【感想・ネタバレ】ニューヨークのアートディレクターがいま、日本のビジネスリーダーに伝えたいことのレビュー

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Posted by ブクログ 2023年08月16日

ニューヨークで活躍する日本人アートディレクターが、日米での仕事を通じて感じた『ビジネスにおけるブランディングの重要性』を解説した一冊。

■こんな人におすすめ
・ブランディングに携わっている方
・事業の企画領域を担当している方
・ブランディング初心者

※経営に近いポジションですでにブランディングに...続きを読む携わっている方にとっては、入門書的な位置付けになるかと思います。

■本書のおすすめポイント
まず、とても分かりやすいです。
難しい用語は殆ど使われておらず、表現も単純明快。

著者の経験則による記載も多々あるため、読み手のステータスによって感じ方・捉え方に差異は出ると思いますが、総じてタメになる一冊です。

大事なことは表現を変えて何度も記載されている点も、理解を深める上では良い点でした。

マーケティングやブランディングという切り口で書籍を探している方は、一読して損はないと思います。

■私が読んで「重要!」と思ったセンテンス

①ブランディングとは
ブランディングとは、その商品の本質や価値を引き出し、思いや強みをターゲットに正しく伝わるかたちで表現すること。

ブランディングの最終ゴールは、ロイヤリティの獲得。すなわちファンになってもらうことである。

世界の経営者は、ビジネスを成功させるにはブランディングが不可欠な経営戦路であると認識している。
そのため事業を立ちげると、まずブランドの構築(=ブランディング)をはじめる。

そして、ブランディングの要である「クリエイティブ」を統一するアートディレクターを事業戦略構築のはじめから起用し、ブランディングを進めていく。

日本でも最近、ブランディングやデザイン経営という言葉をよく聞くようになった。
しかし、まだまだその本質は理解されておらず、経営戦路として浸透していないのが実情。

残念ながら、ブランディングをする前にロゴやウェブサイト、内装をつくりはじめてしまう経営者や担当者が非常に多い。

これでは一貫性のない世界観とメッセージを発信する、つぎはぎだらけのブランドが出来上がってしまう。
このような状況からは、ブランドとしての成功、そしてグローバルな成功はありえない。

②ターゲット・オーディエンスに伝える
日本企業がアメリカ市場に進出する際に頻発すること。
それは、日本人は素晴らしい商品をつくるのに、ターゲット・オーディエンスを理解しておらず「伝える」ことができていないということ。
よって、ビジネスはうまくいかない。

ここでいう「伝える」とは、商品をターゲット・オーディエンスに響くかたちに落とし込むこと。
つまり、ブランディングのことである。

海外でうまくいかない日本企業は、海外マーケットでも日本人をターゲットとしたやり方を採用してしまっている。
そして、ターゲット・オーディエンスを理解していないがために、見当はずれなチーム編成をし、ターゲットに刺さらない戦路でビジネスをしてしまう。
結果、成果を出せずに撤退していく。


日本のインバウンドビシネスでも、これと全く同じことが起こっている。

日本での「外国人ターゲット」のサービスは、海外からの顧客に合わせるのではなく、日本人が日本の常識や嗜好で考えた「外国人」をターゲットにしたものがほとんど。
単一民族と中間層が圧倒的に多い日本の感覚で、様々な国、民族、言語、宗教、収入、学歴などをもつ海外顧客を「外国人」でひとくくりにしてしまっている。

そうではなく、効果的な顧客層に狙いを定め、相手の文化に合うかたちに「調整」して提供していくことがインバウンドビジネスを成功させていく上で重要である。

それにはターゲット・オーディエンスを理解したビジネス経験が必須になる。

③ターゲット・オーディエンス
ターゲット・オーディエンスを具体的に絞ることがブランディングを成功させる秘訣である。

それにはまず、この商品やサービスは、どういった人々に向けてつくられているか、どういう市場や層の人々に買ってほしいかを定義する。
通常、デモグラフィクスとサイコグラフィクス の2つで表す。

