【感想・ネタバレ】全国民が読んだら歴史が変わる 奇跡の経済教室【戦略編】のレビュー

あらすじ

経済学者・官僚がこっそり読んだ『奇跡の経済教室』待望の第2弾。政治家に読ませたい本No.1!世界で起きている変化、日本がとるべき戦略が面白いほど見えてくる!全米騒然・日本上陸のMMT(現代貨幣理論)がよく分かる特別付録つき

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Posted by ブクログ

ネタバレ

政府は通貨を発行し、それを租税の支払い手段として定めることにより、通貨に納税義務の解消手段としての需要が生じる。それが通貨の価値。その通貨は政府が発行(支出)したもの。よって、支出が先、徴税は後。税を軽くすると、納税のための需要が減って通貨価値は下がるため、インフレ圧力が発生。「賃金誘導型」成長戦略=「アメ型」成長戦略。「利潤主導型」成長戦略=「ムチ型」成長戦略。アメ型は強い交渉力を持つ労働組合が経済成長の源泉。企業側にとっては制約だが、これがあるからこそイノベーションへと進む。また、「国境の壁」という制約が海外移転や移民労働者流入を阻止するという「制約」を活用する手法。インフレへ。「ムチ型」は人件費抑制、効率化。労働組合弱体化、そしてグローバリゼーション。人件費抑制はが外国人労働者で埋め合わせ。人件費の底辺戦争。デフレへ。国内需要が減っても海外で儲ける。労働者の賃金は上がらず、一部の投資家や企業だけが儲かり格差拡大。トリクルダウンは起きない。米では株主重視の経営観や制度改革が利益配分を労働者から奪った。企業経営者と労働者の所得格差の拡大。生産性の低下。消費者は負債へ依存。金融市場の発達によりこれが可能に。資産バブルの崩壊、金融危機へ。日本のバブル崩壊は金融政策というマクロ政策の失敗なのに、日本的経営が否定されるというミクロの視点が注目されてしまった。そして米の失敗を模倣し「構造改革」へ。雇用重視vs株主重視(オリックス)。ROEは、分子の当期純利益を増やさなくても株主還元により分母の自己資本を減らせば、簡単に数値の改善が可能。インフレ(貨幣価値減少)は格差を縮小させる効果。デフレ(貨幣価値拡大)は格差を拡大させる効果。よって、富裕者層、投資家、経営者はインフレを非常に嫌がる。ムチ型によるゼロサム状態では、労働規制の緩和や民営化は利益が労働者や市民から企業経営者へ移るだけ。現実の世界には、政府の介入や規制が一切なくともうまく機能する「市場」など存在しない。平成日本は、規制が多くも強くもなく、複雑でもないのに、勘違いして「規制緩和」をやって政府の介入を弱めた。「市場」と呼ばれているものも、政府が整備する制度。PFIによる「低廉かつ良質な公共サービス」では儲からないし、儲けてはいけない事業。公共部門より資金調達コストは高く、独占事業となり、長期にわたるため、公共の監視コストもかかる。PFIは幻想にすぎない。レント・シーカーはデフレで民意に充満しているルサンチマンを利用して、ルールや規制を自分たちに都合よく変えてしまう戦略をとる。レント・シーカーは、正当な「特定の利益」に対し、一律に「既得権益」とレッテルを貼り、不当な利益であるかのように印象付け、そのルールや規制がなくなれば、既得権益がなくなり、あたかも国民全体が豊かになるかのように喧伝する。「規制の中には不当なものもある」を、「規制は不当である」という話にすり替え、規制緩和派を「改革派」と呼んで応援し、「守旧派」「抵抗勢力」というレッテルを貼って追放する。この「改革」は、既得権益をレント・シーカーに移しただけで国民一般が豊かになったわけではない。ルサンチマンにとらわれた国民はムチ型成長戦略を支持したい気持ちに駆られる。人々は、「自分に痛みが来ない時」だけ、「痛みを伴う改革」を支持する。誰もが自分以外の既得権益の打破を求める結果、各業界の規則権益は、改革派によってそれぞれ個別撃破されていく。「日本人であること」は大きな「既得権益」。グローバル化を徹底すれば、移民を受け入れることになり、いずれ、日本人であるという「既得権益」をなくすことになる。我が国の「与党審査」のようなものは欧米には存在しない。