あらすじ
アンコンシャス・バイアス
=「無意識の偏見」「無意識の思い込み」「無意識の偏ったものの見方」
日本では2013年ごろから、ビジネス雑誌や新聞・テレビでも取り上げられるようになってきた。グーグルが、「アンコンシャス・バイアス」と名づけた社員教育活動を始めたことで一躍、有名になった言葉でもある。
なぜ、今、注目されているのか?
最大の理由は、組織の発展において、多様性が重要になってきているからだ。
たとえば、リーダーがメンバーに対して、
「彼女は2歳の子どもがいるから」→泊まりがけの出張は無理だな。
「彼は売れていないから」→何をやらせても、ダメに決まっている。
「プライベートを優先するタイプだから」→昇格が数年遅れても、問題ないだろう。
といったことを、勝手に決めつけている。
日常、職場でよく見聞きする光景ではないだろうか。
リーダーがメンバーの社歴や性別などで能力を決めつけてしまうことで、
同じようなレベルの仕事しか任せることができず、メンバーの成長機会が失われていく。結果として、組織としての成長がストップし、業績が上がらない。
リーダーの思い込みによる評価で、
メンバーのモチベーションが下がっていく。適正な評価が行われないことで、前向きになれず、やりがいを失い、新たな仕事に挑戦しようと思わなくなってしまう。
リーダーの自己防衛心で、
メンバーとの信頼関係が失われ、チーム内の心理的安全性が保たれない。互いに言いたいことが言えず、チームとしての一体感が失われ、組織が一丸となって取り組むことができなくなってしまう。
本書は、リーダーが身につけておきたい“必須知識”となった「アンコンシャス・バイアス」について、まずはどういうものかを知る、そして自分自身のバイアスに気づく方法、さらにはどのように対処していくか、メンバーみんなでバイアスに振り回されないチームになる方法を、事例をふんだんに交えながら解説する。
ダイバーシティ&インクルージョンの時代、まずは経営者や管理職をはじめとするリーダーから、自分自身の無意識の思い込みや、無意識の偏ったものの見方に気づき、意識して対処する--たったそれだけで、組織の未来は劇的に変わるのだ。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ナンセンスなことや理不尽なことを要求してくる顧客のメール、こちらの事情をまるで理解する気がない同僚のメールなど、仕事にはイライラメールがつきものだ。時として、この手のイライラメールにイライラした返信をしてしまう。
「わかっちゃいるけど、なんなんだろう、これ?」と思っていたところで、この本を読んだ。
著者は、本書の書き出し早々の20ページでぐうの音も出ないほどの完璧な答えを示してきた。
→アンコンシャス・バイアスの正体は「自己防衛心」です。「脳がストレスを回避するため」に、脳が無意識のうちに、自分にとって都合のよい解釈をすることによって起きています。
自己防衛心!?
なるほど、結局のところ、自分の努力や誠意を踏みにじられたと無意識に感じてアレルギー反応しているようなものか!?
著者は、無意識的な反応だからこそ、意識化が重要と説き、8つの意識化の処方箋を書いている。
僕にとっての処方箋は、「意識化④バイアスを意識的に上書きする」だ。僕の解釈では、これは、「過去の失敗体験の逆張り」だ。例えば、前述のイライラメールについて言えば、返信につい相手を論破するようなトーンが出てしまっていた。その逆張りは、論破ではなく受容、バットを振らずに見逃すのだ。これを心がけてみたら、自分がいかに今までボール球に手を出して空振りしていたかに、少しずつ気づくようになった。
アンコンシャス・バイアスの難しいところは、人によって、そのタイプが違うことと、それゆえ意識化の処方箋も違うことだ。本書によれば、アンコンシャス・バイアスには、15のタイプがある。
この本の内容は、それらを網羅するように書かれている。そのため、正直、自分にあまり当てはまらないか当てはまってもそんなに気にならないバイアスにも紙面が割かれている。なので、途中まで読んで自分には関係ない本だと勘違いしそうになる。それもバイアスだ。
おそらく本書の正しい使い方は、ものすごく広いアンコンシャス・バイアスの中から、自分のそれを探し当てることなのだろう。それには、1〜2時間しかかからない。それでも僕には、大きな価値があった。
Posted by ブクログ
アンコンシャス・バイアスという言葉を知らなかったのだが、アンガーマネージメントで言うところの「べき論」に近い概念かなと思えた。
生きてきた中で形成されている無意識のバイアスは山ほどあり、確かにそれが正解と思い込んで生きてきた節はある。
「これって自分のアンコンシャス・バイアスかも」という自身への問いは有効だと感じたので実践していきたい。
Posted by ブクログ
誰が読んでもはっとする部分が必ずある。そんな無意識の偏見「アンコンシャスバイアス」をわかりやすく解説。身近な事例が満載です。「知る→気づく→対処する」のステップを習得し、自分も組織も大きく成長させましょう。
Posted by ブクログ
アンコンシャスバイアスの仕組みが分かりやすい書かれています。
非常に読みやすく、初心者向け。バイアスの代表的な例も14種類記載されていて、ハッとさせられる
Posted by ブクログ
根拠の無い自信を妄信してリーダーシップを発揮するのは危険。自己防衛心から無意識の思い込みは生じる。経験が思い込みを形作ってしまう。思い込みの種類は多々あるが、それは認識すれば十分で覚えることに意味はなさそう。無意識であるからこそ気づきづらいので、思い込みと思われることもチームで伝え合い、心理的安全性を確保する。Chapter3では思い込みに縛られないための自身の意識の持ち方、Chapter4ではバイアスに振り回されない良いチームを形成するためにどう行動すべきかがまとめられている。思い込みを伝え合う/リーダー自ら自己開示して心理的安全性担保/自ら率先して変わる/言葉の解釈を確認し合う/余裕をつくる
