あらすじ
「人殺しの組合にはいられない」(本文より)
JR東日本労組「3万5000人大量脱退」、「JR革マル」対「党革マル」の「内ゲバ」、北海道の社長2人と組合員の相次ぐ「謎の死」の真相とは。
事態の裏側で、いったい何が起きていたのか。
『マングローブ』を凌ぐ、衝撃の超弩級ノンフィクション!
◆「トラジャ」とは?
①インドネシア・スラウェシ島の中央や西南の山岳地帯に暮らすマレー系の先住・少数民族の名称。現地の言葉で〈高地の人々〉を意味する。
②旧国鉄の労働組合「動労」「国労」出身の有能な革マル派同盟員で、分割・民営化前後に『職業革命家』として革マル派党中央に送り込まれたメンバーに名付けられた名称。同派傘下のJRのみならず、教職員、郵政等各産別労組の指導にもあたっている。
<内容紹介>
『週刊東洋経済』の短期集中連載「JR 歪んだ労使関係」(3回)を、追加取材の上、大幅加筆し単行本化。
講談社ノンフィクション賞を受賞した前著『マングローブ テロリストに乗っ取られたJR東日本の真実』(07年)以後を描く。
テーマはJR東日本、JR北海道、さらにはJR貨物の三社の国鉄分割民営化から今日までの労使関係を中心にした経営問題。
それに加えて、『マングローブ』執筆時に判明していなかった、知られざる革マル派非公然部隊の動きや、党革マルVSJR革マルとの暗闘劇を描く。
またJR東労組の大量脱退問題は、会社に対する敗北だけでなく、組合という存在自体に嫌悪感やアレルギーを持っている「当世社員(組合員)気質」への敗北でもあると位置づける。その上で今回の大量脱退は、戦闘的国鉄・JR労働運動の終焉を意味していると結論づける。
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Posted by ブクログ
日本には、いまだにこんな労組と経営者がいるのだろうということは、まあ、知ってはいるのだけど・・・。JRだけではないということも知っている。でも、ひどい。
JRに巣食う「革マル」。虎の威を借る労働者。保身と自らの出世だけに関心がある経営者。両者がつるんで、国民の安全をないがしろにし、税金を強奪する。民営化前から続く、その癒着ぶり、異常さを暴く。21世紀の話とはとても思えない、拉致、暴力、策謀・・・・。
革マルが指導してきたJR東労組はついに組合員が大量脱退し、少数組合に転じたが、それまでは第一組、連合の中でも最大単組だったという。それはなぜか? 著者はあとがきでこう言う「実直で、従順な気質は多分に、組合であろうが、会社であろうが、「その時の力のある者」になびく傾向にある。」。つまり、革マルに従ったのは経営者より力があったからで、大量一斉脱退したのは、経営者のほうが力を持ったから・・・と言うこと。
これはどうやら、「日本人論」かもしれない。
Posted by ブクログ
今まで知ることのなかった、JR(旧国鉄から)の経営と労組の複雑な関係を知ることができました。
安全第一で業務にますっぐに取り組んでいるだろうと思っていた会社が、このような労組間の闘争にあけくれている事態だったとはとても複雑な思いです。
特に、JR北海道での社長二人の自殺や、ステンレス733系とアルミ735系導入にあっての裏があったとは。
K沼さんの開発本も読んでいて、北海道も頑張っていると単純に信じていましたが・・・残念でなりません。
労組に遠慮しての経営で安全が守れるのでしょうか?
JRに乗るのが不安になってしまいます。
やはり規模の大きな会社となるとどこもこうなのでしょうか?
中小企業に勤める私には理解できない部分が多かったです。