あらすじ
新選組……局長・近藤勇、副長・土方歳三を核に、斎藤一、永倉新八、原田左之助ら、恐れを知らぬ若き群像。この中にあって、天稟の凄剣を紅顔に秘め、攘夷志士を斃して京洛を血漿で染めあげる沖田総司は、闘い終れば純情多感な青年だった。だが、歴史は彼に安息を許さない……。残光煌めく落日を支えるべく、勁烈な士道の美意識に殉じる若者の命運!
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Posted by ブクログ
100年経って薩長が勝ったあとの世の中から見たら旧時代の遺物に見えるのかもしれないけど、「時勢に敏感」というのを口実にあっちへふらふらこっちへふらふらした挙げ句に生き残ったという事実で勝ち組になるのと、末期だけは悲惨でも一本筋を通した後で負けたのと。
「負けた」ことになるのがいちばん切ない話だ。
Posted by ブクログ
佐幕派だろうが倒幕派だろうが、イデオロギーを論じないと蔑まれる世相の中で、そんな面倒は近藤や土方に任せて従順に生きるのもいけている。最期は寂しいのだけれど、敗け戦(いくさ)で斬り捨てられる死にざまは彼にふさわしくないだろう。ところで、著者が抱く明治政府への嫌悪感はあまりに強くて、偏り過ぎかなと幾分気になるのであった。