【感想・ネタバレ】浜の甚兵衛のレビュー

あらすじ

明治三陸地震のあと、港町・仙河海で、正妻の子である兄とそりが合わず、鬱屈を粗暴な振る舞いで晴らしていた甚兵衛。事故で沖買船を失うも、北洋でのラッコ・オットセイ猟のことを知り、すべてを賭ける。東北から遙か北の海に繰り出した明治の男の覚悟と男気を描く。著者のライフワーク「仙河海サーガ」、最初の物語。

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Posted by ブクログ

熊谷達也『浜の甚兵衛』講談社文庫。

宮城県気仙沼市がモデルの三陸の架空の町を舞台とする『仙河海サーガ』の最初の物語。

時代は明治。海の男が自らの人生を賭け、己の進むべき道を切り開くという力強い物語。終わりなき果てしない道程、それが人生というもの……

作中に登場する地名は現代の気仙沼市周辺の実在する地域を想起させてくれる。

仙河海で妾の子として産まれ、16歳から自らの才覚だけで仲間らと沖買業を営んでいた甚兵衛の波乱に満ちた人生が生き生きと描かれる。明治三陸大津波により破壊された仙河海と周辺の集落。大津波の後、漁業は振るわなくなり、甚兵衛は新たな仕事を見出だし、己の人生を賭ける。

ちなみに熊谷達也は東日本大震災後に『仙河海サーガ』として、『リアスの子』『微睡みの海』『ティーンズ・エッジ・ロックンロール』『潮の音、空の青、海の詩』『希望の海―仙河海叙景』『揺らぐ街』の6冊を上梓している。

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2019年02月20日

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