あらすじ
SNSを使った言葉によるコミュニケーションや、写真や動画の加工・投稿などを通して誰もが自己表現をするのが普通になった現代。
みんなに「いいね!」と言われるものをシェアしたいと思ってはいるものの、面白い表現(=みんなに注目される魅力ある表現)をする自信なんてない、という人が大半ではないでしょうか。
本書はそうしたみなさんに向けて、「自分なりの」面白い表現を生み出すためのメソッドを提供します。
自分の面白さのツボがどこにあるのか知るための「面白さの地図」。
自分が無意識に惹かれている面白さを抽出するための「面白さの観察」。
そして、その面白さを言語化した「面白さの法則」。
これであなたも、自分ならではの「面白いアウトプット」ができるようになります!
仕事を、日常を、人生を、もっと楽しくしましょう。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
面白いとは何か、を追求した内容のように感じた。
面白いとは共感・差別・笑える・趣があるといった風に分類できる。
そしてその面白さは自分の言葉で言語化、法則化した後に初めて表現できるようになる。
その過程で大切なことは余白を持つこと。
つまり時折よそ見をして違うことをやってみることである。
クリエイティビティが求められる仕事に従事している人(特にビギナー)にとっては読んで損のない内容だと感じた。
Posted by ブクログ
面白さ、の地図はなかなか興味深かった。
余裕が無いと面白いことは見つけられない。まずは歩きスマホをやめて、スマホにとらわれる時間を減らし、余裕を確保してみようかとおもう。それだけで人生は面白くなるなら、なんて簡単なのことだろう!
Posted by ブクログ
「面白い! 」のつくり方
著:岩下 智
「面白い」とは「楽しさ」や「興味」「こっけいさ」「趣」などの何らかの「魅力」が感じられる様である。さらに嚙み砕くと、「面白い」=「人を惹きつける何らかの魅力がある状態」である。
本書は「面白さ」というものを、極めて本質的なものであるとした上で、その本質的なことを自分の中でどう体系化して、どのように実生活に応用すればいいのかということに主軸をおいて以下の6章により説明している。
①面白いってなんだろう?
②面白さの地図をつくろう
③面白さの観察をしてみよう
④面白いのつくり方
⑤面白さの法則を見つけよう
⑥なぜ面白さが必要なのか
漠然とした「面白さ」について、概念的に捉え直したり、その必要性や法則から自身の生活に取り組むことで他者とも共有することでそれはポジティブな空気をつくりだすことを手助けしてくれる。
まずは、自分軸としての面白さを整理して確固たる自信を見出す。その際に、独りよがりではなく、面白さを共有する相手や対象を意識した法則から再現性を見出したり、意識的・無意識的に面白さを日常にちりばめることを習慣づけることに挑戦する。
色々な角度から面白さを捉えることで、はき違えたユーモアは人を気づけてしまうこと等も学びながら、その怖さを理解した上でメリットを最大限に享受する方法を学ぶ。
世の中にも自分の人生にも「面白い」と感じるスパイスは必要である。それが他者との共感を得ることができるのであれば何も言う事はない。
Posted by ブクログ
電通アートディレクターによる「面白い」知覚の分類と、面白いものをアウトプットしていく手順
プロの表現者が頭の中の動きを言語化していて興味深い。
面白いと感じたり、面白いと思うものつくる側になったり、そもそも人生を面白くするために参考になる。
余裕を持ってよそ見することを大事にしているのも興味深い。
「面白い」をコミュニケーション時の知覚として、
共感と差別、笑えると趣きがあるという軸を基に分類されている。それを参考に、
自分が過去に表現したもの(写真等)を分析し、自分の傾向を探る。
余裕を持って観察し、「何」が「どう」の時に面白いのかを抽象化し、それを具体的にしてアウトプットしていく。
正解はない。
