【感想・ネタバレ】ペット・セマタリー(下)のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ゲージが帰ってくるのは終盤の終盤。そこに至るまでのルイスの葛藤、レーチェルやエリーの手に取るようにわかる焦りや不安、恐怖の描写にみるみる引き込まれる。
ジャドがあの場所を知ったのも、ルイスにそれを教えてしまったことも、全てはあの土地によって"必然"とされた出来事なのだろうな、と思う。もっと言えば、ルイスが都会での生活に疲れて大学に転職する、という決断を下したことも。あの悲劇は必然だったのだろう。
映画を観た時は、ルイスもレーチェルも、それぞれが死とちゃんと向き合わなかったことによって報いを受ける話、という風に受け取ったけど、原作は、あの不思議な魅力を持った土地に取り憑かれたために起きた悲劇、という印象を受ける。
あの土地に取り憑かれるか否かは一体何の違いなのだろう。ルイスの助手はあと一歩のところで踏み止まれた。ルイスをあれだけ慕っていただけに、彼もなかなか気の毒だなと思う。
ラストの一行は怖いと言うより哀しい、という言葉がしっくりくる。
あのあとルイスはレーチェルに殺されるのだろうか?私は違うと思う。数日、いや、数時間、明らかにおかしくなった、かつては愛する妻だったそれと過ごしたのち、自分の手で殺め、焼身自殺を図るだろう。かつてのベータマン親子のように。
エリーはどうなるだろう。あの子はかなり利発そうだし感覚も鋭そうなので、何かは察するだろうことは予想できる。ゴールドマン夫妻に大事に育ててもらい、愛する弟の事故死、次ぐ両親の不幸な死からは立ち直って、真っ直ぐに生きていく将来を願いたい。
どうか、両親の死の真相を知るためにまたあの土地に引き寄せられるようなことにはなってほしくないと願わずにはいられない。
絶対に誰も幸せにならないだろう結末を予想できるのにこんなにも引き込まれるのは、私たち読者もまたこの小説を通して、あのおぞましい"ペット霊園"の魅力に取り憑かれてしまっているからなのかな。そう考えると恐ろしい。
いろいろなことを一気に考えて本を閉じた時に目に入る表紙。これがまた胸を強く締め付ける。
ゲージじゃなくてレーチェルだったか……………。

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2020年07月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

哀しみに溢れた作品。 ルイスが一番苦しんだか。
エリーは第六感がすごく、それがせいで母親を死に追いやったのを知ったら苦しむだろうな。

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2020年06月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読むのを止められなかった。
特に中盤から。あールイスお願いだからゲージを掘り起こさないで、きっと猫のチャーチみたいに、一度戦死したあの青年みたいに邪悪な薄気味悪いゲージになって戻ってくるよ。
あの父と子、二人で凧揚げした美しい思い出を胸に生きていって…と心で叫んでたよ。
でも、甘かった。邪悪な性格で戻ってくるそんな生やさしい次元じゃなかった。隣人の老人シャドと自分の母親までも
一瞬で殺めてしまうなんて。
ルイスはそしてまたしてもやってしまったんだね。
その日のうちに埋めれば奥さんはまともに戻ってこれたの?
ルイスの喪なったもの(息子)の愛が痛切に伝わってきて、
ゲージの成長が想像で語られている箇所が特に。
ホラー小説だけど、心理描写がすごく上手くて他の作品も読んでみようと思った。

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2016年03月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

不吉さを漂わせながら緩やかに進んだ上巻を経て、吸引力が凄い下巻。

上巻の最後で予言されていたとおり、幼い息子のゲージが亡くなります。死者の蘇りについての話である以上、この息子が生き返ることは明白なのですが、実際に生き返るのはラスト50ページ前ほど。それまでは「恐ろしいことがもうすぐ起こる」という予感だけで引っ張るのだから凄い。

上巻は「死」というものの悲しさが印象的で、涙を誘うところもありましたが、下巻は蘇りの元となる魔力の描写が圧倒的。違うジャンルを読んでいるよう。

自分にも幼い息子がいるので、他人事ではない感じで読みました。

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2020年02月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読み始め古い本だからか漢字や意味を調べながらちまちま読みました。少しずつストーリーに引き込まれていきます。

一言で感想を言うと胸糞ではあるのだけど
親の立場だったらどうするだろうかと考えてしまう。
やり直せるならルイスと同じことをやるだろうか。

私は幼い息子がいますが答えは間違いなくNOだな。
気持ちは痛いほど分かる。あの時間に合ってたらと。
でも時は戻らない。どんなに悲しくても。
戻ってきた猫を見ただろうに。ガワが同じでも別のものなんだ。

後半ルイスはゲージの生前の顔を思い出せなくなってた。埋葬地に魅せられ囚われてしまったんだなあと。
パスコー最初めっちゃ怖かったけどいい人だったね。警告をしに現れてたんだけど怖すぎるって…笑

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2023年11月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

息子のゲージを生き返らせたのはいいけど今度は自分の手で殺すはめになってた。
事故で亡くすのはつらい。
でも自らが息子の容姿をしたモノを殺めるのもまたつらいでしょ。
なのに懲りもせず妻を生き返らせようとする。
どんなに埋めるのが早くても1度亡くなった者はもとの人間に戻らない。
哀しみは狂気に向かわせる原因なんだね。
しかも歩いて行ける距離に死者を生き返らせれる土地があれば、哀しみの中の希望に突き動かされて何度でも間違いを犯してしまう。
悪魔と化した妻が帰宅した夜、ルイスは殺された。
想像じゃなく確実だと思う。
そして隣人の老人ジャドは無視なのかよ(--
妻が亡くなった哀しみは大きいかもしれないけどジャドにはよくしてもらってきたのに。
あんな風な死に方で、しかも火を放たれたなんてルイスは身勝手な奴。

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2012年03月02日

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