改訂新版 新書アフリカ史
編:宮本 正興
編:松田 素二
出版社:講談社
講談社現代新書 2503
アフリカ大陸55カ国(含む西サハラ)を総括して扱う大作であり、その量は800頁に及ぼうとするものです。
各部を21名の専門家たちが、詳解する、まさに、学術書。一読するのに、時間がかかりました。
1つの書として、引用を含めて統一感を持たせたのは二人の編者のおかげで、流れにも、違和感はなかった。
アフリカの名前が歴史に登場するのは、ローマとカルタゴとのポエニ戦争であり、カルタゴの部族の名称からである。第二次ポエニ戦争を制したスキピオはその功績からアフリカヌスという称号を賜った。
アフリカとは、サハラ以北の地域を示す名称だったが、現代、アフリカ大陸そのものを示す言葉となっている。
3037万平方キロという膨大な地域で地球の22%を占めるこの地域を1つの書で扱う意欲作である
参考になったのは、多くの図表、特に、独自の視点で作成された地図だ。索引も19頁あり充実している
・5つの大河の流域で発達したアフリカ文明の紹介
・イスラムの武力制圧(北アフリカ)と、イスラム商人による販路の拡大(西アフリカ)
・インド洋における大海洋貿易
・大西洋を舞台とした奴隷貿易
・アフリカ各地での植民地化の進展
・南アフリカにおける、オランダからイギリスへの植民の変動
・第二次世界大戦後の独立
・冷戦後の一党支配の終焉と、内乱時代へ突入
・21世紀のアフリカ諸国の部族間の和解への智恵
さまざまな視点からアフリカを分析していて気になったのは以下です
P. 38 アフリカの植生 (地図) 二つの回帰線をまたぐ大地域が、11の領域に分れています。
P. 52 人類化石の発見地 (地図) 大地溝帯の周辺を中心に、人類遺跡は南北に連なっている
P. 53 人類の進化 (系統図) ①ラミダス猿人から⑪ホモサピエンスにいたる系譜
P. 70 アフリカ起源作物の栽培化地域 (地図) サブサハラを中心に、7つの作物が栽培されていた
P. 79 アフリカ河川湖の図 (地図)ナイル、ニジェール、コンゴ、ザンベジ、リンポポ、5大河
P.241 インド洋のモンスーンと交易路 (地図) アフリカ、アラビア、インドの交易ルート
P.284 主な奴隷輸出ルート (地図 大西洋を中心に、欧州、アメリカとの三角貿易の拠点の表示
P.306 アフリカの植民地分割(1914) (地図)エチオピア以外がすべて植民地に
P.528 アフリカ諸国の政治変動 (表) アフリカ諸国の独立と内乱、政変の一覧、圧巻
P.562 現代のアフリカ国家(2018.08) 55カ国の地図
P.565 アフリカにおける民主化の動き (表) 政体、国民会議、選挙の記録 これも圧巻
P.573 アフリカにおける1990年代までの主要な武力紛争(地図)
P.574 2000年代以降の主要な武力紛争(地図)
P.689 アフリカの主な言語 (地図)伝統的なアフリカの語族の図示
P.692 公用語の分布 (地図) 旧主国の言語(仏、英、葡、亜、西)と含めた分布 P.306と関連
目次
はじめに―アフリカから学ぶ
改訂新版にあたって
第1部 アフリカと歴史
第1章 アフリカ史の舞台
第2章 アフリカ文明の曙
第2部 川世界の歴史形成
第3章 コンゴ川世界
第4章 ザンベジ・リンポポ川世界
第5章 ニジェール川世界
第6章 ナイル川世界
第3部 外世界交渉のダイナミズム
第7章 トランス・サハラ交渉史
第8章 インド洋交渉史
第9章 大西洋交渉史
第4部 ヨーロッパ近代とアフリカ
第10章 ヨーロッパの来襲
第11章 植民地支配の方程式
第12章 南アフリカの経験
第5部 抵抗と独立
第13章 アフリカ人の主体性と抵抗
第14章 パン・アフリカニズムとナショナリズム
第15章 独立の光と影
第6部 現代史を生きる
第16章 苦悩と絶望:二〇世紀末のアフリカ
第17章 二一世紀のアフリカ
第18章 アフリカの未来
参考文献
執筆者紹介
索引
ISBN:9784065139486
出版社:講談社
判型:新書
ページ数:784ページ
定価:2000円(本体)
2018年11月20日第1刷発行
2022年02月28日第5刷発行