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優しいお話
東欧文学の大学講師×グラフィックデザイナー
雨宿りの暇潰しとしてフラリと入った講義室で行われたのは東欧文学の授業。もっさりとして自己完結した授業をする講師とその内容に興味を持った文彦は、ふたたび講義を受けにいく。そこでつい質問をしてしまったことがきっかけで、二人は少しずつ距離を縮めていく。
すごく地味な話だと思うのですが、仕事をからめつつ二人の気持ちが少しずつ動いていくさまに目が離せなくなります。燃え上がるような恋愛もいいけど、こんな風に静かにホワッと温まっていく恋愛もいいですね!
元カレが出てきた時はいつ嫌がらせされるのかな…と不安になりましたが現実的で知的な解決方法でした。
水原先生のこういう静かで情緒たっぷりのお話、大好きです。表紙の美しさそのままの作品でした。
仕事も恋も。
タイトル通りに、優しい雨のような落ち着いた話でした。
主人公は仕事にも恋愛にもきちんと情熱と欲を持って誠実に努力しています。もちろん上手くいかなかったこともあります。それは、先生も同じことです。彼の場合は狭い学問の世界にあって、師匠から裏切られるという憂き目に遭い、私生活でも恋人にも去られてしまって、精神的には世捨て人になっていたのです。淡々と自身の研究だけは続けてきたのは本当に立派なことです。
お互いの仕事への矜持を尊重した付き合い方が、大変好ましかったですね。
また過去の恋愛沙汰についても無理矢理聞き出すなんてことをしないのも。
でーもー。ベッドではなかなかお熱いので、メリハリきいて良かったですね。