あらすじ
「みんなで真剣に本気でプロレスに関わった。観た!感じた!語った!狂喜乱舞した!」(第二代編集長 ターザン山本)
『週刊プロレス』、全盛期には公称30万部を誇る怪物雑誌として多大なる影響力を持っていた。スキャンダラスな誌面、取材拒否など事件の数々……今だからこそ語れる『週プロ』の真実を当時の記者たちはもちろん、プロレスラーや団体関係者、鎬を削っていたライバル誌の記者たちの証言をもとに、インターネットが発達した現在では二度とないであろう活字プロレスという“熱狂”を検証します。
眠らない編集部が発信し続け、「業界」を震撼させた“活字”の正体とは
さまざまな形で『週プロ』に関わった21名の証言
杉山頴男(初代編集長)/ターザン山本(第二代編集長)/濱部良典(第三代編集長)/市瀬英俊(元記者)/安西伸一(元記者)/小島和宏(元記者)/佐久間一彦(第七代編集長)×鈴木健.txt(元記者)/鶴田倉朗(元記者)/谷川貞治(元格闘技通信編集長・元K-1プロデューサー)/金沢克彦(元週刊ゴング編集長)/永島勝司(元新日本プロレス取締役)/大仁田厚/宮戸優光、他
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Posted by ブクログ
サブタイトル・・・というか、そもそも最初にアナウンス
されたタイトルは「活字プロレスとは何だったのか?」。
「活字プロレス」とは、80〜90年代に週刊プロレスで
編集長を務めていたターザン山本が発した言葉。それま
でのプロレス雑誌の試合リポートが試合の展開を追う文
字通りの「リポート」であったのに対し、週プロに於け
るソレは記者の主観が中心。悪い言葉で言えば単なる
「感想文」なのだが、その内容は思い入れと熱に溢れ、
読者の想像をとことんまで膨らませてしまう。今になっ
て考えてみれば、麻薬のような雑誌だった。
その週刊プロレスの全盛期に活躍した編集者やライター、
関係者の証言集。・・・まず、この段階で凄いと思う(^^;)。
もちろんプロレスラーも数名出てくるが、主役は間違い
なく一介の雑誌編集者。それを読んでいる我々は、殆ど
の人物の名前(と下手すれば顔も)に覚えがある。自分
も含めてのことながら、プロレスファンとはかくも恐ろ
しき存在、と改めて思った。
それにしても、あの頃の週プロはまさしく「狂気の沙汰」
だった。解っていながらも毎週のように週プロを欲し、
週プロに書いてあることを確認したくて会場に何度も足
を運んだ。僕も間違い無く週プロの「毒」に侵され、ヤ
バい、という自覚を持ちながらソレを存分に楽しんでい
た。もしかしたらUWFもFMWも、ユニバーサルもみちの
くプロレスも、週プロの煽りが無ければ熱狂しなかった
のかもしれない。
今も週刊プロレスは存在するし、相変わらず毎週読んで
いる。でも、あそこまで熱くなる事はもうきっと無い。
だって、この本に出てくる人たちの熱は本当に「異常」
であり、さすがに今の週プロにそんな人材は居ない。よ
く考えてみれば、それが至極当たり前(^^;)なのだけど。
週プロは僕にとって今も「憧れ」だけど、人生がやり直
せたとしてもあの中には絶対に入れない。この本に載
っている人たちはみんな言えると思う。
「選ばれし者の恍惚と不安、二つ我に有り」って。