてないみたいだけど続編をまた読んでみようかな。

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2025年08月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

クローズドサークルもの&探偵ものが好きな人におすすめ。時間制限ありの緊迫感があって一気に読めた。話や伏線など本格ミステリーな点はすごくよかった。
ただキャラクター達にリアリティがなくて舞台みてるみたいなのが個人的にひっかかった。殺人犯に詐欺師に盗賊に探偵×2人に…がほんとうに偶然集まってたのがえ?って思ってしまった。(特に飛鳥井さんと殺人犯は意味があると思って読んでた)
葛城くんの情緒が不安定だったり、田所くんもキャラクターとしてあんまり魅力を感じなかった。 せっかく劇画ちっくならキャラクターの魅力がもっとたつといいなぁと思う。

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2025年07月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

サスペンス系ミステリーとしては面白かった

WhoとWhyのところでもう捻り欲しいところだった。嘘が見抜けるとか、隠し通路から外部犯の侵入とか、あまり本格っぽくない要素も作品に活かされてるとは思わなかった。登場人物もあまり魅力を感じない。

あとクローズドサークルの緊張感も欲しい、一つの殺人が起きた後、次の事件が起こる気がしなくてハラハラしない。

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2025年06月06日

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