【感想・ネタバレ】北風のうしろの国 (下)のレビュー

あらすじ

御者の息子ダイヤモンドは、美しい女性の姿をした北風に抱かれ、夜のロンドンの空や、嵐の海をかけめぐる。そして北風のうしろにある不思議な世界へ。もどってきた幼い少年は、そこで聞いた楽しい川の歌を口ずさみながら、貧しい暮らしにあえぐ家族や友人を助け励まし続けるのだった。イギリスファンタジーの名作を新訳で。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

主人公の純粋さと真っ直ぐな心根が、物事をよい方向に切り開いて行く様が、灯火のように感じられるストーリー。彼の振る舞いは今のように苦しい時代には参考になるようにも思う。周囲の悪意を相手にしない、正しいと信じたことを実行する、思い込みを捨てて素直に物事を受け入れる、何より本質を見ること。惑わされないこと
しかし彼は、純粋さと悟ってしまったゆえに早くに天に召される、予想通りの結末になってしまった。ある意味北風のうらがわの国に魅せられていたから仕方のないことなのか。キリスト教的な考え方をある程度飲み込んでいないと、理解しがたいかもしれない。
他には当時のロンドンの様子がよくわかり面白いというか、主人公の助けた少女の仕事に衝撃を受けた。そんな仕事、あったのか。資本主義の強烈な現実がなんとも言えない対比となっていた。

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2021年02月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

この作品に影響を受けたというナルニアをたしかに思い出すところもあった。でもナルニアほど宗教くさくないのがふしぎ。むしろ聖人たちが世俗的なキャラクターとして登場したり。

真の純粋さを持っているのはダイヤモンドだけで、彼が救ったナニーだって、そんなダイヤモンドのことを、頭のねじがゆるんでいると思っている。

「北風のうしろの国」について直接書かれた部分は意外なほど少ないのだけど、それを心のなかにずっと抱いているダイヤモンド坊やが、それを自らの力として生きていくあたり、けっこうファンタジーの力を理念的にえがいているような気もしないではなかった。

ヒノヒカリ姫の話が、とてもきれいで好きだった。

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2016年05月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

もう一度北風のうしろの国へ。

ダイヤモンドは父を助けて辻馬車の仕事をし、病気になった貧しい少女ナニーを助け、生まれた子どもと歌を歌う。美しい北風に再び会い、共に旅する日を楽しみに。

純粋で優しく賢い子ども。ナニーとジムは頭が弱いというつもりでダイヤモンドを「神さまの赤ちゃん」と呼ぶがこれほどダイヤモンドを表した呼び名もないだろう。疑いもせず、夢の世界を本物として愛するダイヤモンド。天使の夢のあたりから、この子は長く生きられないことがわかっていたかもしれない。北風との旅の様子はまるで銀河鉄道の旅のよう。悲しみの中にきらめきを残したラストだった。

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2022年05月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

どうして、北風が現れたんだろう?って考えていました
何かメッセージを伝えるためとか?
ファンタジーな事を考えていたのですが
ハヤカワ文庫版の解説を読んだら残念な気持ちになったよ
つまり、ダイヤモンドは、死の世界をさまよっていた?
北風のうしろの国は、もっとハッピーなおとぎの国のイメージがいいなぁ

ヒノヒカリ姫のおはなしや、マザーグースらしい詩もあっていろんな楽しみある本でした

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2018年01月24日

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