あらすじ
東京都内で連続殺人事件が発生。凶器は一致したものの被害者同士に接点がなく捜査は難航する。やがて事件は、インターネットを使った劇場型犯罪へと発展していく――。前代未聞の「殺人ショー」に隠された犯人の真の目的とは。地道な捜査を続ける刑事たちの執念と、ネット社会に踏みにじられた人々の痛みが胸に迫る社会派ミステリ。
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Posted by ブクログ
ハードカバーで約400頁。寝る時間、家事の時間、テレビの時間を削ってほぼ2日で一気読み。もう肩がゴリゴリだ。
思わずスーパー銭湯にほぐしに行く、肩凝らし必至の小説だ。犯人の動機が絞れず捜査が難航する。ひとつひとつのピースを検証していく作業は読んでいて疲れる。捜査員の疲労がリアルに伝わる作品だ。途中、捜査情報が洩れているのでは?誰かが捜査をミスリードしているのでは?などと推測してしまう。大御所推理作家の初期の名作を思い出したりしたものだ。社会的な風刺も盛り込んでいて読み応えのある作品だ。ぜひ映画化してほしい。
Posted by ブクログ
都内で起きた連続殺人事件。被害者同士につながりはない。そこで投入されたのはPTSDをおった刑事とコンピュータ専門だが捜査は初めての刑事。ネットの怖さを感じた。
一方で動機は福島に対する差別や苦しみ。無責任なデマで被災者を差別し、今でも苦しんでる現状も詳しく書かれている。
すぐネットに繋がり、それに頼っている現状を冷静に考え直し、直体験の大切さを忘れているような気がする。バーチャルの世界に生きているみたい。
Posted by ブクログ
東京都内で連続殺人事件が発生。凶器は一致したものの被害者同士に接点がなく
捜査は難航する。やがて事件は、インターネットを使った劇場型犯罪へと発展していく――。
初読みの作家さんでした。
SNSの悪意が事件解決のカギを握る。
悲しい犯罪だけれど、どんな理由も人を殺していい理由にはならない。
一気に読まされた。
オタクでコミュ障の長峰君が実はイケメンって、
ありがちだけどよい設定!
人間らしく怒りを感じるところだって益々興味津々だ。
要するに長峰ファンということだけれど、
田伏氏の家族の絆がとってもつよいところも魅力的だった。
田伏氏もそろそろ、スマホに変えてもいいのかもね。
SNSも、「ほんまかいな!!」と思いながらみてるからなぁ
ダメだねぇ、おばちゃんは。
Posted by ブクログ
自称モデルの女性、タクシー運転手、定年後地域の防犯に取り組んでいる老人が同一と思われる凶器で殺された。共通点が見いだせないなか、警察の捜査は難航。生前3人の被害者が発信していたインスタグラム、ツイッター、フェイスブックが調べられるが解決の糸口はつかめない。
心の病での休職明けの刑事・田伏と、コミュニケーションに難があるがIT捜査に関する能力は抜群の新人刑事・長峰のコンビが事件の真相へと迫っていく。
匿名性の楯に守られながら、人を平気で傷つける多数の罪の意識のない人間達。「ひまわり」と名乗る犯人からの犯行声明と殺人の実況。
真相に近づくにつれて重苦しい気持ちに襲われる。「ひまわり」という名前に隠された意味を知るとき、犯人を連続殺人に駆り立てた思いに胸が締め付けられる。
自分も知らないうちに加害者になっていなかったか・・・。自分の目で本当のことを見ようとしていたか・・・。
「震える牛」「ガラパゴス」で心を震わせた筆者の新たな社会派ミステリーは、前2作ほどのボリュームではないものの、重く、深く問いかける作品になっている。
やっぱり、相場さんからは目が離せない。
Posted by ブクログ
ネット犯罪のお話かと思っていたのですが、次第に震災被害のお話に変わっていった感があります。そういう意味ではそれぞれ深堀りされない、全体として中途半端になってしまったような印象があります。
また、ひまわりが連続殺人をする動機、なぜあの4人が惨殺されなければならなかったのか?という意味では、少し疑問も感じ、例えば卓越した知識のあるSEであれば、中傷した本人を突き止めたり、復讐や自分の気持ちを伝える術はあったのではないか?と思われました。
そして、物語の結末は掲示板のテーマの抜粋のみでしたが、最後はひまわりの意志が無残にももみ消されて、あっという間に風化してしまったことを示していて、相場さんの他作品同様悲しくやるせないものでした。。その後田伏や長峰が、そしてひまわりはどうなってしまったのか、とても気になります。長峰がもっと活躍できる別のお話は期待したいです。