【感想・ネタバレ】大阪 ──都市の記憶を掘り起こすのレビュー

あらすじ

キタとミナミの違いとは何か? 梅田の巨大地下街はどのように形成されたのか? 2025年万博予定地「夢洲」の暗い過去とは? 梅田、船場、アメリカ村、飛田新地、釡ケ崎、新世界、法善寺横丁、ユニバ、夢洲……気鋭の地理学者が街々を歩き、織田作之助らの著作を読み、この大都市の忘れられた物語を掘り起こす。大阪とはどんな街なのか? これを読めば、見える景色はがらりと変わる。

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Posted by ブクログ

 大阪市に立地する空間の地理学。著者が「約十年間に大阪の街々を歩きながら感じたこと、考えたことをもとにして、現代都市としての大阪を特徴づける<場所>と<空間>について、およそ明治期以降の歴史性をふまえて叙述する」本。書の前半は主としてキタ、後半は主としてミナミを語るが、著者の思い入れはミナミにあるせいか、後半のほうが面白かった。とくに、第5章「ミナミの深層空間ーー見えない系をたどる」は、50頁もの分量を割きながら、阿倍野と千日前、飛田新地と釜ヶ崎、黒門市場を結ぶ三角帯の歴史地理学的意義を大いに語る秀逸な章だといえる。「東京もん」からすると、なじみの薄い大阪の地名が時折見られる。たとえば、でんでんタウンやジャンジャン横丁。ワールドトレードセンター(WTC)ビルなどはニューヨークか、せめて浜松町どまりで、なぜ大阪に存在するのか、不思議でならなかった。「場所は「個」としてではなく、近接・遠隔を問わず他所との関係性のなかで存立していることも忘れてはなるまい」(228頁)という一文に、都市空間の特異性に対する著者の思いが詰まっていると言えよう。
 ただひとつ残念なのは、「結果」という「接続詞」を多発しているところ(たとえば138頁の文頭)。読みやすさを考慮してのものだろうが、「その結果」と正しく書くべきだろう。せっかくの説得力が、この似非接続詞のおかげで浮いてしまっている。

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2020年03月06日

Posted by ブクログ

大阪の近代以降の歴史について書かれた本。
大阪駅の北と南では治安が大きく異なっていた。梅田(埋田)は北でインテリ的、心斎橋等は南。遊郭等の施設があったところは今もあまり治安が良くないという名残が残っている。 
ユニバは、もともと重工業地帯であった土地にできたため地盤沈下にら不安が持たれる。
万博についても触れられており、大阪がいかに文化や歴史を無視した政策をとってきたかを考慮すると上手く行く気がしない。

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2024年03月12日

Posted by ブクログ

読ませるっちゃ読ませるけど、概ね目新しい話はなかったかな。むしろ住んでる人間よりは外から見たい人向きの一冊かも。南港だのフェスゲだのの失敗の後にカジノだの地下鉄駅を近未来風にするだの何なのバカなの?って視点は首が振り切れるほど同意。

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2019年05月14日

Posted by ブクログ

大阪の様々な顔について成り立ちや文芸での取り上げられ方など。濃厚な主観というところもないではないが、純粋に興味深い。

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2019年05月05日

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