あらすじ
「へうげ」の世=桃山時代から約二百年。「江戸」は居よいか住みよいか。複雑怪奇な人間模様、闇で「仕掛」ける裏稼業。元締・音羽屋半右衛門、嫌な渡世だ。「仕掛人・梅安」シリーズの原点『殺しの掟』(講談社文庫)より三篇を厳選。山田芳裕が池波正太郎に捧ぐ極乙のオマージュにて候
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Posted by ブクログ
原作・池波正太郎「殺しの掟」を山田芳裕が漫画化。
人の見栄や情欲、愛憎を基盤にしたミステリー時代劇。第三話の最後で『心が痛いよ』と音羽の親分が言ってますが、それはこっちのセリフというやつです。
三話収録されていて、各話ごとにさまざまな人間模様、それぞれの思惑が縦横に交差するのですが、親分自身が多様な姿を見せるので、物語の彩りは増すのですが、統一感がなくなってゆく気がしてしまいます。
しかしながら、読み終えた時に残るのは「心が痛い」という一念に集約されるのですが。
勧善懲悪ではなく、ピカレスクでもなく。裏と表の二つの社会に生きている人間の二つの側面は、そのまま人間が持つ陰陽の感情を写しているのだろうな。
爽快感のある読後ではなかったけども、没入感を得るためにも原作読んだ方がいいんだろうな。
江戸の情緒と仕掛暮らしの三話
池波正太郎による仕掛人シリーズの原作『殺しの掟』から三話を選び,それを描く山田芳裕の漫画「仕掛暮らし」では絵の中にどんな工夫がされているのだろうかと頁をめくった.原作を読めばわかるが,仕掛人イコール,単純な「殺し屋」というわけでもない.それは表の仕事では手に入らないような高収入を得るため裏で殺しを請け負う稼業である.表の顏は妻帯もしていたり子供もいたりだが,過去にあった秘密を抱えながら生きている男が登場する.さて山田芳裕は原作中に登場する篆刻や絵画を仕掛人とともに,どのように描いたのだろうか.そこがひとつの見所かもしれないと思った.