01.デモグラフィクス
統計上の集団の特徴。
一般的には年齢、性別、年、職業、社会階層、家族構成、教育レベル、人種、宗数、居住国/居住地域などの属性を表す。

02.サイコグラフィクス
心理的な属性。
休日は何をしているか、どんなライフスタイルなのか、趣味や嗜好、行動の傾向などを分析したもの。

留意すべきことは、自分がターゲット・オーディエンスでないことを認識し、自分の価値観だけで考えないということ。

④プロダクトベネフィット
競合となる類似または代替となる商品・サービスがたくさん売られているなかで、ターゲット・オーディエンスがこの商品を選ぶポイントは何か。

「どういったメリットを消費者に与えるのか?」
「この商品をターゲットに選ばせる価値とは何なのか?」

ターゲット・オーディエンスを理解することはもちろんのこと、時代や環境、トレンドなどを読み取り、洞察することが重要。
それと同時にこの商品・サービスの本質とも合致していなくてはいけない。

自分がターゲット・オーディエンスでない場合、やはり自分の主親で考えてはいけない。

例えば、日本女性に一番好まれる下着の色はパステルピンクだが、アメリカとイギリスの女性が一番好む下着の色は黒であるように、あくまで自分がターゲットではないことを認識し、ヒアリングなどをしながら、慎重に考えていく必要がある。


⑤日本では「デザイン」が正しく理解されていない
日本での「デザイン」の解釈は他の国々と異なっている。
「デザインする」とは、見た目の良いものをつくることではない。
デザインとは問題解決の手段である。
つまり「デザインする」ということは、
・クライアントをよく観察し
・課題や間題点や強みを見極め
・オーディエンスや時代、市場を考慮し
・問題解決する方法を柔軟にクリエイティブに考え出し
・それを可視化して伝わるかたちに落とし込んでいく

ということである。

それに対し日本の「デザインする」とは、最後のプロセスの一部である「見た目の良いものをつくること」であると考えられている。

デザイン事務所の仕事は、本来はブランディングやデザインを通して問題解決すること。
それにも関わらず、日本では表面的な見た目の良いものを作ることだけにとどまっている。
(日本のデザインフィーが海外のそれよりも格段に安い理由の一つでもある。)

⑥情緒的価値と非言語的コミュニケーション
商品のスペック(機能的価値)だけでなく、商品やそのつくり手に共感できるか(情緒的価値)が重要になってきている時代。

日本は機能的価値を上げることは得意だが、情緒的価値を上げることは苦手。

しかしながら、商品・サービスの差別化や、次世代の購入層を考えると、情緒的価値を上げて伝えることは非常に大切で、そのためには戦略的なコミュニケーションが必要になる。

ここでいうコミュニケーションとは、言葉を使って伝える言語的なものだけではない。

非言語的なコミュニケーションである「視覚的要素・聴覚的要素・嗅覚的要素・味覚的要素・身体的要素」など、相手の五感で感じられるもの全てがコミュニケーションに含まれる。

そして、言語コミュニケーションよりも記憶に残るビジュアルをツールとした視覚的コミュニケーションは非常に有効な手段である。

例えば、人が耳で聞いた内容を3日後に記憶している割合は10%、イラストを見せた場合は35%という実験結果が出ている。

また、絵を理解・処理するスピードは13ミリ秒、文字を理解・処理するスピードは200ミリ秒という研究結果も出ており、文章よりもイラストの方が15倍早く理解・処理できる。

⑦ビジネスにクリエイティブな視点が必要な理由
ビジネスの目指すゴールは、商品・サービスを購入してもらい、そしてリピートして買ってくれるロイヤルカスタマーを掴むこと。

では、消費者はどう判断して購買を決めるのか?

