【感想・ネタバレ】官邸ポリス 総理を支配する闇の集団のレビュー

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Posted by ブクログ

文科省局長の収賄や事務次官のスキャンダル、
近畿財務局による国有地の不当売却、財務省の公文書改竄とセクハラ地獄、野党幹事長候補のセックス・スキャンダル……こうした事件の裏に蠢いた「最強権力」が、日本の政官界には存在した!?
東日本大震災の原発事故の際に目撃した政治の機能不全――このとき「日本国にとって必要なのは、40年間ひたむきに国家のため奉職する官僚である」と確信した警察官僚のグループが存在する。
そして、政権交代が起きても常に日本国を領導し続ける組織、すなわち「官邸ポリス」が組織されていったのだ!
現在の長期政権のあと、「官邸ポリス」が牛耳る日本は、一体どのような国になるのか!?
元警察キャリアによる告発小説。
主な登場人物とモデル
官邸ポリス
瀬戸弘和 元警察庁警備局局長で官房副長官の杉田和博
野村覚 元警察庁刑事部長の中村格
工藤茂雄 北村内閣情報官
財務省
佐藤信幸 佐川理財局長
自民党(劇中では民自党)関係者
多部総理大臣 安倍総理大臣
多部恵子 安倍昭恵
須田官房長官 菅官房長官
立憲民主党(劇中では民生党)
山田紗緒里 山尾志桜里
TBS(劇中では東日本テレビ)
山本巧 山口敬之
森友学園(劇中では盛永学園)
門池康政 籠池泰典

本編で、モデルになった事象の概略

安倍総理を追及する急先鋒の山尾志桜里衆院議員の不倫を、衆院解散前に読売新聞にリーク。
森友学園設立の口利きの事情をマスコミにしゃべっていた籠池理事長を黙らせるために、籠池理事長の補助金不正受給疑惑を捜査させて長期勾留させた。
森友学園で文書改竄に手を染めさせられて自殺した近畿財務局局員が自殺した事件を火消しするために、シラを切り通し世論の怒りの的になった佐川元理財局長が国税庁局長になっていることが安倍政権崩壊の原因になることを恐れた菅官房長官は自殺した近畿財務局局員の遺書を佐川に見せて辞職を迫って辞めさせた。
加計学園獣医学部設立について、安倍総理と加計学園理事長が「お友達」だから行われた岩盤規制改革ではないかと疑惑が渦巻いていた2017年5月、「総理のご意向」と記されていた文部科学省の文書を明かした前川喜平文部科学省事務次官に圧力を掛けて証言の信憑性を落とすため、前川事務次官が歌舞伎町の出会い系バーに通っていたことを読売新聞にリークした。
安倍総理総理番記者の山口敬之が、伊藤詩織さんに準強姦した事件で、空港に山口氏を逮捕に向かった高輪署の刑事の逮捕状の執行を、当時警察庁刑事部長だった中村格が強権をもって逮捕状の執行を停止させた。
他にも、財務省事務次官のセクハラ疑惑、自民党総裁選での安倍三選など、様々な政界の騒動の裏側で、安倍政権を磐石にするため邪魔になる政敵や疑惑を葬りマスコミに圧力をかける内閣情報室の暗躍を、警察庁キャリア組ならではのリアリティで描いていて、安倍政権が終わり負の遺産を受け継いでいる菅政権下の今だから読む価値ある告発小説。

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2022年12月07日

Posted by ブクログ

元警察庁キャリアが書いたという触れ込みの本。警察以外は信用せず(できない)、手段を選ばず行動し、収集情報によってメディア、他の官僚、政治家までもコントロールしていく様が赤裸々に描かれている。警察の無謬性を前提とする論調がやや気になるが、官邸や内調勤務の多い国家警察官僚の視点や手口が非常によくわかる本

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2020年11月08日

Posted by ブクログ

元警察庁キャリア官僚とされる著者による暴露本的小説。「本書の92%は現実である」との触れ込みで、警察庁出身の官房副長官(事務)により組織された「官邸ポリス」の暗躍を描く。
正直、どこまで現実に近いことが書かれているのかは判断できないが、アルジェリア人質事件、御用記者性的暴行疑惑、森友問題、文科次官の出会い系バー通い問題、チケット転売問題、財務次官セクハラ問題など、実際の事件の裏事情っぽいことが非常にリアリティある描写で述べられているので、とても興味深く拝読した。
結末が唐突なのが気にかかったが、続編があるのだろうか。期待したい。

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2020年10月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

警察組織が官房副長官を中心とした闇の一大勢力になっており、国政を揺るがしかねないスキャンダルを未然に防いだりリークしたりして官邸を影で支えているという小説。
文章もこなれていないし、小説としては山場もなく終わるのだが、それがかえって妙なリアリティを感じさせる。
一応、仮名にはしているが、山尾志桜里には前々から尾行がついていたとか、山口メンバーの事件も、チケット転売屋を取り締まったときにジャニーズ事務所が特別扱いをされていると思われないようにわざとリークしたとか、最近の話題が中心。
他にも福田次官のセクハラ問題(官邸ポリスが裏で動いて問題が長引かないようにテレ朝に事実関係の早期公表を迫った)とか前川次官の援助交際問題(もともと歯に衣着せぬタイプだが事務次官になるのは確実視されていたので前々から弱みを握っておくために尾行がついて行動が見張られていたんだとか)、野田聖子大臣の夫の話題などが扱われている。

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2019年01月13日

Posted by ブクログ

うーん、安倍政権下で起きたいろんな出来事の裏には官邸ポリスがいた、みたいな暴露本なんだけど、腰引けてて実名出せずにあくまで小説の体を取らざるを得なくてそこがしんどいなあ。ノンフィクションならもっと面白かったのに。高級官僚ってこんなに権力あるんだなあ。へーあの件はこうだったんだ、へー、ってくらい好奇心は満たしてくれはする。小説にするために無駄に若手警察官僚とその恋人の描写を挟むんだけど、そのあたりが全て稚拙すぎて小説になってない。台詞回しもシーンの描写も酷い。あくまで小説である以上この評価だなあ。そもそも官邸ポリスってネーミングどうにかなんないのかよw 登場人物が官邸ポリスたる自分に酔い痴れてる描写は痛烈な皮肉なんだろうなあ。

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2021年12月17日

Posted by ブクログ

全て既知の事件、事象を紡いだ小説がゆえに、結果的に(著者の経歴もあり)警察組織の有能さ、底知れぬ恐ろしさを感じさせる。流れとして、「さもありなん」という印象。
「官僚たちの夏」を再読したい気持ちになった。

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2019年07月27日

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