あらすじ
トラムに乗り合わせた"探偵"と殺人者。Gシリーズ転換点となる決定的一作。後期三部作、開幕!!香港のトラムで起きた密室殺人と、果てしなく広がるバーチャル空間での光速の追跡劇。天才を追い、天才に追い詰められる。「そう。ここが私の世界だ」香港で仕事をする島田文子のもとに男が現れた。島田が真賀田研究所にいた頃に起きた飛行機事故について質問があるという。その日、走るトラムの中で殺人が起き、死者の手に「χ」の文字が遺される。乗客として警察の捜査に応じた島田だったが、そこである交換条件を持ちかけられ……。Gシリーズ後期三部作開幕!
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Posted by ブクログ
前作を読んでから随分と時間が経ってしまったので、うろ覚えな部分がかなりあったけど、やはり面白い。
途中でχはK君で、金はHさんかなと思ったが、各務アキラと面識が無いと言っていたので金の方は違うのかな…。年齢的にも流石に無理か?
シリーズ同士の繋がりが頭の中できちんと結び付かないのは読み込みが足りないせいか。
解像度を上げるにはだいぶ読み返さないといけないなぁ。
Posted by ブクログ
Gシリーズ、第十作。こんな驚いたことなんて本当に久し振りだ!!!驚愕。島田さんの年齢にもビックリしたが、カイの正体が○○だなんて——。
S&M、Vシリーズ他、いろんなシリーズとのリンクが垣間見え、森の民、屈指の一作でしょう。パーフェクト!
Posted by ブクログ
p119
持っていきたいものは一つもない。自分の躰でさえ、ここに残していきたいほどだった。
後期三部作。
引用は満を持してのクイーン。解説では『Xの悲劇』とのリンク性やオマージュ、引用した意図などが語られていて、とても解説らしい解説で、どうせなら本作の前にXの方も読んでも良かったかもしれません。
最初からいつものメンツではなく、各務とその息子であるχ(海月)、金と警察関係者など登場人物は最小限。ルナティックシティの創設メンバーの示唆はサービス精神旺盛な感じではある。
専門用語を極力省いた形でハッキングの描写を描くのは面白く、逆に新鮮に感じました。
「人」に対する興味の希薄さは存分に表れており、ハッキングに招集したメンバーにはすべて適当な駅名や地名があてがわれます。そこでχに興味を惹かれるのはもはや必然。
時系列を一気に飛ばしましたが、最初の段階から年代はシンギュラリティ後?と想像。でも、ミチルとロイディのように、一人一つのAIを持つほどの未来ではない。
シリーズの中ではかなり異色ですし、古典的ながらもひねりのきいた構成だからか、同シリーズの他作品と比較しても評価が高いのかもしれません。
示唆と機知に満ちた良い作品でした。
Posted by ブクログ
世の中は、なにもかもすべてが相対であって、絶対的自己だけで生きていけるわけではない。面白かった。「すべてがFになる」に登場した島田文子が主人公の物語だが、あの頃はここまで魅力的なキャラクターだとは思わなかった。殺人事件が起こるが、それは物語の中心にない。真相も主人公に馬鹿馬鹿しいと言われる内容だが、不満には感じない。物語自体が素晴らしいからだ。第2章後半。ハッキングがこんなにスリリングに書かれたことがあっただろうか。そして第4章終盤以降の展開には本当に驚いた。森博嗣のミステリで人の死に涙したのは初めて。
Posted by ブクログ
面白かったーー!
森博嗣の魅力を存分に堪能できた一冊。
もう飛行機事故のこともカガミアキラのこともけっこう忘れてきてたけど、再読したくなった。
途中、年齢が合わないんじゃない?と不思議になるところもあったけど、最後の最後、一文で本当に目が覚めた。
これはすごい。そりゃあ肉体は邪魔ですよね。
読み始めてすぐには、知っている名前が全然なくて焦ったけれど、意外なことがいくつも判明して楽しかった。
今まで読んできた読者にも、おおいにサービスしてくれて嬉しかった。
島田さんかっこいいよね。
突然、香港の自宅を出ることになっても、慌てず、用意もいらない。
リアルのものは何も必要ない、体もここに置いていきたいと言い切る。
ヴァーチャル世界での攻防戦の指揮も、スピーディでシャープ。
こういうジェットコースターが森博嗣の面白さ。
χの正体がすぐにわかったけど、もうひとりの正体も、わかった瞬間、いいなあと思った。
このキャラ好きだったな。
さすがにもうバイクには乗らないのね。
組織と国際とかの話題になると、纐纈苑子さん、今こそ再登場でしょ、と思ってしまうけど、またからぶりでした。
次作も最終作も楽しみだ!
Posted by ブクログ
3.5
Gシリーズ10弾で、後期3部作1弾。日本科学大学から転職し香港で仕事する島田文子をメインとして話が進む。ホテルの置かれたχのカード。香港のトラムで起きた殺人事件。交換条件で日本の諜報局員の手伝いに。飛行機事故を逃れた小山田真一と各務アキラ。小山田は真賀田研究所の所員だったらしい。島田を助け出すχは小山田と各務の息子らしい。エピローグでの初老のχと89歳の島田のやりとり。χが海月。海月は親しい人はいるが結婚してないよう。雨宮?ダマシダマシでの加部谷の話も納得。シリーズ全体を通して謎が明らかになってきた感じ。大作。