あらすじ
第二次大戦後、ヨーロッパ諸国は「和解」に向け歩んできた。だが、現在は自国中心主義勢力が各国で拡大し、英独仏ロによる「大国の時代」が復活しつつある。この危機の本質を理解するには、これまでの七十数年の歴史を繙かねばならない。福祉国家の成立とその行き詰まり、新自由主義時代の到来と東欧革命、エスニシティの噴出、グローバル化の進展、財政危機や難民問題、反EUなど現在の危機に至るまで、国際関係のみならず各国の内政との関わりからも描き出す決定版ヨーロッパ史。
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Posted by ブクログ
ヨーロッパの現代史はとにかくめちゃくちゃ、つまんない! 英雄はおらず派手な戦争も起こらない。挫折と妥協と不況と失業と低成長がずーっと続きます。ただ、このつまらなさこそが現代史であり、現在と直接繋がっている本当に知るべき歴史なのでしょう。本としては、若干事実の羅列に思える箇所もありますが十分に網羅的であり、事象・人物の背景や、その後の影響などの説明に心が砕かれていたと思います。
2ヶ月ほど齧り付いて何とか読破しました。良い読書体験でした。
Posted by ブクログ
1950年を起点にして、2000年代までのイギリス、フランス、ドイツを中心に、適宜大きな動きがあったその他のヨーロッパ各国やソ連を含む東欧諸国の動向を簡潔にまとめている。序章において筆者が全体の流れを提示しているので、それを踏まえて読むことができる点が分かりやすさにつながっている。
映画「リトル・ダンサー」で主人公の親と兄がストライキに参加していた描写が不思議だったが、サッチャー政権下で進められた経済改革が背景にあったと納得する副次効果を得られた。
前後関係が分かりやすく書かれており、同時期の各国の動向を比較したり、一国の経緯を追って読むこともできる良書であると思う。
Posted by ブクログ
これは実に興味深かった!!欧州諸国を巡る最近の情勢に至るまでの「最初にこういうことが在って、それがこうなって、そこから現在の状況が生じている」が判り易く整理されている。なかなかの力作だと思う。
大学教員である著者が携わった講義のための、幾つかの“ノート”を軸にしたということだが、英国、フランス、ドイツ、ソ連(ロシア)、そしてその他にスペインや北欧やベネルクス3国というような国々の変遷や、近年話題になっている情勢が説かれている。
大変に参考になる。広く薦めたい感の一冊。
Posted by ブクログ
内容は教科書のよう、つまり良い意味でヨーロッパの現代政治史がとてもバランス良く整理されまとめられており、非常にスムーズに流れを追えた。(ヨーロッパといっても、どうしても実質的には英仏独露の4カ国中心の記述ですが)
力作と思う。
Posted by ブクログ
大戦の終了から冷戦へ、東西体制の崩壊からグローバル化へ。同時代にてニュースを見聞きしてきたものとしては、ちょっと臨場感が足りないというか、現場の熱さが伝わってこなかったのが少し残念です。
Posted by ブクログ
主に英仏独露を比較する形で、第二次大戦後の各国の動きが描かれていています
どの国も平坦な道を歩んで来られなかったのが概観出来たのが理解出来たと思います