それは、そのブランドに関わる全ての要素が醸し出す雰囲気であり、これをLook and Feelと言う。

お客様に手に取ってもらうには、商品自体の良さで勝負するのではなく、どれだけその商品の世界観を商品以外の要素全てで表現できるかにかかっている。

だからこそ、ビジネスにはブランディングが必要であり、その要であるクリエイティブな視点が求められるのである。

時代や環境、ニーズを考えながら、企業や商品・サービスのもつ「らしさ=個性」を引き出し、その価値をお客さまに与える総合体験の全てにおいて正しく演出し、効果的に伝わるかたちに落とし込む。
その結果、リピートして商品やサービスを継続購買してくださるロイヤルカスタマーが醸成されていく。

⑧用語の整理
01.ブランド
A brand is a "Name, term, design, symbol, or any other feature that identifies one seller's good or service as distinct from those of other sellers."
商品・サービスを競合他社から明確に区別し識別させるための、名称、言葉、デザイン、シンボル、その他の特徴のこと。

02.VI(visual identity)
会社、商品や組織のコンセプト・理念を、ビジュアルの構成要素(ロゴ、書体、色、写真、イラスト等)で視覚的に表現したもの。

03.CI(corporate identity)
企業理念、事業内容、方針など経営にまつわる事柄を企業目線で体系化したもの。VIも含まれる。
目的は、企業メッセージを広く伝えることであり、ブランディングではない。その違いは視点である。
CIは企業視点で構築されるため、消費者視点で構築されるブランディングのように、ターゲット・オーディエンスの設定はしない。

04.ブランディング
時代や環境、願客ニーズを考えながら、商品・サービスのもつ「らしさ=個性」を引き出し、価値をつくり上げ、お客さまに与える総合体験の全てにおいて正しく演出し、伝わりやすく魅力的にデザインすること。
最終目的は、「企業価値」を向上させ、お客様のロイヤリティを獲得すること。ファンになってもらうこと。

⑨良いブランドの条件
ブランデングは、下記の条件を満たすような方向に進んでいく必要がある。
とりわけ昨今では9〜12が重要。

01.偽りがない
02.ビジョンがある
03.価値がある
04.一貫性がある
05.持続可能である
06.柔軟である
07.差別化されている
08.約束を守っている
09.感情を引き出す
10.社会貢献の要素がある
11.環境に優しい
12.企業倫理/ガバナンスがある
13.ポジティブである


⑩ブランディングの管理
日本でよく見かけることだが、ブランディング後の管理ができていない。
例えば、「ブランディング」をしたであろうロゴや内装などのコラテラルが素敵に仕上がっているレストラン。

しかしながら、従業員の接客が悪かったり、ブランドに沿わないようなものが買い足して使われていたり、現場の利便性を優先して色々なものが客の目につくところに置かれていたり…

ブランディングは総合体験であり、続いていく長期戦路。
細部にまで神経を使い、世界観を保っていけば素晴らしい効果が期待できる。
その一方で、小さな矛盾が不信感を招き、プランドイメージを落とすことに繋がる。


■最後に
決して分厚い書籍ではありませんが、情報量は多く、ブランディング領域における知識の再整理・考え方の発見に大いに寄与してくれる一冊だと思います。

ぜひ読んでみては。

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Posted by ブクログ 2023年08月06日

マーケティングの根本的なブランディング部分の考え方について、事例も含めて分かりやすく書かれていた。この視点をマーケティングを考える上で、忘れたくないと思った。

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購入済み

心に響く、日本企業の弱点を知れ

2022年05月25日

私も日本の大企業で20年勤務しました。
常に疑問に持っていたことがこの本書ではハッキリと明確な文面で答えが出ています。

素晴らしい本です!

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Posted by ブクログ 2020年08月29日

素晴らしい本。
日本とアメリカの文化や思考の違いと一つ一つ向き合って紐解いて解説している。日本とグローバルマーケットの視線の違いや、優先順位のギャップ、日本後と英語の本質の違い。など、かなり細かい視線で書かれているので解像度が高い。「自分らしさ」を持つことが、グローバル人材には必要不可欠。ブランディ...続きを読むングやデザインコンセプトをどのように作り上げていくのか、その過程も詳しく書かれているので、ブランディングを勉強している人にはとても参考になる一冊。

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Posted by ブクログ 2020年05月10日

「マーケティング×グローバル」
海外で働くデザイナーの観点から、実体験に基づいたブランディングについて描かれている。
グローバル企業で働く(活躍する)ということそれ自体も、ある種 “自分”というブランドのマーケティングだと認識した。

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Posted by ブクログ 2020年03月01日

ビジネスリーダーだけでなく、世界に向けてチャレンジする日本人は一度、この本を手に取ることをおすすめします!

