あらすじ
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大人も子どもも、それ以外も、「考えすぎちゃう」すべての人へ――。「自由って何?」「子どもに優しくできないよ」「あれは人生の無駄?」「他人のストローの袋が気になる」「明日、すごいやる気を出す方法」等々。絵本作家ヨシタケシンスケの、読むとクスッとしてホッとしてちょっとイラッとする、スケッチ解説エッセイ! 新感覚。楽しくて、グッとくるイラスト、100点以上、収録!
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Posted by ブクログ
ヨシタケシンスケさんのエッセイ。
日常の中でふと思ったことをスケッチにする習慣があるそうで、そのイラストを解説とともに紹介したもの。
心配性で、繊細で、何事も考えすぎてしまうヨシタケさんの性格がこの一冊にぎゅっと詰まっている。
一歩踏み出す勇気がないとか、否定されることの恐怖とか、考えすぎて行動に移せない、そんな思考のジレンマに共感。
ただヨシタケさんはさらにその奥の境地というか、人間のどうしようもなく情けない弱い感情とうまく付き合おうとされている。
今日はなにもできなかった、と自分を責めそうになったら「明日やるよ。すごくやるよ。」と3回唱えて寝る。
「幸せとは、するべきことがハッキリすること」
選択肢がありすぎてなにをすればいいのかわからない、不安で仕方がない、そんな感情に押しつぶされそうになったら、とりあえず「今日は中華だ!」とかなにか一つ決めてみる。
Posted by ブクログ
物語の先を想像してもらうような文章を書きたい。と言う風なことを書かれていて、とても納得しました。
今までは、最後の解釈はその人にゆだねる系のドラマ映画や本は好きじゃなかったです。あくまでも作者の書きたかった物語が読みたい!と思っていましたが、
この前みた、映画のperfect Daysも多くのことは語らなくとも、その人の過去だったり、思いだったりを想像できました。
それも見る人に委ねる系だとは思いますが、今までみてきたものと何かがちがう。
ヨシタケさんの文章にも、何かが違う良さを感じました。
素敵な物語から想像できることで、心が甘たくなり豊かになれる気がします。そのような委ねる系好きなんだと実感しました。
こんな素敵な話で想像力を鍛えていきたい。
Posted by ブクログ
有名なイラストレーターで絵本作家のヨシタケシンスケさんのエッセイ。ヨシタケさんがいろんな瞬間でメモをとるようにスケッチしてきたイラストをもとに、その時ヨシタケさんがなぜそれをスケッチしようと思い、何を考えたのか、が書かれている。
ヨシタケシンスケさんってイラストの柔らかい感じが好きだけど、絵本あんまり知らないなあと思った。絵本書くような人だから、子どもにも受け入れられるような何かそんな発想というか雰囲気というか感性を予測してしまったが、読んでて分かるのはこの人本当にネガティブな人なんだなあ、という感じだった。だからこそ好感が持てるのだけど。
「その場にいない人をどうにか悪者にして、その人の悪口を言いながら、その人が帰ってきたら、別な人の悪口を言いながら、何とか今日も無事にお家に帰れるようにしたいっていう所を目指せれば、大体はいいんじゃないか」(p.35)とか、「何でもかんでも、全て手に入れた人が一番最後に何するかって言ったら、何か身近な人の悪口を言うんですよ、やっぱり。」(p.37)とか。悪口を言わないで済むようなメンタルについての話は聞くけど、悪口言うよね、っていう、人間的な感じが面白かった。だって人間だもの、の世界。「誰かにひどいことをされた時には、どうにかして、相手にもひどいことを仕返ししてやりたいと思うのが人情でして。」(p.39)って、本当に等身大というか正直な人だなと思った。「ボクはあやつり人形」(p.106)って、おれはそうじゃないからあまりに自分と真逆だったのでびっくりするけど、そりゃこういう人だっているよな、って感じだった。でもこの話の結論は、「あやつってくれれば最高のパフォーマンスを見せますっていう、そういうポジティブな話なんです。」(p.113)ってところで納得。というかカッコいいかも、とすら思った。
育児での話が結構あるので、育児経験ある人ならもっと面白く読めるかも。「へんてつもないよ!」(p.76)とか「ゆれがり?」(p.77)とか、本を読んでもなかなか出会えない子どもの言葉の発達の様子とか書いてあるのも、興味深かった。
全体的にはネガティブだけど、それをどうポジティブに、というかプラマイゼロに変えていくか、著者なりの工夫とか発想とか知れるので、そういう点でも面白いかも。「自分のできないことをどんどんつぶしていって、できることを増やしていくのが仕事の人もいるんだけれども、でもあえてそこをせずに、できないことをそのままにするっていう覚悟の決め方、そういう立ち位置もひょっとしてあるんじゃないか。」(p.94)とか、「自分にできないことがどんどん見えてくる。それは、何かができるようになったしるしなのかもしれません。」(p.125)とかも納得。あと今高1の生徒に「選択」という話をすることがあったから、「若いと、あれもできるし、これもできるし、今からあれになろうと思えば、まあできなくもないしって、選択肢がものすごくたくさんあるときって、逆に、もう何か不幸なんですよね。どうすりゃいいんだよって。」(p.100)って、まさにこういう高校生いるよな、羨ましいけど、とか思ったところだった。
ということで、人の頭の中を覗いてみた、って感じの本。まあ、たまにはこういう本もいいかな、って思った。(25/02/03)