【感想・ネタバレ】経営参謀としての士業戦略 AI時代に求められる仕事のレビュー

あらすじ

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AIの利用が広がるにつれ、多くの士業が「定型的で単純な手続き業務はAIに取って代わられかねない」と危機感を強めています。
起業して新事業を始めたり、いち早くAIを取り入れたりするなど、業務の見直しに取り組む動きも出始めている一方で、「人間にしかできない仕事」としてコンサルティングを志向する動きが出てきています。
士業の専門知識に加え、経営参謀としての能力を備えれば、AIとの共存共栄は十分に可能です。
本書は、「経営参謀」を育てるプロによる、AI時代に食える士業であり続けるためのバイブルとして持っておくべき1冊です。

【「はじめに」より】
…時代の波は、資格によって一定の需要が確保されてきた士業の業界にも押し寄せています。特に強い影響を与えているのは、ITやAIなどによる技術の進歩です。
「業務単価の低下に悩んでいる」
「働いても働いてもほとんど利益が出ない」
「将来に向けてどう動いたらいいのかがわからない」
士業の方からのこのような相談をされることが増えてきました。…

今、士業は過渡期を迎えようとしています。
「機械に士業の仕事が奪われる」──そんな言葉も頻繁に目にするようになりました。たしかに一部の仕事は機械に奪われていくでしょう。しかし、士業の仕事がすべてなくなるわけではなく、人間にしかできない士業の仕事もまだまだあります。その一つが経営参謀という仕事です。

私は経営参謀としてさまざまな経営者とお付き合いする中で、経営者は業績拡大や新規事業の立ち上げといった「攻め」の部分は得意でも、法律や会計、税務、労務といった「守り」の部分には疎いと感じることが多々あります。この「守り」の部分は士業の専門分野であるため、士業は経営者の弱点を補完する経営参謀としてうってつけの存在だといえます。

実際に私も公認会計士、税理士として会計や税務といった「守り」の部分から関与を始め、次第に経営全般のご相談に乗るようにしていった結果、経営参謀として複数の会社の経営に関わるようになりました。

そしてこの経営参謀としての経験から、経営者が何に悩み、その悩みに対してどう関わるかということについて講演や講座でお伝えさせていただいているうちに、経営参謀として活躍する弁護士、公認会計士、税理士、社会保険労務士、司法書士、行政書士、中小企業診断士、弁理士の方も増えてきました。

そこで、AIやITなどの技術革新が続く中、人間にしかできない士業の仕事で付加価値をつけ、そういった仕事をどのように獲得していくかについて、私がこれまで士業の方に助言させていただいてきた内容をお伝えすべく、本書を以下の構成で執筆しました。

第 1 章: AI時代に士業が求められる仕事
第 2 章:士業の業務が自動化される可能性
第 3 章: AI時代の事業戦略
第 4 章:経営参謀になり業務を獲得する
第 5 章:士業の可能性をさらに広げる
第 6 章:これからの士業のマーケティング戦略
第 7 章:これからの士業の組織戦略
第 8 章:これからの士業の意識戦略

そしてもう一つ本書を通じてお伝えしたいのは、「機械化が進めば進むほど、『人間』の時代になる」ということです。どれだけ機械化が進んでも、人間には「人間であること」という強みがあります。それは「人間らしさ」や「人間力」と表現できるかもしれません。
その強みをどう発揮していくかについても、お伝えしたいと思います。

ITやAIの技術革新の波は、今後もとどまることはないでしょう。とはいえ、打つ手はあります。ほんの小さな一歩からでも、まずは一歩踏み出してみる。その小さな一歩が、5年後、10年後、人生を変えるほどの大きな価値をもたらすでしょう。

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Posted by ブクログ

四年前にこの本を知ったときにすぐ読んでたらどうなってたかな?まぁ俺のことだからどうもなってないだろうな…
思えば狭山の事務所から始まって江戸川橋の事務所にいた頃は、経営参謀なんて大それたこと考えられなかったけど、なんとかお客様に喜んでもらって、予想を超える成果を出して驚いてもらって紹介をもらいたいな、どうにかしてって気持ちはすごく強く持っていたのを思い出す。そしてその頃は今の自分の姿は、まぁ、想像はできたけど、想像はしてなかったなと。
今の自分にできるのは、今の立場で、どれだけのお客様の役に立てるか毎日毎時間、模索して模索して、これが答えなのかなというものを一つでも見つけられるよう生きることだろうな。詰まるところ、可能性はだいぶ少なくなってしまっただろうけど、その分そこに集中できるようになったのだろうから、その道を往くしかない。

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2024年03月16日

Posted by ブクログ

スポット的な接点や士業としての本来的な業務における接点から経営参謀としてコンサルタント業務に食い込む手法のくだり、具体的かつ真似しやすい内容でよかった。特に弁護士は法的な問題が発生した際に企業と接点を持つことになるので、どうしたらこなような問題の発生を防げるか一緒に検討しませんか?という形でコンサルタント業務につなげやすいだろう。
そしてよく中小企業診断士を受験する弁護士がいるけど多分そういうことではないのよね。それは単なる箔であって、大切なのは企業の母帰る問題につき集中的に経験を積み研鑽を重ね商品力を上げること。

