【感想・ネタバレ】赤ちゃんはことばをどう学ぶのかのレビュー

あらすじ

認知科学や発達心理学を研究する東京大学・針生先生。先生は生後6~18ヶ月くらいの子ども、いわゆる“赤ちゃん研究員”の「驚き反応」に着目し、人がどのようにことばを聞き取り、理解しているかという言語習得のプロセスを明らかにしてきました。本書はその研究の概要を紹介しながら、これまでに判明した驚くべき知見を紹介していきます。何も知らない赤ちゃんが聞いたことのない「音」をどうやって「ことば」として認識する? 生まれた時から英語に触れていたら、今頃はバイリンガル? 赤ちゃんは胎内で聞いたお母さんのことばを覚えている? そのプロセスを知れば、無垢な笑顔の裏側に隠された「努力」に驚かされると同時に、赤ちゃんへ敬意を抱くこと必至。あなたはどのようにして言葉を覚えましたか?

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Posted by ブクログ

ネタバレ

言葉を学ぶことについて深く学べる。
赤ちゃんはどんなに苦労して母語を獲得しているのか思い知らされる。同時に母語を獲得するというが、大人になった自分自身も日本語を話せはするが、まだまだ磨きをかけないといけないと思うことが多い。
言葉を学ぶことがいかに難しいかがわかる。けど、最後にまとめていたが、1番はそれを学ぶ必要があるかどうかということ。
そして、必要があるかどうかは子ども自身が判断することである。
子どもに何かを教える時、まずやらなくてはならないのは、必要性を持たせることと興味をもって自分から学んでいけるようにすること。それは大人の都合ではなかなか難しい。そして、環境を、整えてあげることと困難にぶつかった時にサポートしてあげること。当たり前のようだけど、忘れがち。
良書。今井むつみとならび立つ最近の我が絶対的推し。

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2025年02月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

動画や音楽による早期英語教育が流行っているようですが、なんとなく疑問に思いつつこちらを手に取りました。ひとまず急いで英語漬けにする必要はなさそうで安心。
簡単に喋れるようになるものと思っていましたが、実際はとても泥臭く学んでいくんですね。
生後3ヶ月の息子の姿を見ながら、大変な学習過程をたくさん支えてやりたいと思いました。

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2025年01月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

最近、流行り?の「おうち英語」を自分も実践しようと調べている中で反対意見も読んでおこうと思って、読んだ本書。
英語を学んだ方が将来の受験勉強が少し楽になるかな?なんて、親の下心もあり、「おうち英語」に興味を持ったが、第二言語を学ぶということが赤ちゃんに取って、どんなに大変で、親も覚悟が必要かと再認識した。
英語を本当の意味で話せるとは、しっかりと思考する力も必要で、そのためにはまず言語の土台(日本人なら日本語)を作ることの大切さが分かった。

まずは、日本語の奥深さをたくさん知ってもらいたい。日本語を楽しんでもらい、思考する力もしっかり身につけていく。
子育て方針を見直した、一児の母なのであった。

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2025年01月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

今まさに赤ちゃんの英語教育について悩み中…
当方、英語は幼い頃から習わせてもらったものの、結局習得できずかなりコンプレックス。親のエゴだけれども、できるようになってもらいたい…!
読んでみて、今は"英語を嫌いにならない"くらいに目標設定すべきか…と考える。結局は本人の意思だな。

自分用メモ
8ヶ月で頻出単語は馴れる
オーディオ・ビデオ環境では母語以外の聞き分け向上はみられない。母語のイントネーション等を聞き分けているため、母語以外に注意を向けない、赤ちゃんにとって必要ない。
バイリンガルとは、2人のモノリンガルが内在するという訳では無い。他人からは分からなくても、優位な言語がある。

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2022年11月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

赤ちゃんの言語習得のプロセスを明らかにした本。何も知らない赤ちゃんがいかに苦労して言語を習得していくのかがわかった。ようは赤ちゃんも必要に迫られないと、習得しないよって話。自身の経験と本書から、小さい頃から英語と日本語のバイリンガルに育てようとすると、日本語の読解や語彙力、空気を読む力などが中途半端になるというジレンマがあると認識した。もちろん子供には英語を話せるようになってほしいが、方法は子どもにとってよいものを選択できるようになればいいと思う。今のところ小5~6になるころに海外移住しようかと検討中。それ以前に行っても外国語を忘れてしまうし。2~6歳対象のバイリンガルキッズとかディズニープラスは本当に意味なさそうだからしない予定。

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2021年06月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

周囲で0歳から英語を習わせる親御さんたちがあまりに多く、少し不安になり、手に取った。

結論。苦手意識を持たない程度にほどほどに触れるくらいでちょうど良いのかな、と思った。その後は、文法などをきちんと勉強してから、本人が必要だと思えばきっとなんとかなるはず…。

赤ちゃんの言語学習が決して楽ちんではないことがよくわかった。その中で必要のない聞き分けはしなくなっていく。バイリンガル環境で育つ子どもは一時的にどちらかの言葉でしか使わない音を聞き分けられなくなるという研究結果には驚き!その後、聞き取りの絶対量が増えると、両方聞き取れるようになるようだが…。ただ、バイリンガル環境で一見しゃべれるように見えても、本当に第二言語がネイティブに追いつくレベルになっているのか判断できているのか、母語の方のレベルが相対的に低くなっていないか、という観点は大事…。

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2023年06月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

子どもが生まれ、いつから話し始めるのか、話し始めるまでにどのように言語を習得するのかに興味を持ち、手に取りました。

今、0歳の我が子に最も話しかけている単語は子ども自身の名前ですが、それが自分の名前だとどうやって認識するのだろう?そもそも「名前」という概念をどう知るのだろう?また私のことを「お母さん」とどうやって紐づけるのだろう?不思議でたまりません。

上記の問いに直接的な回答はありませんでしたが、ヒントとなる研究はいくつか示されていました。

・7〜8ヶ月ごろは「指差し」の意味(指された先を示していること)を認識できず、人差し指を向けた手をじっと見つめるだけだが、1歳半ばにもなると対象に注意を向けてそれを調べる、という意味だと理解し、指を指された方向に首を向けることができる
・1歳から初めて触れるモノへの振る舞いに迷うと近くの人の反応(表情や声)を参考にする(社会的参照)
・1歳後半から子どもが語彙爆発を起こすのは、視線や指差しを手がかりに相手が示そうとしているモノを確実に探せるようになり、言われた単語は常識的にはモノの名前だということもわかるようになる両方の結果である

など。

赤ちゃんが、「名詞」や「動詞」などの文法はもちろん、「言葉」という概念すら持っていない0歳の頃から必死で周りで話される言葉を聴いて、その人の様子を観察し、それがどのようなルールや常識に沿って発せられているのかを掴み取っているのだと知り、思わず我が子に「頑張ってるんだね、すごいね」と声をかけてしまったほどです。

ふにゃふにゃして「うえええん」しか言わない我が子が、「何も知らない」ところから、凄まじい努力を通して仮説を立てては試して反応をみて学習し、これから言葉を獲得していくんですね。今、このことを知れたおかげで、約1年後、初めて単語を発した時の感動が倍増しそうです。

すでに色々なことを知っている大人の私が何かを学ぶとき、「難しい」だの「めんどくさい」だの、弱音を吐いている場合ではないなと思いました。

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2025年01月07日

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