あらすじ
【アフリカ入門書の決定版が20年の月日を経て大改訂!】人類誕生から混沌の現代へ、壮大なスケールで描く民族と文明の興亡。新たなアフリカ像を提示し、世界史の読み直しを迫る必読の歴史書。変化の激しいアフリカ現代史を新たに書き加え、従来の記述も新しい知見や主張に基づいて内容を大幅に見直した改訂新版。
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Posted by ブクログ
改訂新版 新書アフリカ史
編:宮本 正興
編:松田 素二
出版社:講談社
講談社現代新書 2503
アフリカ大陸55カ国(含む西サハラ)を総括して扱う大作であり、その量は800頁に及ぼうとするものです。
各部を21名の専門家たちが、詳解する、まさに、学術書。一読するのに、時間がかかりました。
1つの書として、引用を含めて統一感を持たせたのは二人の編者のおかげで、流れにも、違和感はなかった。
アフリカの名前が歴史に登場するのは、ローマとカルタゴとのポエニ戦争であり、カルタゴの部族の名称からである。第二次ポエニ戦争を制したスキピオはその功績からアフリカヌスという称号を賜った。
アフリカとは、サハラ以北の地域を示す名称だったが、現代、アフリカ大陸そのものを示す言葉となっている。
3037万平方キロという膨大な地域で地球の22%を占めるこの地域を1つの書で扱う意欲作である
参考になったのは、多くの図表、特に、独自の視点で作成された地図だ。索引も19頁あり充実している
・5つの大河の流域で発達したアフリカ文明の紹介
・イスラムの武力制圧(北アフリカ)と、イスラム商人による販路の拡大(西アフリカ)
・インド洋における大海洋貿易
・大西洋を舞台とした奴隷貿易
・アフリカ各地での植民地化の進展
・南アフリカにおける、オランダからイギリスへの植民の変動
・第二次世界大戦後の独立
・冷戦後の一党支配の終焉と、内乱時代へ突入
・21世紀のアフリカ諸国の部族間の和解への智恵
さまざまな視点からアフリカを分析していて気になったのは以下です
P. 38 アフリカの植生 (地図) 二つの回帰線をまたぐ大地域が、11の領域に分れています。
P. 52 人類化石の発見地 (地図) 大地溝帯の周辺を中心に、人類遺跡は南北に連なっている
P. 53 人類の進化 (系統図) ①ラミダス猿人から⑪ホモサピエンスにいたる系譜
P. 70 アフリカ起源作物の栽培化地域 (地図) サブサハラを中心に、7つの作物が栽培されていた
P. 79 アフリカ河川湖の図 (地図)ナイル、ニジェール、コンゴ、ザンベジ、リンポポ、5大河
P.241 インド洋のモンスーンと交易路 (地図) アフリカ、アラビア、インドの交易ルート
P.284 主な奴隷輸出ルート (地図 大西洋を中心に、欧州、アメリカとの三角貿易の拠点の表示
P.306 アフリカの植民地分割(1914) (地図)エチオピア以外がすべて植民地に
P.528 アフリカ諸国の政治変動 (表) アフリカ諸国の独立と内乱、政変の一覧、圧巻
P.562 現代のアフリカ国家(2018.08) 55カ国の地図
P.565 アフリカにおける民主化の動き (表) 政体、国民会議、選挙の記録 これも圧巻
P.573 アフリカにおける1990年代までの主要な武力紛争(地図)
P.574 2000年代以降の主要な武力紛争(地図)
P.689 アフリカの主な言語 (地図)伝統的なアフリカの語族の図示
P.692 公用語の分布 (地図) 旧主国の言語(仏、英、葡、亜、西)と含めた分布 P.306と関連
目次
はじめに―アフリカから学ぶ
改訂新版にあたって
第1部 アフリカと歴史
第1章 アフリカ史の舞台
第2章 アフリカ文明の曙
第2部 川世界の歴史形成
第3章 コンゴ川世界
第4章 ザンベジ・リンポポ川世界
第5章 ニジェール川世界
第6章 ナイル川世界
第3部 外世界交渉のダイナミズム
第7章 トランス・サハラ交渉史
第8章 インド洋交渉史
第9章 大西洋交渉史
第4部 ヨーロッパ近代とアフリカ
第10章 ヨーロッパの来襲
第11章 植民地支配の方程式
第12章 南アフリカの経験
第5部 抵抗と独立
第13章 アフリカ人の主体性と抵抗
第14章 パン・アフリカニズムとナショナリズム
