あらすじ
江戸の放火犯・盗賊・博徒を取り締まった火付盗賊改。時代小説では颯爽たるイメージだが、江戸庶民の評判は必ずしも芳しくなかった。不透明な捜査手法、苛酷な取調べには幕閣も眉をひそめた。捕物名人と呼ばれて人気を博し、無宿人対策の人足寄場創設に尽力した長谷川平蔵などは例外的であった。当時の随筆や世相風聞録をも博捜し、時の権力者や大盗賊たちとの関わりも絡め、功罪相半ばした火付盗賊改の活動の実態に迫る。
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Posted by ブクログ
火付盗賊改の成り立ちから消滅までを描いた本書。
本書を読んで、改めて火付盗賊改の貧弱さ(町奉行や他の幕府組織に比べて)を確認した。
持ち出し(自費)が多く、むしろ成りたくない厄介な役職であった事は確かである。
そんな中、中山勘解由・長谷川平蔵・矢部定謙の有能な3名を始め、歴代長官が四苦八苦していたのは明らか。
・・・もう少し財政的に何とかならなかったのだろうか?
Posted by ブクログ
江戸の放火犯、盗賊、博徒を取り締まった火付盗賊改。時代小説では颯爽たるイメージだが、江戸の庶民には評判は芳しくなかった。鬼平・長谷川平蔵などは例外的であった。
Posted by ブクログ
鬼平特別で、歴代の火付盗賊改は結構とんでもないやつ揃いやで、という視点での歴代改の評伝。
割と乾いた感じ。
鬼平にしても、金さんや大岡越前みたいなんとはちゃうで、もっと毀誉褒貶あんねんで、という評論かな。
江戸期の犯罪対応が、否応なく難しいものだったっていう視点で読めると思う。毒には毒だが、毒が相乗することもあるわけで。人権より、犯罪撲滅っていうところもあるかな。