表現の際、関連付けとずらしがコツ。共感、納得、安心を得たいが予定調和にならないこと。違和感で注意を引きつけたいが不可解にならないこと。
現代はテクノロジーによって独立したコミュニティが多様化している。
日本のクリエイティビティを元気にするために
Posted by ブクログ
『面白い』という事について分析
そうする事で自分にとっての面白さのツボや
人はどれが面白いと感じるのかがわかる
芸人になるわけじゃないけれど
人生において『遊び』がある方が余裕が生まれてうまく行く
Posted by ブクログ
SNSでも仕事のメールでも服装でもごはんのメニューでも、
そこにはなんらかの自己表現があるはずで、
もっと言えば、何気ない会話にだってそれはある。
そしてその自己表現の中に少しだけでも「面白い」をプラスできたら、
毎日がちょっと楽しくなるはず…。
という意図がある本です。
表現は、自分本位ではなく、
相手の気持ちをとことん考えることが大切なのです。
つまるところ、表現の基本は「コミュニケーション」。
では、「面白い」とはなにか。
日頃、意識もせず、「面白いねー」などと使うその言葉、
「面白い」を大辞林第三版で引いたその結果が引用されているのですが、
それは以下の通り、
①楽しい。愉快だ。
②興味をそそる。興味深い。
③こっけいだ。おかしい。
④(多く、打ち消しの語を伴う)心にかなう。好ましい。望ましい。
⑤景色などが明るく広々とした感じで、気分がはればれとするようだ。
あかるく目が覚めるようだ。
⑥心を惹かれる。趣が深い。風流だ。
つまり、「面白い」とは、楽しさや興味、こっけいさ、趣などの
何らかの魅力が感じられる様なのでした。
さらに、つっこむと、
「面白さ」=「人を惹きつける何らかの魅力がある状態」。
それを知覚したとき「面白い」と感じるのです。
ここでは「知覚する」というところがポイントです。
すべての人に「面白い」と思われるものなど、
この世の中には存在しないと考えていいでしょう、と著者は述べていますが、
いざ表現を仕事として任された時などに、
みんなにウケないとならない、と構えてしまうことが、
面白い表現をする以前に、足かせになってしまうんです。
そこは気楽な方がいいし、
このあとに述べられるざっくりした方法論が、
きっと「ウケないと!」と構えてしまう心理から
解放してくれる助けになってくれる。
そして、ヒントとして、こう書かれています。
自分の「面白さのツボ」を明確にわかっていれば、
自分の得意とする「面白い表現」にそれを活用することができる、と。
そこで僕が思ったのはこういうことでした。
自分の「面白さのツボ」と相手の「面白さのツボ」は違うものですが、
うまく相手とコミュニケーションをとるためには、
(作為的になるけれど)相手の「面白さのツボ」をついていかないといけない。
これは本書に述べてある部分。
そのためには「作為的」という言葉へのマイナスイメージを取りはらい、
今一度、自分の中で、ゆるくであっても再定義して、
感情から離して眺めてみる必要があるのではないか。
作為的にやるということは、ウソともとれる行動を自分がする、ことに繋がりますよね。
ウソともとられるようなことをしてしまう、
そのことに対して心理的にどう呑みこむか。
そこは各々が自分の言葉で整理をつけて行うことです。
もしも心の中で舌をぺろっと出すようにウソをついて、
悪いことをしたという認識のままやってしまうと、
心に負債を抱えることになるでしょう。
だから、作為性にたいしての心の整理が必要なのではないか。
だけれど、面白さ最優先、面白さ原理主義にはならないほうがいいでしょう。
多くの人がウケる「面白さ」が正しいとは限らない。
むしろ、ミスリードとして悪い方向への進路をとらせてしまうことだって
少なくないのではないでしょうか。
また、教養の多寡によって
「面白さのツボ」は変化すると思います。
比較的無知である状態の人の「面白さのツボ」ばかりついてはいられない。
というところで、また本書の内容紹介に戻ります。
「面白さ」の要素は、
「共感」→「あるある」など。連想、時事ネタ、パロディ、お約束、内輪ネタ。