第15章 独立の光と影
第6部 現代史を生きる
第16章 苦悩と絶望:二〇世紀末のアフリカ
第17章 二一世紀のアフリカ
第18章 アフリカの未来
参考文献
執筆者紹介
索引
ISBN:9784065139486
出版社:講談社
判型:新書
ページ数:784ページ
定価:2000円(本体)
2018年11月20日第1刷発行
2022年02月28日第5刷発行
Posted by ブクログ
アフリカの通史。もう一度読み直すかフォーカスの当て方の違う本を改めて読むかまだ決めてはないけれど、とりあえず一度読んだだけでは理解しきれてない。あまりにも知らないことが多かったなぁとまずはそれが知れてよかった。
Posted by ブクログ
新書だが本文で700ページ以上あるボリューム。
アフリカの歴史が大局的、網羅的に説明されていて勉強になった。15章、ネイションビルディングがトライバリズムを生み出したというのは目から鱗だった。
アフリカ経済のジレンマを歴史的な流れとして説明されていて理解が深まった。
Posted by ブクログ
われわれ日本人はアフリカのことをなにも知らない、というのが率直な評価ではないだろうか。もちろんアフリカという大陸を知らない人はいないし、アフリカの国家をひとつも挙げられない人もいないだろう。智識としては確実にわれわれのなかに共有されている。しかしより現実的な関心となるとどうか。いまはコロナウイルス禍の真只中にあり海外旅行どころではないが、昨年までの人気旅行先はやはり東アジアやヨーロッパが中心で、アフリカの場合は旅行ガイドの売場すら狭くなっている。テレビで取り上げる国際ニュースもアメリカや中国が中心で、アフリカについてはあまり観ることがない。しかし、人類の歴史を紐解いてみれば、その伝播の仕方については諸説あるが、われわれホモ・サピエンスが誕生したのは、紛れもなくアフリカなのである。そういう意味では、もっとアフリカについて関心を持つべきだと思う。本書はアフリカの歴史をその人類誕生のころから現代に至るまで概観しており、非常に勉強になることが多い。かつてはよく「闇黒大陸」と呼ばれ、現在でも発展途上国の代表的な存在として扱われてしまいがちであるが、そのような見方は偏見に過ぎないことがわかる。アフリカにも古くから独自のコミュニティがあり、優れた文明があったのだ。アメリカを中心に現在ちょうど「Black lives matter」運動が世界中を席捲しているが、本書を読むこともまた黒人差別を理解することに繫がるのではないだろうか。
Posted by ブクログ
圧倒的。アフリカについてこれほど遠大に多角的に書かれた本が他にあるのだろうか。しかも日本語で。
もしかしたら、非西洋である日本だからこそ、アフリカから見た世界史、という視点が生まれたのかもしれない。
とにかく20年前にこの企画を考え、成し遂げた編集者の方に敬意を表したい
Posted by ブクログ
アフリカ大陸、特にサハラ砂漠以南のアフリカ(=サブサハラアフリカ)に関する700〜600万年前の人類誕生からホモ・サピエンスの21世紀までの網羅的な通史。
Posted by ブクログ
かつて、歴史のない「暗黒大陸」と言われたサハラ以南のアフリカ。そうした古い見方はようやく覆され始めた。 本書は五大河川沿いに成立した世界の記述から始まり、それを踏まえて交渉史、ヨーロッパとの遭遇と植民地時代、独立とその後の問題が描かれる。大河沿いの種々多彩な世界、海やサハラを越えた交流の展開、南アフリカのアパルトヘイト後の「真実和解委員会」の考え方など非常に興味深く読んだ。アフリカではこれからの人類史に大きな影響を与える偉大な知恵が育まれていると思わせてくれる一冊。優れたアフリカ通史。
Posted by ブクログ
通勤で読めるアフリカ通史。植民地化によって「直線的に」で分断されてしまった国家の枠組みではなく。「川世界」や「交渉史」という視角から、新しいアフリカ史を描こうとする熱意に溢れた意欲作。増補によって2018年までの記述が追加された。
「ナショナリズム」「法と裁き」などヨーロッパ的な枠組みを乗り越えようとする視座が随所に盛り込まれており、個人的にはそれが良かった。
歴史を扱う書物で共通に思うのだが、もっと地図がほしい。本書はだいぶ良心的だけども。
特厚。