官僚の「予測的対応」「忖度」。70年代までのアメ型では、官僚は政治の指示に従って政策を実行するだけでは間に合わず、政治の領域にも踏み込んで面倒な利害調整に多大な労力を注ぐ必要。ムチ型は、企業や経営者を厳しい競争にさらしておけばよいだけなので、官僚は面倒な利害調整に関わる必要はなく、若手の「吏員型官僚」は「改革派官僚」へ。改革派を装ったレント・シーカーは、デフレ下でたまったルサンチマンを利用し、「日本は官主導の国」とでっち上げ、官僚パッシングを流行らせた。経済界は「財政健全化が重要」というが、それなら法人税は減税ではなく、むしろ増税を主張すべき。しかし経済界は「国際競争力の強化」という別の論理にすり替えて、法人税減税を正当化。消費増税でデフレ圧力が強まっても、人件費を抑制でき、国内需要が減少しても海外の需要を取りに行けばよいので困らない。財政健全化こそが少子化・人口減少の原因。民間部門がバブルで債務を増やしまくれば、政府の債務が減って財政が健全化するのは当然。国債の償還の原資は、国債借り換えなので、その原資は「その将来世代に属する人々の中で国債を保有する者」となり、将来世代の納税者から国債保有者へと同じ世代の国民の間でお金が移っているだけ。理財局が言う通り、国債は「将来世代へのツケ」ではなく、「未来への贈り物」。政府の債務は民間の債権。つまり、国債は、国民の「資産」。「認識共同体」財務官僚たちは、財政健全化論を精神論や道徳論で考えている。肥大化したエリート意識。「センメルヴェイス反射」。インフレを過剰な民主主義のせいにする間違った議論の大きな影響力。保守派は民主主義の過剰を是正したい。新自由主義者はインフレを抑制したい。インフレ=民主主義の過剰。よって、保守派は信じ油主義と結ばれた。マルクス主義に幻滅したリベラル派は、資本主義体制そのものの構造的な問題に正面から取り組むことを放棄し、関心の中心を「階級」や市民社会や団体のような「集団」から「個人のアイデンティティ」へと移した。国家や社会や文化の支配から「個人を解放」することがリベラル派の使命へ。国家や社会の制約から「解放」して自由に活動させるという新自由主義と親和性が高くなった。今日のリベラル派は、女性の社会進出や移民の流入を歓迎するが、それによる労働者の供給過剰、賃金抑制や失業といった構造的問題にはだんまりを決め込み、男性やマジョリティに属する労働者の悲痛な声を代弁しよとしない「偽善」を宿す。リベラル派は、弱者保護の身振りをして「アイデンティティ」の問題を声高に論じながら、実は「勝ち組」の側に立っている。新自由主義に背を向けるという点で、本来の保守派と本来のリベラル派は手を組みうる。エリートたちも、「財政健全化は不可欠」「グローバル化は避けられない」「自由貿易でなければ繁栄は望めない」「規制緩和で経済は成長する」といったフェイク・ニュースを信じ込み、ばらまき続けてきた。NAFTAによりメキシコ農業は米からの安価なトウモロコシの輸入により壊滅し、困窮したメキシコ人は不法移民として米に流入したため、米の労働者の実質賃金は伸びなくなった。グローバル化の時代には国家主権はもはや通用しない=グローバルの時代には民主政治はもはや通用しない⇒グローバル化とは民主政治の否定。グローバル化、国民国家、民主政治の3つを同時には実現できない「トリレンマ」。グローバル化と民主政治は両立しない。ユーロ加盟国は、不況対策として、積極財政によってインフレ(ユーロ価値の下落)を起こすことができない。ユーロの価値を維持するため、国民に失業と賃金抑制を強いている。国際条約を使って民主政治を制限すればグローバル化の徹底は可能。国際条約をムチ型成長戦略のために用いるべきではない。それは国際条約によって民主政治をすり抜けようとする国際条約の悪用。現代民主国家において通貨価値を保証するのは「徴税権力=民主政治」。MMTは経済政策を「民主化」すべきと主張している。デフレに経路依存性がある。イデオロギーにも経路依存性がある。令和の政策ピボット(方針転換)で大事なのは、本来の保守派(右派)と本来のリベラル派(左派)は、反新自由主義という経済政策において手を携えられるはず、ということ。

