あらすじ
「ようこそ。これであなたはガーディアンの一員です。学校でのあなたの身の安全は保証されます」。教師や親にはその存在を明かしてはならない、生徒による中学の「自警団」、ガーディアン。問題ある生徒に制裁を加え学校の平和を保つ。荒れた学校が一転、平和になった陰には、不登校をしいられる生徒たちがいた。新任教師、秋葉は不登校の生徒の謎を探るうち、その存在に気付くが……。少年犯罪を描いてきた著者の学校ミステリー。
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Posted by ブクログ
ガーディアンがいることで秩序が保たれる学校。それはいいことなのか、もっと大事なことはあるのではないか、先生の熱さが伝わる話。
読み終わって大事なものは何か、求めることを得ることは何らかの苦労が伴うものだ、と感じました。
Posted by ブクログ
登場人物がたくさんで整理するのが前半は大変だった。でもページをめくるごとに『ガーディアン』のナゾが暴かれていくのは面白かった。
学校現場で働いていると思うけど、エスパーじゃないから話してくれないとやっぱりわからない。匿名の相談ほど難しいものはない。
だからこそ、先生たちもガーディアンに強力したわけだが、根本的解決にはならない。その場かぎりの対処法に過ぎないし、さらに被害者を増やしている記述もあった。そこに秋葉が己の芯を曲げることなくガーディアンの必要性について呼びかけていく。最後の文面はどちらとも取れる気がする。結局秋葉は大人だけでは無力としたのか、それともガーディアンから最後の依頼『生徒を守れ』か。
感想書くの難しい話だった!
Posted by ブクログ
登場人物が多く、かつ子供たちが被害者になるのだろうなと思って最初は読むのがしんどかった。
けれど、職員会議で泣いてしまった。
そこまで、子供に寄り添わない、子供を抑えつけて教育しようとしているように描かれていた先生達の行動は全て生徒のための努力だった。
理不尽に思われる指導は、生徒に嫌われてでも苦しむ子供を見つけたいという先生の作戦だった。
それは、結局意味がない作戦もあったし、実は子供たちを救っている作戦もあって、敢えて存在感が薄く描かれている同僚の先生達は実は子供のことを考えて戦っていた。
前半が場面転換や登場人物が多く読みにくい分、終盤のカタルシスが気持ち良かった。
そして最後に、ぞわりとさせる結末で流石だなあと。ずっとガーディアンと戦っていた秋葉は、これからどう関わっていくんだろうな。
Posted by ブクログ
面白かった。
平和な中学校には、平和を維持するために実は自警団が存在した。
自警団は、本当に必要なのか?
「臭いものには蓋をする」ではないけれど、根本を解決せず上辺だけきれいにする。
一時的には生徒みんなに安心と平穏をもたらすけど、本質的には何も解決はしていない。
まだ未熟な中学生にはそれで平和に卒業できれば何も問題はないと考えるのは当然の事。
秋葉先生が、それに必死に立ち向かい、生徒一人一人に向かい合う姿はとても感動した。
それなのに。。。。最後の一文。
えっ?!今までの感動は?
世の中、綺麗ごとだけでは平和は維持できないということか。
でも、友情とか先生の熱い思いとか、とても良かった。
コロナでヒマヒマしている息子におすすめしました♪
Posted by ブクログ
やっぱ好きだわ薬丸岳さん!
〜不良のいない平和な学校、しかしその学校は『ガーディアン』に支配されていた〜
現代の学校問題に切り込んだ社会派ミステリーって感じでしょうか
最後の一文、すごく素敵な終わり方だわ〜
それにしてもこんだけ共働き世帯が増えて、今まで家庭で教えてきたことさえも学校に押し付けられる
学校の先生って大変だ( ˆ꒳ˆ; )
Posted by ブクログ
学生の持つ、想像以上に大人びた部分やまだ残る幼い部分が創るアンバランスで脆い世界が垣間見れて面白かった。ただ、結末部分のどんでん返し?というか展開がこじつけのように感じられてしまった。
Posted by ブクログ
また薬丸岳さん読みました。今後は中学校を舞台にしているもの。なので、ちょっと「それはないなぁ」と、感じる部分が多かった。
私の感覚では、中学生のスマホの所有率が上がりつつあるとはいっても、地方ではそこまでではない。スマホを与えるときには、まともな親ならもう少し注意を払うし、学校に持って行かせたりしないし、使用を制限したり、メールをチェックしたりする。全校生徒がある組織からのメールの指示に一斉に従うなんてことは無理かな。数百人単位の中学生が、全員大人に対して秘密を守るなんてことも、まぁ、無理かな。
教師像や職員室像も、私の身近の中学校の実態とはかけ離れている。でも、そういうところはちゃんと編集者やらが調べたり裏付けとっているのだろうから、東京と地方の違いなのかもしれない。
夏目刑事がチラッと出てくるのが良かった。そして、読みながら「教師集団ってこういうのじゃないけど(イラッ)」と思っていたのが、終盤に覆されて良かった。
教師は万能じゃない。日々苦しんでいる。中学生は難しい。答えは見つからない。苦しんでも苦しんでも、悩んでも悩んでも、どうにもならないことが多すぎる。子どもは日々、変化する。成長している。何が正しいのか、中学生も悩んでいる。強く生きたい。正しく生きたい。でも正しいと思うことを貫くって、どうしてこんなに大変なんだろう。いじめられている友達を助けるのが、どうしてこんなに難しくなってしまうのだろう。少し切ない。
サスペンスとしても、青春期を描いた物語としても、まぁまぁ良かったです。