あらすじ
広島県の造り酒屋に生まれた池田勇人は、大蔵省に入って5年目に「落葉状天疱瘡」という難病に罹り、退転を余儀なくされた。絶望の底に叩きつけられた池田だったが奇跡的に同省へ復職。主税局長、次官と上り詰めたのち、政治の世界へ身を投じる。時を同じく、新聞記者で水泳指導者としても活動する田畑政治は、幻のオリンピックを再び東京で開催しようと決意。やがて二人の人生は「この日」に向かって収斂し始める――。
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Posted by ブクログ
自分が敬愛する白洲次郎が推した漢“池田勇人”がメインの話です。
1964年の東京五輪に至るまでの道のりを、池田勇人と田畑政治、それぞれの立場から追っていく展開に胸が躍りました。
華やかな成功の裏にあったものを辿る話かと思っていましたが、読み進めるほどに残るのは祝祭の記憶より、そこに至るまでの執念や焦りのほうでした。
病を抱えながら国を立て直そうとする覚悟や、五輪にすべてを賭ける熱量には引き込まれる一方で、人物や時代背景の説明が重なり、物語としては少し硬さを感じる場面もあります。
それでも、あの一日を支えていたのが無数の決断と意地だったと知ると、五輪の見え方が少し変わりました。
読み終えた後、結果ではなく過程の重さのほうが胸に残りました。