あらすじ
経済学者・官僚がこっそり読んだ『奇跡の経済教室』待望の第2弾。政治家に読ませたい本No.1!世界で起きている変化、日本がとるべき戦略が面白いほど見えてくる!全米騒然・日本上陸のMMT(現代貨幣理論)がよく分かる特別付録つき
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Posted by ブクログ
デフレは貨幣の価値が継続的に上昇することで、人々は、モノよりもカネを欲しがるようになる!
政府は自国通貨発行権を有するので、自国通貨建て国債が返済不能になることは理論上有り得ない!
そもそも、自国通貨発行権があるんだから、税金を取る必要も、国債を発行する必要もないのに、何故国債を発行するのか、それは金利を調節するためのツールだから!何故税金を徴収するのか、それは税の支払い手段である通貨の需要を生み出すため!
デフレ時代には、アメ型成長戦略で良いのに、何故かムチ型成長戦略が採られる。規制改革、構造改革は聞こえは良いが、PFIで民間にやらせても、民間は儲けないといけないから、効率が上がった分価格を維持するインセンティブが働く。先行事例のイギリスが見直す方向なのが何よりの証左!オリックスの宮内会長が様々な委員会で規制改革を主導し、結局利益誘導するレントシーキング問題は、看過できない。。
人手不足で賃上げ、脱デフレのタイミングで、女性活躍、人生100年で主婦や老人を非正規で働かせて人件費抑制、更に外国人を入れて人件費抑制。。。デフレが更に進む政策ばかり。。
Posted by ブクログ
『経済政策というものは、どうやって決まっていくのか?おおざっぱに言って、二つの説がある』
・「思想決定説」
発想の元となっている思想が、経済政策を決めている。経済政策が180度間違っているのは、経済思想が180度間違っているから。したがって経済政策を改める戦略とは、思想を改める戦略である。
・「政治決定説」
背後に、政策を動かしている勢力がいる。その勢力が、自分たちの得になるように政策を決めている。180度間違った経済政策が実行されるのは、一部の間違った政策によって甘い汁を吸うことができる勢力が政治を動かしているからだ。したがって経済政策を改める戦略とは、政治を改革する戦略である。
『合成の誤謬(ごびゅう)』
ミクロ(個々の企業や個人)の視点では正しい行動でも、それが積み重なった結果、マクロ(経済全体)の世界では、好ましくない事態がもたらされてしまう現象。
デフレ下での支出の切り詰めという正しい行動が、さらなる需要縮小を招き、デフレが続く。
このデフレという合成の誤謬を回避するためには、誰かがデフレなのに支出を拡大するという経済非合理的な行動を起こさなければならない。
それは誰か?それは、『政府』にほかない。
『一国の成長戦略には、二つのタイプがある』
・「賃金主導型」(アメ型)
賃金の上昇を労働者に対するアメにして、国民経済全体を成長させようとするもの。積極財政。
・「利潤主導型」(ムチ型)
解雇や賃下げの脅しを労働者に対するムチにして人件費を抑制し、企業がより稼げるようにし、経済を成長させようとするもの。緊縮財政。
平成からのデフレ日本にはアメ型の政策が必要なのにムチ型の政策を進めてきた。
なぜか?ムチ型で利益を得る人がどこかにいる…
デフレ脱却には財政支出を拡大して、アメ型の成長戦略を実施し、緊縮財政から積極財政へ転じる。
そして議論を通じて人々の考え方『思想』を動かし、そして『政治』を動かし、経済政策を動かす。
民主政治とは、本来、そういうものであるべきである。
「基礎知識」の続編。内容はぐっと本格的になり専門用語もいくつか出てきて難解になり、
付箋だらけに。
中〜後半にかけて、実名で経済学者をバッサリしているのは、基礎知識と同様。
MMTがよくわかる付録付き!これが凄くわかりやすく、たくさん出発されているMMT関連本を読むよりオススメ。