【感想・ネタバレ】アイル・ビー・ゴーンのレビュー

あらすじ

脱獄犯の行方を追う刑事ショーン・ダフィ。捜査の過程で彼が遭遇したのは、未解決の密室殺人事件だった。好評シリーズ第3弾登場! 解説収録/島田荘司

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ショーン・ダフィシリーズ三作目。

ただの巡査部長に降格されていたダフィは、
さらに一般人をひいて怪我をさせた罪を着せられ、
退職に追い込まれる。
そこへ、MI5が助け舟を出してくる。
幼なじみのIRAメンバーを探し出すことを条件に、
復職したダフィ。
捜査をはじめると、今度は幼なじみの元妻の母から取引を持ちかけられる。
元妻の妹の事故死の真相を突き止めれば、居場所を教えると。

今回は、密室トリック。
暴力がうずまく北アイルランドのミステリーとしては、
唐突な感じが否めないが、面白かった。
そして密室トリックが解けた後、
あっさり片づけられるかと思った幼なじみとの対決も、
サッチャーの命を助ける大活躍。
確か一作目で、
IRAに入ろうとしたダフィに大学に行くことを勧めた友人として、
幼なじみのことを覚えていたので感慨深かった。

0
2022年05月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

舞台は北アイルランド。
凶悪犯を収監する刑務所から大規模脱獄が発生した。

かねてからの素行の悪さが仇となり、警部補から巡査部長へ降格され、国境付近で死と隣り合わせのパトロールを続ける日々を苦々しく耐え忍んでいるダフィは、脱獄班の一人であるIRAの大物テロリストであり旧友であるダーモットの捜索を秘密裏に命ぜられる。
捜査の過程でダーモットの親族から過去の密室事件を解決すれば、彼の居所を教えると持ち掛けられ事件をほじくり返すことに。

こてこてのハードボイルド調からの密室事件というなんとも異色な組み合わせ。
また、北アイルランドというなかな稀有な舞台の政治的背景の興味深さ、骨太で奔放な行動をしつつ時に細やかな気配りを見せるダフィの魅力が相まってリーダビリティ高し。

ときどき会話の合間に挟まれる「あい」という応答が無性に気になる。
本筋とは全く関係ないけど、「ええ」とか「はい」とかの応答とは別で、上司から部下へ、部下から上司へのどちらの場面でも使われている。
お国柄なのか不思議な訳だった。

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2021年01月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

前作で刑事から巡査に格下げされたダフィは、北アイルランドの常に生死が交差する現場で神経をすり減らす日々。そこに脱走した幼馴染でもあるIRAの大物、ダーモット・マッカンを逮捕するため、MI5から刑事復帰を条件に捜査の依頼を受ける。

北アイルランド紛争を時代背景に、そこで生きていく人たちの重苦しさが根底にあるが、ストーリーのテコに密室殺人を配置することにより、エンタテインメント性も盛り込まれ、帯のコピーの通り、一気に読ませてくれる。

苦しい時代に奮闘するダフィにとって、警察に入ることは自らの正義感があってのことだが、マッカンへの憧れからくる一種の嫉妬が原動力にもなっている。そんなに人生きれいに語れるものではない。
でも人は正しい回答が欲しくて仕事に打ち込む。答えは得られるかどうかはわからない。でも打ち込む。それしかない。

ダフィは北アイルランドから逃げなかった。
これからも自分の答えを見つけるために仕事に打ち込むしかない。

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2020年05月16日

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