あらすじ
日本列島はつねに火山と地震の活動に見舞われてきた。私たちが地表で観察する数々の地学現象は、地球深部で起こる「何か」に由来する。地球科学者はその「何か」を特定すべく努力を続けてきた。列島の地学現象のすべてが、「水」によって結びつくことが明らかにされつつある。日本のトップランナーが、現代地球科学の基礎となるプレートテクトニクスから、最新の成果である地球内部の水の動きまでを徹底的に解説する。
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Posted by ブクログ
文章と図だけで地震やプレートの話を分かりやすく書いてある本は初めてだった。索引があるので、これどういう意味だっけ?となっても戻れるし、素人にも分かりやすかったと思う。とはいえ人に話せるほどの理解すらできてない。ネットでも検索しながら読んだのでとても楽しかったが読むのに時間かかっちゃった。水とか結晶とかあたりの話はほぼ理解できず歯ぎしり。また読みたい。
再読。
前回理解が難しかった9章をじっくりがんばって読んだらなんとなくわかった…と思う。そしておもしろかった!
やはりこの本は好きだ。
追記。
中島先生の「オールカラー図解 日本列島の未来」も一緒に読むと、文字だけで理解しにくい部分が補完されて、よい。
Posted by ブクログ
プレートテクトニクスについては、ブルーバックスなどの入門書を何冊か読んできたが、本書は出色の出来だと思う。本書から読み始めるのはちょっと大変かもしれないが、基本的な部分もさらっと触れていて、それでいて、著者の専門である地震については、スラブ内地震のような他の入門書ではあまり触れられていないものについて詳しく解説されていたり、日本特有のプレート構造について分かりやすい説明があったりしていて、大変面白い。日本列島における火山についても、他書にない切り口から詳しい説明がされている。
Posted by ブクログ
日本列島の下にあるプレートを中心に、プレートが動くことによって起きる現象を説明した本です。「日本列島」とタイトルにあるけど、実質的にはプレートの沈み込みについての解説ですね。とはいえ、日本列島の近くにしかない3つの海溝がぶつかるポイントなど、日本列島を見るだけでプレートの沈み込みはほぼ説明できる、というのがポイントです。
地上の、火山や断層の多い場所、少ない場所にも、プレートが関わってるというのはなんとなくイメージしてましたが、この本の解説は判りやすかったです。
日本列島の成り立ちがわかる
先日NHKの放送で日本海の成り立ちが紹介されたので,もっと詳細が知りたいと思い購入しました。
専門用語が多く,一般人には少し読みずらいかもしれませんが,役に立つ本だと思います。
地形や化石,断層などの説明があればさらに良かったと思います。
それらについては別の本を探します。
専門的な話が多いがおもしろい
専門的な内容が多く、読み解くのが難しい話もあったが、日本列島で起きているプレートやマントルの動きなどここまで詳しく書いた本は今まで読んだことがなかった。
なぜそこに火山があるのか、逆にこの地域に火山がないのはなぜか。
また、日本が避けて通れない地震の発生する仕組みについても、初めて知ることばかりで興味深く読めた。
人間の一生よりも遥かに長い悠久のスケールで動いている大地の営みにはロマンを抱くとともにその強大な力に恐怖も感じる。
Posted by ブクログ
地震学を専門とする筆者による包括的な解説書。
プレートテクトニクス、列島近傍の複雑なプレート構造、火山とマグマ溜り、地震発生機構など、かなり詳細、体系的に解説されている。
最新の知見も含まれているのか、詳細はかなりの部分が仮説となっていて断定的な書き方はされていない。
本書の肝の1つである水の関与も、合理的説得力はあるものの仮説にとどまっており、全貌の解明には課題が多そうだ。
地震発生機構も同様に未確定の仮説であり、それに基づく数値の推定も十年単位のぶれは普通にあるので、数年幅の予測など現実的ではないように思われる。
本書発行依頼やや時間がたっているので、状況に変化あるのかもしれないが。