Posted by ブクログ
・人の意識と行動から生まれる殆どの問題はアンコンシャスバイアスが影響している
・アンコンシャスバイアスとは無意識の決めつけ
・どんな人間も持っているので、自分がどんな決めつけを持っているか、を意識する
・持っていると、「べき」「はず」が出て、ギャップが生じる
・一人一人、その時々でメンバーの考えも事情も違う
・違いを受け入れる
・自己奉仕バイアス(自分が一番頑張っている)に注意
Posted by ブクログ
自分はあまり無意識の偏見はないと思っていたが、この本を読み、日常の自分の無意識の偏見に気づいた。
この本を読んで、相手の意見を聞くとき、納得できないとき、腹ただしくなるとき、それってアンコンシャスバイアス?っていうことを問いかけて考えるようになった。
時間が開くと忘れてしまうが、また数ヶ月後再度読み直したい本だと感じた。
Posted by ブクログ
アンコンシャス・バイアスは無意識の内に持ってしまう偏見のことで、知らない情報に出会ったときに即座に判断する機能を有する。アンコンシャス・バイアスは必ずしも悪いことではなく、未知の体験や情報に対して、即座の判断をするショートカットキーのような役割を果たしている。
一方で、そのショートカットキーに対して注意を向けなければ、時には相手を傷つけるきっかけとなってしまう。
例えば、相手の発言にイラッとするときは自分が期待した答えが返ってこないことへの不満が現れており、その背後には相手を支配しようとするマインドがある。
アンコンシャス・バイアスを乗り越えるためには、自他の価値観を語り合う場を設けるだけでなく、相手の非言語コミュニケーションにも注目する。そうした経験を積み重ねることで、自分が抱いた考えが無意識の偏見に基づいていることを知り、自分用の価値観を上書きできる
Posted by ブクログ
メンバーが多様化している昨今では、リーダーの強さで引っ張るだけでは成り立たない。アドラーや先日読んだアサーションにも通じるものがあるのかも。完璧でなくてはいけない、失敗したくないとばかり思っていると物事がうまくいかない。柔軟性が大事。それはリーダーであればなおさらのこと。私もそういう時期があったけれど、オケ活動のおかげでずいぶん変われたのではないかと思う。ただ、自分の信じるところをどのくらい出すかは今でも悩むところ。職場で年齢や年次が下だと横柄な態度を取る人は結構見かける。敬語やら名前の呼び捨てやらに現れる。そういう職場だと働きづらい。
Posted by ブクログ
「無意識の根拠のない思い込み・偏見」決めつけと押し付けの、二つの言動に現れる。普通は〜、できっこない、これくらいできて当然…など。
無意識の思い込み→ストレスを回避するために、脳が無意識のうちに自分にとって都合のよい解釈をすることによっておきる。
Posted by ブクログ
無意識の思い込みの事例が並んでおり、自分にあてはまるものもあるかも、と意識に持ち上げられる点は良かった
アンコンシャスバイアスとは少しずれるが、
問題解決を建設的に進めていくための「問い」について、
「なぜ?」をあえて使わない方法は良いと思った
具体的には、「なぜこの問題が起きているのか」ではなく、
★「何が大切か」「どうしていこうか」と、未来に意識を向けると、出る答えも変わる
意識の置き所を、理想ではなく、
★「今」に目を向ける
百聞は”一験(ひとつの経験)”にしかず
┗新たな経験への挑戦にあたって、邪魔するバイアスは「失敗するかもしれない」という思い込み
┗★まずは、やってみよう
★“これまで”よりも”これから”を考えて、何が大切かの判断基準をもつ
以下自分用メモ
アンコンシャスバイアスの正体は、脳がストレスを回避するために無意識のうちに都合の良い解釈をする、「自己防衛心」によるもの
偏見がないか、偏ったものの見方をしていないか、意識することが大切
こういうものだと確信をもっていることから、まずは疑ってみよう
リーダーは特にメンバーの「不快」に目を向ける
「この仕事は誰のため?何のため?」という問いを忘れないことが大切
決めつけ、押しつけ、と感じるとメンバーは自己防衛心をどんどん強める
アンコンシャスバイアスは、「意外」と感じながら上書きされる
やらない決断をメンバーに伝えるのはリーダーの大切な仕事
Posted by ブクログ
アンコンシャス・バイアス=無意識の思い込み
確証バイアス=都合のいい情報に引きずられる。
ステレオタイプ=一部の特性だけで固定観念を持つ。
ハロー効果=一部の長所だけですべてが良く見える。
正常化バイアス=自分だけは大丈夫、と思いやすい。
権威バイアス=権威のある人の言葉を信じやすい
コミットメントのエスカレーション=過去の意思決定を正当化しやすい
アインシュテルング効果=慣れ親しんだ考えに固執する
集団同調性バイアス=廻りと同じように行動する
ステレオバイアス脅威=自分の属性に縛られる
自己奉仕バイアス=成功は自分の手柄、失敗は相手の責任
専門偏向=自分の専門領域で考えてしまう
サンクコスト効果=費やしたコストに縛られる
バラ色の回顧=過去を美化して今を否定する
ダニング・クルーガー効果=自分を過大評価する
インポスター症候群=自分を過小評価する
イライラは防衛感情。イラっとしたときはアンコンシャスバイアスが強まりやすい。
決めつけ、押し付けが新たなイノベーションを排除する。
アンコンシャスバイアスを意識する。意識すれば是正できる。
セルフイメージの誤謬は、過度に良いイメージを作るか、過度に悪いイメージを持つか、2種類ある。
誰に対しても対等のイメージを持つことが大事。