「差別(差をつけて区別すること。
偏見などから特定の人びとを不利益・不平等な扱いをする「差別」とは違う)」
→自分をおとしめて相手を上に立たせる「自虐」や「ピエロ」など。
また、サーカスの技芸などは相手を上に感じながら「すごい!」と面白がらせる。
ギャップ、誇張、比較、タブー。
という二点に縦に大別され、
一方で、面白さの質は
「笑える」「趣がある」の二点に横に大別され、
その面白いことが、その四点の間のどこにポイントされるかで、
面白さの質を分析できます。
それでもって、
そんな多様である「面白い」を作るためには、
①余裕を持つ (効率の対極。自分自身の生活そのものを面白がるために必要。
それが面白い表現につながる。)
②「よそ見」をする (好奇心。好奇心は脳を活性化させ、
何歳になっても脳を成長させる。)
③「観察」をする (客観的に見る)
④「法則化する」 (言語化する。そうすれば、整理力が上がり、
構文化できるようになる。)
⑤「表現」する (正解を求めるのではない。「関連付け」と「ずらし方」が大事。
「関連付け」は予定調和に注意で、それを解決するのは「ずらし方」。
「ずらし方」は不可解なものになることに注意で、それを解決するのは「関連付け」、
といった関係性になっています。
このなかで最も重要なのが、
「①余裕を持つ」であると、位置づけられていました。
また、「④法則化する」のところでは、
「A」を「B」すると面白くなる、というものだと示されていて、
例としては、
・「冗談みたいなこと」を「本気で具現化する」と面白くなる。
・「たまたま出会った古い情報」から「当時のストーリーが想像できる」と
面白くなる。
などがありました。
この「法則化する」では、抽象化してあてはめることがコツとのこと。
以上が、「面白い」のつくり方の流れです。
最後に、終盤に気付いたことをメモのように。
デッサンは絵を描く基礎ですが、
それはモチーフの形や質感、陰影などをよく観察し描くからです。
小説を書く際にもこれらは大事なんだけれど、
それがデッサンにとどまっていないかを意識すると、
僕なんかにはすごく良いことかもしれない。
また、小説に関連して、こういう文意のところもありました。
小説を読む美点は、
文章を頭の中にビジュアルとしてイメージする作用が良い経験になるから。
それができれば、逆の行為もできるようになる、と。
つまりは、言語化の能力があがるというんですね。
想像しながら小説を読むことで、言語化力が強化される。
小説を書きたいなら、小説をしこたま読みなさい、
と言われるのには、こういう作用があるからなんだなあ、と気付けるところでした。
といったところで、おしまいです。
著者は電通のアートディレクターの方です。
クリエイティブな世界で、クリエイティブな仕事にどっぷりつかって、
ときに苦しみ、ときに笑いながら、面白いことが大切だとはっきりつかんだ方の書く、
面白さと面白さをつくることをを考える本が本書です。
IT革命後の現代では、ふつうの個人でも表現がごく通常の行為になったというか、
日常生活においての行為が表現であると認識されるようになりましたから、
よりよく生きていくためのヒントとして読んでも、
ストライクだろうなあと思いました。
Posted by ブクログ
面白い」=「人を惹きつける何らかの魅力がある
自分と『同質』であることに感じる面白さ=『共感』による面白さ」、「自分と『異質』であることに感じる面白さ=『差別』による面白さ」という風に整理をしました。こうして見てみると、「共感」と「差別」の違いというのは、自分を基準とした「目線の違い」にすぎないということがわかり
何か面白いものに出会ったときには、まずそれは「共感的な面白さ」なのか「差別的な面白さ」なのかということを考えて、次に、質としては「笑える面白さ」なのか、逆に「趣がある面白さ」なのか、ということを考えるといいでしょう。この分類をすることが、自分の「面白さのツボ」を知るための第一歩になり