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2021年11月03日

Posted by ブクログ

著者の経験や知人の話に基づいて、経営コンサルタント的な士業の働き方を中心に、定型業務に囚われない士業の働き方について詳しく記載してあって非常に参考になった。

うちの会社は士業の業務の割合が多いが、経営的な目線も養っていきたい。

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2021年08月23日

Posted by ブクログ

いい意味で期待を裏切る内容でした。

★クライアントに対するレクチャー
①どのような課題を解決するのか。
②その課題を放置するとどうなるのか。
③具体的サービス。
④③が①を解決する論理的根拠。
⑤解決事例。お客様の声。

未来の仕事
Think, Humanity, Body
共感

機能的価値と情緒的価値
タテに拡げる=企業に入り込む
ヨコに拡げる=資格にとらわれない 

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2021年04月21日

Posted by ブクログ

これからのIT、DX、AIの時代に向けて、士業がどのような戦略を取るべきかの本。
自動化されやすい業務を徹底して効率化し、生まれた時間でコンサル業務を行う、というもの。
コンサルの手法自体も、7割コーチング、3割マーケティングという印象。
現状成功している会社に対して、「御社の次のステージは?」という問いは非常に良い。学んできたコンサルに近い手法を使っていると感じた。


↓メモ
日本の経営者の平均年齢は 61・7歳 高齢

★「自動化されやすい業務」は効率化と低コスト化を行い、相場が下がっても利益が出せる体制を作る

「自動化されやすい業務」の効率化によって生まれた時間を「自動化されにくい業務」の拡充に充てる

商品に自信を持てるようになることが必要

「質問力」と「共感力」

★「現状」→「課題が解決することで得られる状況」

その従業員に対してこれまで具体的な対応をしてこなかった理由は何ですか?

課題の本質を突き止めようとせずに、課題の表面的な部分だけ聞いていることが多い

相手の気持ちに寄り添い、共感しながら話を聴く姿勢が相手の本音を引き出します。

嬉しいことがあればそれを一緒に喜んでもらいたい。悲しいことがあればその悲しさをわかってもらいたい。自分の意見には「自分もそう思う」と同意してもらい

「今の事業を今後どうしていきたいですか?」「そのために解決しなければならない課題は何ですか?」

★一つはネガティブな状況を解消するという課題。もう一つは現状よりさらにポジティブな状況をめざすという課題。

★今の御社にとっての次のステージは、どのような状況でしょうか?

人は一方的に押しつけられる提案と、自分が言ったことを踏まえた提案とでは、後者のほうが受け入れやすい

★コンサルタントに新たな知識やノウハウの提供を求めるタイプの経営者と、自分の話を聴いてもらうことを求めるタイプの経営者の2つのタイプがある

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2021年02月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

前半は、社会の流れから考えられることをシンプルに整理している。後半は、著者の経験と考えを元に、士業へのアドバイスをしている。

士業未経験者からすると、面白かったのは以下の項目。
・今の仕事のためだけでなく、未来の仕事のための活動をすること(ライスワークとライフワークを分けるとも共通の考え方)。未来のことをやり続けるために、勉強会をやり続ける。←これはいいと思った。やはり信頼できる仲間内で、自分のアップデートを表現し続け、周囲からアップデートをもらうことは大切だと思う。

・理由は人の行動に大きな影響を与える。
改めて、自分が忘れかけていたこと。お願いするときは、その背景・理由をしっかり説明し、やる気をもって依頼に答えてもらえるようにするのが絶対。

・士業だからといって事業に制限をかけない
 行政書士xホームページ作成とか、役に立つことなら制限せずトライすることが大切。おっしゃるとおり。自分が思っていたことと同じ。

・経営者の成功は人それぞれ
 大きくすることで、経営者が幸せになるとは限らない。本当の経営の目的に対して寄り添うのが参謀の役割。

・経営者支援のポイント
ポイント ①経営者 の 気持ち に 寄り添い、熱意を持って フィードバックする
ポイント ② 「成功」 の 定義 の 確認
ポイント ③ 複数 の 情報入手経路を確保する
ポイント ④ 解決事例を伝える
ポイント ⑤ 専門外の分野は他の専門家と連携する

・顧客獲得に向けて
とにかくギブ&ギブ
例えば、経費削減で貢献。即効性がある資金繰りの改善方法の一つである経費削減について。
以下抜粋
電気代、水道代、通信費、コピー代などは比較的簡単に削減できますが、数百万円以上の経費削減になる場合も。こうした経費 削減 は 提携 先 の 経費削減業者に無料診断を依頼して、削減可能と判断されたら手続きをお願い。こうした明らかな成果が出る提案をして信頼を得ることができると、より深く経営に関われるようになる。

・みんなの助成金というサイトが値打ち有り

・売り込みのための情報
情報①この コンサルティングはどのような課題を解決するのか
情報②その 課題 を 解決 し ない まま 放置 する と どういう 問題 が 起きる のか
情報 ③ 具体的 な サービス 内容
情報 ④ 具体的 な サービス 内容(③) が ① の 課題 を解決する論理的な根拠
情報 ⑤ これまでの課題解決事例。 お客様の声

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2019年09月24日

Posted by ブクログ

▼技術進歩によるこれからの士業
■専門性を持つ作業者から脱却し、参謀(相手の理解+幅広い視点+達成支援)になるべき
■重要なスキルとして、質問力/共感力に加えその会社の悩みに詳しい人材たれ

◉士業は形を変え生き残る

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2020年01月05日

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