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2026年08月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

デフレは貨幣の価値が継続的に上昇することで、人々は、モノよりもカネを欲しがるようになる!
政府は自国通貨発行権を有するので、自国通貨建て国債が返済不能になることは理論上有り得ない!
そもそも、自国通貨発行権があるんだから、税金を取る必要も、国債を発行する必要もないのに、何故国債を発行するのか、それは金利を調節するためのツールだから!何故税金を徴収するのか、それは税の支払い手段である通貨の需要を生み出すため!
デフレ時代には、アメ型成長戦略で良いのに、何故かムチ型成長戦略が採られる。規制改革、構造改革は聞こえは良いが、PFIで民間にやらせても、民間は儲けないといけないから、効率が上がった分価格を維持するインセンティブが働く。先行事例のイギリスが見直す方向なのが何よりの証左!オリックスの宮内会長が様々な委員会で規制改革を主導し、結局利益誘導するレントシーキング問題は、看過できない。。
人手不足で賃上げ、脱デフレのタイミングで、女性活躍、人生100年で主婦や老人を非正規で働かせて人件費抑制、更に外国人を入れて人件費抑制。。。デフレが更に進む政策ばかり。。

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2019年12月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

『経済政策というものは、どうやって決まっていくのか?おおざっぱに言って、二つの説がある』
・「思想決定説」
発想の元となっている思想が、経済政策を決めている。経済政策が180度間違っているのは、経済思想が180度間違っているから。したがって経済政策を改める戦略とは、思想を改める戦略である。
・「政治決定説」
背後に、政策を動かしている勢力がいる。その勢力が、自分たちの得になるように政策を決めている。180度間違った経済政策が実行されるのは、一部の間違った政策によって甘い汁を吸うことができる勢力が政治を動かしているからだ。したがって経済政策を改める戦略とは、政治を改革する戦略である。

『合成の誤謬(ごびゅう)』
ミクロ(個々の企業や個人)の視点では正しい行動でも、それが積み重なった結果、マクロ(経済全体)の世界では、好ましくない事態がもたらされてしまう現象。
デフレ下での支出の切り詰めという正しい行動が、さらなる需要縮小を招き、デフレが続く。
このデフレという合成の誤謬を回避するためには、誰かがデフレなのに支出を拡大するという経済非合理的な行動を起こさなければならない。
それは誰か?それは、『政府』にほかない。

『一国の成長戦略には、二つのタイプがある』
・「賃金主導型」(アメ型)
賃金の上昇を労働者に対するアメにして、国民経済全体を成長させようとするもの。積極財政。
・「利潤主導型」(ムチ型)
解雇や賃下げの脅しを労働者に対するムチにして人件費を抑制し、企業がより稼げるようにし、経済を成長させようとするもの。緊縮財政。
平成からのデフレ日本にはアメ型の政策が必要なのにムチ型の政策を進めてきた。
なぜか?ムチ型で利益を得る人がどこかにいる…


デフレ脱却には財政支出を拡大して、アメ型の成長戦略を実施し、緊縮財政から積極財政へ転じる。
そして議論を通じて人々の考え方『思想』を動かし、そして『政治』を動かし、経済政策を動かす。
民主政治とは、本来、そういうものであるべきである。


「基礎知識」の続編。内容はぐっと本格的になり専門用語もいくつか出てきて難解になり、
付箋だらけに。
中〜後半にかけて、実名で経済学者をバッサリしているのは、基礎知識と同様。
MMTがよくわかる付録付き!これが凄くわかりやすく、たくさん出発されているMMT関連本を読むよりオススメ。

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2021年04月19日

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