あらすじ
抽象的で初学者にはとっつきにくい「現代数学」。そこではどのような世界が広がり、どのようなことが考えられているのだろうか。「集合」「写像とグラフ」「群論」「数学的構造」といった基本的概念を手掛かりに、数学を徹底的に対象化・客観化し、“外”から見たその姿を語る入門書。本書はユニークな内容・構成と平易な解説で、数学とは何か? その組み立ては? それらの問いに答えるいわば現代数学の地図である。数学基礎論を専門とする著者らしく、後半は論理や計算機科学の話題が展開される。
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Posted by ブクログ
現代数学が何を目標としているのかが良く分からなかったが、本書のおかげで、数の構造の解明を目指しているということがようやくわかった。過去に集合論や群論の本を読んだものの、数学的な難しさとは別に、なぜそのような考えが必要なのか、そのようなことをするのかが理解できなかったが、集合や群という道具だけを見ていたからだった。
本書では一つずつ考え方を積み上げ、拡張するという構成となっている。また、記号の定義、説明もしっかりしているので、いきなり意味不明な式が出てくることもない。集合論は大体理解できたが群論に入るとさすがに難しく理解が追い付かない。しかし構造を定義しているということは分かるし、先行して定義を持ち出すこともないので、じっくりと取り組んでいけば理解できるようになると思う。