例えば「これは共感系で趣があるタイプだな」とか「こっちは差別的な笑える面白さだな」というように、複合的な判断ができます。例えば、前述の「あるある」は「共感×趣がある」系です。その他「ピエロ」や「変な顔」「変な動き」などは「差別×笑える」系、「サーカスの凄技」は「差別×趣がある」系であると言えそう
何かある事象に対して、自分の予想を裏切るほどの「ギャップ(=隙間)」を感じたときに、人は「面白い!」と
タブーに触れたことによる面白さです。普段「言ってはいけないとされていること」と「日常会話」の間にある「差」が、差別的な面白さにつながって
差別」的な面白さについて、「ギャップ」「誇張」「比較」
漫才の面白さというものは「ボケ=差別的な笑い」と「ツッコミ=共感的な笑い」という相反するもの同士が共鳴し合うことによって、言わば「笑いの化学反応」が起こり、ドッカンドッカンと笑いが止まらなくなるのではないでしょうか。そう考えると、実によくできた構造だと思いますし、かなり高度な発明であると言え
面白い表現をするために必要な
余裕」を持つ ②「よそ見」をする ③「観察」する ④「法則化」する ⑤「表現」
観察のステップでは、「面白さの観察」でやったように、「共感」「差別」、「笑える」「趣がある」という4つの方向性が役に立つでしょ
「 A 」を「 B 」すると面白く
冗談みたいなこと」を「本気で具現化する」面白さ(=面白さのツボ) →「冗談みたいなこと」を「本気で具現化する」と面白くなる(=面白さの
何か面白いものを発見したときや思いついたときに、それはどういう面白さなのかということを分析し、「 A 」が「 B 」になっているから面白いのだな、という関係性を見つけ、それを法則に代入
「何でも巨大化すると面白く
「鳥の唐揚げ」が「鳥の形に似ている」と面白く
それぞれの要素を少し拡大解釈して、抽象化して
「調理されたもの」が「素材そのものの形に似ている」と面白く
「できあがったもの」が「その素材を想起させる」と(皮肉的な)面白さに
「文章の中の文字」を「順番を入れ替えてヘンテコな文章にする」と面白く
「意外なもの同士」を「強引に組み合わせる」と面白く
「ありふれたもの」を「似たものに見立てる」と面白く
「手で触れる部分」を「何かに見立てる」と(行動を喚起するデザインになって)面白く
「たまたま出会った古い情報」から「当時のストーリーが想像できる」と面白く
面白い表現」をするためのコツとなる「2つの考え方」は、「関連づけ方」と「ずらし
見る人が「連想」の元となった「関連性」に気づくことで「共感」が生まれ、「面白い」と
関連づけ」が「納得感」と「安心感」を与えたように、「ずらし」は「意外性」と「違和感」を与え
関連づける」ことで共感が生まれ、「ずらす」ことで差別が
面白い表現」をするためには、「関連づけ方」と「ずらし方」のバランスが大事
「ずらす」ということは「視点を変える」ということです。みんなが「これぞ木だ」と考えている一般的なイメージというのは、もしかしたらただの思い込み(=バイアス)かもしれない
Posted by ブクログ
面白いをわかりやすくカテゴライズしてたのは良かった。
ただのhow to本ではなく、おもしろいの観点を持ってしてどんな人生を送るべきか。
今後の社会の中でなにが大切になるのか、作者のバックグラウンドコミコミで伝えてくれているのは個人的に気持ちよかった。
Posted by ブクログ
おもしろさというものを分解していることがおもしろい。自分は、笑える差別的なものが好きなんだとわかった。関連付けや、ずらしってまあまあ自分が日頃から意識していることだなと思ったり、この本自体に趣のある共感を覚えてたり。
過去の自分が作ったものを見ても、おもしろいと思えるものって、余裕があった時に作ったものだった。余裕がないときはものを作ってすらいなかった。今の自分の余裕のなさの原因って何かと考えたら、やはりスマホなのかなと思う。最近はどの本を読んでいても、結局はここに行き着いているような気がする。とりあえず生活からyoutubeを捨ててみたら余裕が生まれそう。