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Posted by ブクログ 2020年01月01日

▼ブランディングとは
顧客とのタッチポイントで効果的にビジョンを伝え、ファンになってもらうことを目指す

▼事例
■EDOBIO
→海外進出が契機

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Posted by ブクログ 2019年10月01日

NYで活躍する女性2人が「私たちは」という視点でブランディングについて説いているのだけど、もう装丁やエディトリアルデザイン、内容に至るまでお2人のブランディングが徹底していて素晴らしかった!語り口も丁寧で誠実で且つ無駄がなく、人柄を表しているかのようだった。ブランディングとはそのひと(ブランド)らし...続きを読むさを最大限活かし、ターゲットに届けること。素敵な職種だなあ。

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Posted by ブクログ 2023年09月04日

ブランディングとは何か?
海外と日本における違いは何か?

ブランディングの知識が全く無い私でも
ざっくりと理解できた。

また著者2人がニューヨークで経験した日本人だからこそ苦労したポイントは、ずっと日本にいる私にもリアルに伝わってきた。

デザインの仕事をしている友達と話した時に
何度か&quo...続きを読むt;デザインで解決しなければならないこと"
という彼の思いをアウトプットを見ながら聞くことがあった。
その根底にあるブランディングの考え方を知り、
今なら少し彼のこだわりを理解できる気がする。笑

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Posted by ブクログ 2023年07月25日

伝えたいことはなんとなくわかる。雑にいうと結局のところ細部までのこだわり、一貫性を保つことへの執着なのかもしれない。どういう人に自分のプロダクトを伝えて買ってもらいたいのか、そのような人に知ってもらうためにはどうすると良いのか、といったことをでって意思で考えて世界観を作る。それが組織を束ねるリーダー...続きを読むシップになり、文化になる。それは美しい。
ただ現実や時間はなかなか残酷だ。徹底したブランディングも本当に完全に徹底させるのは本当に難しいことだと思う。(一つの著者らのブランディング例として挙げられているpursoma のロゴ修正が今でもウェブサイトで修正前のものが使われたままになっている)そして、ある時点での一貫性やストーリーは永続しないことがほとんどだ。変わらなければいけない時には変わらないといけない。そんな変化の都度都度にブランディングツールもアップデートするのはとても大変なことだ。でもそれができる組織は強いと思うよ。

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Posted by ブクログ 2022年06月16日

ざっくりとした概念から、具体的な手法までが書いてある。

手法の部分は実務に基づいたフローを紹介しているため、実践に試してみる価値がありそうだ。

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Posted by ブクログ 2022年04月04日

日本企業が弱いところ。
ブランディング。

なぜなら、ブランドとは何かを理解していないから。
ある意味、形あるもの=表面的なデザインを、
ブランドととらえている。

本来、ブランドとは、世界観。
誰をターゲットにして、
何を提供するのか。
どのように提供するのか。
どんなことに取り組んでいるのか。
...続きを読む
それを形として表現するためのルールとして
どんなロゴ、
色、フォントを使うのか。

どのような手段で、どのように
ターゲットと接するのか。

これが、ブランディング。


ブランディングの教科書より、ぜんぜん
わかりやすくて良い。

ただ、願わくば、B2B事例を入れて欲しいのと、
日本企業を世界に押し上げた事例があると尚いいな、と。

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Posted by ブクログ 2022年02月06日

なんとなくブランディングとして認識していたことが、わかりやすくまとめてあり、メモをとりながら読みました。
考え方のプロセスとして、とても参考になった。

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Posted by ブクログ 2022年01月29日

目からウロコ、全く気づかなかった新認識が得られた、ということは無いが、
ビジュアルの強みや重要性がブランディングに如何に重要かということをわかりやすくいろんな言葉で書いてくれていると思います。
◆「ブランディングは、戦略とアウトプットの両方がクリエイティブで串刺しされて初めて成り立つもの」
◆そのた...続きを読むめには「その企業らしさ」(雰囲気)を顧客に総合体験(各媒体など)の全てにおいて正しく演出し効果的に伝える
など。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年02月12日

