あらすじ
名画の悲劇は美術史の知られざる裏の顔だ。修復不可能になったムンク《叫び》、2012年にアパートの一室から発見されたナチス御用画商の隠し絵画1万6000点、8万8000個の破片から再現されたマンテーニャのフレスコ画、フェルメール《合奏》を含む被害総額5億ドルの盗難事件……欲望と不運が綾なす黒歴史に詳細なビジュアルで迫る!
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Posted by ブクログ
著者のブログが面白くて手に取った本。
美術品泥棒の漫画(エロイカ~)を彷彿とさせてくれたこともあり、最後まで飽きなかった。失われたアートや、盗まれたアートに思いを馳せることで、まだ失われも盗まれもしていないアートへの愛がわく一冊だった。
Posted by ブクログ
盗難、戦争、略奪、劣化…様々な理由で失われたアートを解説。戦時中に消失した「芦屋のヒマワリ」について知りたくて読みました。
思想のために略奪や破壊を行うのは許せないけど、同時に作品を守り、復元に携わる人達が尽力していることを知れて良かったです。
Posted by ブクログ
失われたアートの謎、となっているけれど、謎解きではなくきちんとした史実でとてもおもしろい。
失われた作品、その軌跡。人の手によって壊された作品、その悲劇。そして、人の手によって奪還されたり修復された作品の数々。
現在ある作品たちが明日もあさっても同じ姿で観られる訳ではないことを、あらためて実感した。だからこそ、どんな小さな展覧会でも観たいものはチャンスがあるうちに観ておこう、と思った。
わたしの現在の心残りは、かつてベルギーを訪れた際にゲントの祭壇画を観に行かなかったこと。あの作品にも、収奪、奪還という歴史があったのか。大好きな作品をいつか、この目で観られることを願います。
Posted by ブクログ
あとがきには「主観を排し事実だけを〜淡々と綴る」と書かれているけれど、かなり演出がかっているというかドラマチックに書かれている印象でした。美術にそこまで興味がなくても推理小説や警察もの、戦争映画が好きな人も面白く読めるんじゃないかな。事件や政治との絡みが切り口なので。
読みやすいのに解説や図版がたくさんあって内容は薄くなかったです。時代や地域も様々で、青い日記帳さんってすごい方なんだな…
個人的にはモリアーティのモデルになった人の話とパリオペラ座の天井画の話が好きでした。
Posted by ブクログ
モナリザ
1911年イタリア人左官工ペルージャによって
ガラスカバーを施す業者として休館日に持ち出し
自宅アパートに2年間も保管
本人がイタリア人画商にモナリザをイタリアに戻す交渉
50万リラ=5.8億円相当を要求
ひび割れの状態で本物と判断
7カ月間の拘留後釈放
ムンク「叫び」 5枚のうち2枚が強奪
1994年リレハンメルオリンピック開会式の日の朝、
オスロ国立美術館に梯子をかけガラスを割り侵入
ワイヤに吊り下げていただけ
悪人仲間の協力のおとり捜査で逮捕、奪回
2004年オスロ市立ムンク美術館
銃を持つ強盗により強奪
同時期の犯罪の首謀者からの情報で
「マドンナ」とともに発見
その後、4000万クローネ=6.7億円かけた防犯対策
ガラスケースに入れられている