あらすじ
夜行の鉄仮面、瞬間移動する引ったくり、謎のチンドン屋――
なりゆきで探偵になったスズムが下町で起きた6つの怪事件に挑む!
不動産販売の営業マンだった黒葛原涼(つづらはら・すずむ)は、会社の倒産後、ひょんなことから東京の下町・町良(まちら)で、探偵事務所を開業する。
ハーバード大卒の美女ネジ子さんを相棒に、下町で起こる6つの怪事件の謎を解く。
第1話「都電の町と鉄仮面」
東京の下町・町良に移り住んだスズムはピカピカ光る鉄仮面が夜な夜な徘徊すると聞き……。
第2話「ネジ子さんが来た」
神出鬼没の連続引ったくり犯“カマイタチ”を捕まえてほしいという依頼を受ける。
第3話「セカイは知らんぷり」
公園で虐待されたノラ猫を助けたスズムが調べを進めると、意外にも犯人は……。
第4話「守り神は失踪中」
“信号揚げ”が名物、タツ子が営むてんぷら屋から大事な守り神が消えた。
第5話「スキマ男のレモン」
町のあちこちで空き缶と一緒に置かれたレモンが見つかった。それは怪しい暗号なのか?
第6話「まぼろし楽隊(ジンタ)」
正式につづはら探偵事務所を立ち上げたスズムは、いきなり謎の“怪人”から挑戦を受ける。
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
軽い感じで読み進められる連作短編集。でも実は根底に流れるのはいなくなった家族への想い。一つ一つの謎よりも、いなくなった弟が生きていてお兄ちゃんと遊びたがっている『かもしれない』っていうラストが何より衝撃的だった。
Posted by ブクログ
お勧め度:☆6個(満点10個)。なんか、すごくノスタルジックな小説に出会った気分だ。特に私のように50歳過ぎの人にとっては、映画の「オールウェイズ」を彷彿させる場面がそこかしこに出てくるのは懐かしい。もちろんミステリー風を装ってはいるが、読み終えたらマンガ的な要素が多かった気がする。内容は会社の倒産で無職となった主人公「黒葛原涼」(つづらはらすずむ)が東京下町の町良に引っ越し、探偵業を始めるまでの事件6章と周りの人々のなりそめを描いている。お気に入りはネジ子さんが猫を「ニャントラ星人」と呼ぶのは笑えた。