・デザインするとは見た目の良いものを作ることではなく、クライアントをよく観察し、課題や問題や強みを見極め、オーディエンスや時代・市場考慮し、問題解決する方法を柔軟にクリエイティブに考えだし、それを可視化して伝わる形に落とし込んでいくことと定義づけ、具体的な取り組みがかかれている本。

同時に、なぜ日...続きを読む本人は伝えることが苦手なのかという新しい視点があったことも個人的には面白かった。
①成長の段階で自己主張や自己表現することに慣れていない
②日本語はハイコンテクストな言語であり英語はローコンテクストない言語。コンテクストとは文脈や前後関係のことで、ここではコミニケーションをする際の基盤となる共通の文化、環境、価値観や考え方など。コンテクストに依存していて日本では共通の文化や価値観を持っている相手とのコミュニケーションが大半のためコンテクストに依存している。
自分含め本当に意識してよくしていく必要があると思う。

・視覚的に伝える手段であるビジュアルコミュニケーションは非常にパワフルだ。
・Brand is a name, Term, design, symbol, or any other feature that identifies one sellers good or service as distinct from those of other sellers.

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Posted by ブクログ 2020年09月05日

日本語がハイコンテクストな言語(行間を読んで伝わる言語)であるがビジネスではシンプルに明確に伝えることが求められる。

でも、顧客と対話するときはバチバチにハイコンテクストな会話するので切り替えられるように意識していこう。

実質的価値だけでは十分ではなくて、LOOK and FEEL(情緒的価値)...続きを読むを伝えられるようにブランディング視点持っていこうという内容。とても参考になりました。

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Posted by ブクログ 2020年08月31日

日本ってやっぱり、いい国なんだけど、
特殊な国なんだなって客観的に見られる

日本国内だけじゃなくて海外も視野にいれてビジネスをするなら確実に日本人は何かを変えなくてはいけないんだろうなって思う

これがいいんだ❗️って思っても、それは確かに私はいいって思うけど100人に聞いたらなんて答えられるかな...続きを読む?って疑問に思えた

難しい言葉もなく読みやすいし、よかったあ

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Posted by ブクログ 2020年07月14日

私自身海外駐在歴17年、現在ニューヨーク在住として、「いや、全くもっておっしゃる通り」ということが書いてありました。私の問題意識と、著者の書かれている内容はほぼ同じ一致。
問題は、これを自分自身、どうやって実践するか…
良書です。

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Posted by ブクログ 2023年09月20日

ニューヨークを拠点に働くアートディレクターとして外から日本のビジネスを見たときの印象やアメリカのビジネスとの差異、一般的なブランディングの定義、彼女たちのブランディング手法、が主に述べられている。
分かりやすくまとまっているが、類書と差別化できているかは疑問。よく耳にするような、当たり前のことが書か...続きを読むれている印象だった。
本人たちが装丁デザイン、エディトリアルデザインをしているということで、表紙や本文は他のビジネス書とは違ってすっきりとしている。
冒頭に掲載している写真のような製品を作っている会社のリーダーや、この書籍のデザインに興味を持つようなリーダーには刺さるのかもしれない。

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Posted by ブクログ 2021年09月11日

 …日本人は素晴らしい商品をつくるのに、ターゲット・オーディエンスを理解していないので「伝える」ことができていない、よってビジネスもうまくいかない、ということです。ここでいう「伝える」とは、商品をターゲット・オーディエンスに響くかたちに落とし込むこと。つまりブランディングのことです。

■「デザイン...続きを読むする」
・クライアントをよく観察し
・課題や問題点や強みを見極め
・オーディエンスや時代、市場を考慮し
・問題解決する方法を柔軟にクリエイティブに考え出し
・それを可視化して伝わるかたちに落とし込んでいく

■良いブランド
・AUTHENTIC:偽りがない
・VISIONARY:ビジョンがある
・VALUABLE:価値がある
・COHERENT:一貫性がある
・SUSTAINABLE:持続可能である
・FLEXIBLE:柔軟である
・DIFFERENTIATED:差別化されている
・COMMITTED:約束を守っている
・EMOTIONAL:感情を引き出す
・SOCIAL:社会貢献の要素がある
・ENVIRONMENTAL:環境にやさしい
・GOVERNANCE:企業倫理/ガバナンスがある
・POSITIVE:ポジティブである

