あらすじ
【第33回すばる文学賞受賞作】現代の太宰治? 大いに悩む! 25歳の亮介は、服飾デザイナーを目指しながらも、故郷の八戸で実家の農業を手伝いながら「親方」のもとでツリーハウス作りに精を出す毎日。人気者の兄・慎平が都会から「自給自足」の暮らしを求めて帰郷してきたことがきっかけとなり、平穏だった田舎町のつかの間の均衡が崩れはじめる……。青春の苦悩を南部弁を駆使して鮮やかに描き出した、注目の俊英デビュー作。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
太宰チックっていわれてる本。第33回すばる文学賞受賞作。
世間を上手く渡る兄と淡々と過ごしたい主人公である弟と共通の知人等々がどうしたかっていうと、嫉妬じゃないのようざいのよ何でほっといてくれないのあぁもうキィィー。
彼のちょっと自分本位だけど十分気遣いしてるのに周りからバカにされる、舐められる感はとっても伝わった。
Posted by ブクログ
ああ、共感とまではいかないが、主人公の悶々とした心のウチは分かるような気がする。
信頼してた人達に手のひら返しされ、自分とは正反対の兄弟に好き勝手やられて、言われても逆らう事もできずに…終盤のチェーンソーの件は、ツリーハウス全部燃やすくらい大暴れしたら良かったのに。
でも、一つ思ったのは、兄さんが、薄っぺらい人間だったのは、主人公にとって救いだったのかな?とも思ってみたり。
だってあの兄が、ちゃんと地に足をつけて、まともな人生歩むような人だったら、亮介の悶々はこんなもんじゃなかったのでは?
あと、東北弁は馴染みが無いからサッパリわかりませぬ。
まあ、これは彼らが、逆に九州弁サッパリわからないであろうって言ってるようなもんで、しょうがないよね(汗
Posted by ブクログ
青森八戸
服飾の専門学校を中退し
就職することもなくほぼバイトみたいなもんで生活する亮介
兄の慎平は破天荒で感情的で自由奔放で
農業を継ぐわけでもなく都合のいいようにふらふらしている。
兄の紹介で親方の趣味の延長みたいな
ツリーハウスを建てるのを手伝う日々
兄弟。
同じ腹から生まれてきても、考えも性格もまったく違う。
気が合わない他人となら、簡単に距離を置いて接しなければいいだけなのに
血がつながっているということだけで、簡単にそうもいかなくなる。
いつだってヘリコプターにつるされた「おれ」がやってくる。
もろくて孤独で危うい日々。
暗い話かと思えどそうでもなくて
亮介が親方の娘を送るときに、親方に疑われて怒鳴られるところとか
文字が太字になっていたりでしかもめっちゃ方言でなまってて
どこかぷぷってなるときもある。
終わり方はこんなもんだよねー。