・キャッチコピーは消費者を魅せるためのもの、タグラインはブランドを定義するもの
 タグラインは、通常ブランド名称とともに使用され、ブランドが消費者や社会にオファーする世界観やプロミスやビジョン、差別化ポイントを、素早く印象深く伝えるものです。良いタグラインは、短く、覚えやすく、独自性があり、ポジティブで、ブランドの差別化ポイントを表し、ブランドの世界観に合っている必要があります。

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Posted by ブクログ 2021年05月30日

ミレニアル世代の10人中9人が、
そのビジョンに共感できるか否かによって
購入するブランドを選んでいる。

そんな時代だからこそ、
重要なのは「売る」こと以上に
「ファン」になってもらうこと。

ブランドを確立するために必要なことは、
①自分らしくあること。
②グローバル•マインドセットを持つこと。

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Posted by ブクログ 2021年01月31日

ブランディングの基礎に加え、ブランディングに対する日本独特の解釈や世界から見たポジションが分かり、役立ちました。

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Posted by ブクログ 2021年01月18日

ブランディングは本来見た目のデザインだけでなく「総合力」。DNAから仕込め!

NYで20年以上活躍する実務家の「外からのアドバイス」が沁みる。中長期的に全企業に必要な内容

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日本人は自己表現力弱いとか、行間を読む文化だからストレートに伝えられないとか、その辺の内容は割とよく聞くもので...続きを読む「やはりそうか」という感じ。

中盤の具体的なブランディングのやり方指南が目からウロコかつ分かりやすい。「自分の感覚を信じるな」。コロナの直近対策と別に会社全体でやるべき!

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Posted by ブクログ 2021年01月10日

ブランドの構成要素をわかりやすく書いてくれている。
ブランドの作り方の基本構成がわかったのでよかった。

ロゴなどのビジュアルだけでなく、本質的なブランド価値の作り上げ方が分かったのでよかった。

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Posted by ブクログ 2020年09月14日

伝えたいことは、自分らしさを大切にすること、グローバルマインドを持つこと。アメリカというグローバルマーケットの最先端で、日本人というマイノリティを跳ね除けて仕事するには、さぞ苦労もあったかと思う。その上で、苦労した分、悔しい思いをした分、それを仕事で跳ね返したというストーリーにはなるほどと思う部分も...続きを読むある。ディーンアンドデルーカのデルーカさんの奥様でもあり、ちょうどコロナでチャプターイレブンを申請したタイミング、ブランドとは厳しいものだと実感するところでもある。
クリスマスなんてNGで、ハッピーホリデー以外はあり得ないのが当たり前。ユダヤ人の上司を持つ身で、クリスマスは死を意味するし。でもこういうウィット、ティップス一つ一つを日本人は知らない。知らないからこそ、どこかそこはかとない不安を持っている。それを体感したか、していないか、つまり海外にいたということだけでは意味がなくて、そこから先へ踏み込んだかどうか。本書の二人は、それをデザインという文脈で半強制的に体感したんだと思う。地雷を踏んで、なんぼ。あ、これ地雷かよと思うことなく体が消し飛んでいることもある。本は、知の集積出会って、過去の人たちが経験したこと、頭の中にある世界をを体験、追体験できるのが本質。とすると、我々のやっているニューヨークでの戦いが、未来の誰かの成功のきっかけの一つ、少なくとも失敗しなかったことを支えたことの一つとでも言える、レガシーを残していきたいものだ。

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Posted by ブクログ 2020年05月23日

美容室の待ち時間に斜め読み。
唯一無にという特異性が何か深掘りし、
ブルーオーシャンへ航海しなければいけないと感じた。

[気になった言葉]
価格を下げ、品質を高めることで競っていくという競争戦略型。今後は他社と比較して相対的な価値をつけるのではなくその会社らしい唯一無二の絶対的な価値を作る。

...続きを読む品やサービスの情緒的価値を伝えて理解してもらって信頼してもらい共感してもらう。それにはビジネスから発せられるメッセージが矛盾なく同じ方向を向いていること。

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