あらすじ
中二の九月に、マレーシアからの帰国子女になった沙弥は、日本の中学に順応しようと四苦八苦。ある日、沙弥は延滞本の督促をしてまわる三年の「督促女王」に呼び出されて「今からギンコウついてきて」と言われ、まさか銀行強盗?と沙弥は驚くがそれは短歌の吟行のことだった。短歌など詠んだことのない沙弥は戸惑う。しかし、でたらめにマレーシア語を織り交ぜた短歌を詠んでみると……。2017年講談社児童文学新人賞受賞作!
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Posted by ブクログ
中二の九月、マレーシアから帰国した花岡沙弥は、三年生の風変わりな先輩に目をつけられる。督促女王と呼ばれるその人は、沙弥を「ギンコウ」に連れ出した。
ほのかな恋心、友達、人間関係に悩む沙弥の前に現れた先輩は、沙弥を歌詠み、言葉の世界へと誘う。
2017年講談社児童文学新人賞受賞作
2019年度中学入試最多出題作
中学入試最多出題で話題になっていて手に取りました。
題名の意味がわからないながらも、可愛い響きだなと思っていました。意味が分かった時は、おお!そういうことかとすっきりしました。
沙弥の作る歌にマレーシア語が混じっているところがとても良かったです。
恋が成就しなかったところは切ないなと思いました。
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おもしろかった。
マレーシアの帰国子女の主人公が、周りと仲良くしようとして、ちょっと無理したりしながら、がんばる話。
帰国子女じゃなくても、突然知らないところに行かなければならないのは、つらい。そういうのは苦手だから、主人公の気持ちはよくわかる。文化の違いは、国だけじゃなくて、友だちとか学校にもあると思う。
でも、強引な先輩と短歌のおかげで、主人公が変わっていけて、よかった。
それから、マレーシアのことばや習慣が出てくるのも、いい。短歌にはなじみがないけど、マレーシアのことばの入った短歌がおもしろくて、短歌そのものにも興味が出た。
こまつあやこさんのお話は、毎日小学生新聞の連載をきっかけに読み始めた。どれもすごくいいから、みんなにおすすめ。(中2)
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タイトルの意味がわかった瞬間、魔法がかかっていました。
2年半のマレーシア滞在から帰ってきた沙弥は、「帰国子女」としてクラスで浮くことを恐れていた。
みんなと違うこと。中学生にとっての大問題を真っ直ぐに楽しく描く。
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主人公は中学2年の女の子。
父親の仕事の関係で二年半シンガポールで暮らし、二学期になって日本のもといた町に帰ってきた。
帰国子女として浮かないように、周りになじもうとしながら過ごしていたある日、図書室の本を延滞してしまいお知らせを渡される。
渡しに来たのは『督促女王』と有名な先輩。
お知らせの紙には、図書室にくるように、と手書きのメモが。
その日から、2冊目のタンカード(短歌を書くカード)を使った2人のギンコウが始まる。
シンガポールの言葉でリマは5、トゥジュは7。
5・7・5・7・7の短歌と、先輩とのギンコウ、1冊目のタンカード、2学期から給食を食べなくなった片思いの男の子、クラスで浮きたくない自分。
集団で過ごす中での悩みや恋、短歌を詠む楽しさ、先輩との関係、家庭のことなど、いろいろなテーマが重なり合って全てがきちんとまとまった、読後前向きな気持ちになれる本。
中学入試出題率No.1
今年の中学入試でダントツ一位の出題率だった作品。講談社児童文学新人賞受賞作品。中学入試問題に使うにしては、ちと軽すぎやしないかと思えるぐらい読みやすく、コミカルな文体。ただ、内容とテーマはとてもいい。少女たちが紡ぐ短歌はまるで俵万智さんのような短歌。日常的な何気ない素材とリズミカルな言葉を巧みに用いた秀作ばかりで、読み手の想像力を大いに掻き立てる。その想像力が思わぬ誤解を招いてしまうことになるのだが…。人種や宗教、年齢、職業にとらわれず、自分らしく生きることの大切さを教えてくれる心温まる作品。
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2018年度の中学入試の国語で多く出題された物語のうち、某塾の先生が最もおすすめする本として挙げていた本。
中学生が主人公のお話なので、おっさんが読んでも爽やかだったーって感じなんですが、こどもにも読ませたいですね。
父親の仕事の都合で一年半マレーシア生活し、中2の9月という中途半端な時期に帰国子女となった主人公さや。中学生という目立ったら負けみたいな時期に、自分と周りの違いを気にしすぎて悩む姿、周りとの関係から徐々に変わっていく姿、本書のベースになっている短歌をまじえて面白かったと思います。
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マレーシアからの帰国子女のサヤが、図書委員の先輩に半ば強引に誘われて短歌の世界へ…
私はこんな爽やかな中学生ではなかったけれど、というか、なかったから?主人公が少し羨ましくなった。
帰国子女や国際結婚、異なる宗教などは私がリアル中学生だった30年前には書かれなかった世界だと思う。
とてもすっきりする読後感ですごく好みだった。中学生の頃の自分の感想を聞いてみたいな。
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タイトルはマレーシア語で57577。つまり短歌。周りから督促女王と呼ばれている図書委員の先輩と知り合い、ともに吟行する物語。爽やかな読後感で青少年におすすめできる小説。最近、青少年小説には短歌もの多い気がするな。
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マレーシアからの帰国子女が短歌に挑戦する話。
中学生だった頃「周りに合わせなきゃ」なんて1ミクロンも考えたことのない人間なので、「今時の中学生は大変なんだなあ」と思ったけど、たぶん昔からあったんだろうなー。こういう「打たれる杭になりたくない感」。あの、制服を着ただけで生じる意識の変化や閉塞感はなんなんだろうね?中学時代は黒歴史だわ〜。
という自分語りは置いておいて。
マレーシアという国のおおらかさ、短歌というものの自由さ、中学生の視野が狭いが上の鮮やかな発見、発想の転換など、清々しい作品でした。
個人的には福木はる『ピーチとチョコレート』に近い雰囲気を感じたなあ。青春。
中学生の一人称なので、文体が少しライトすぎる気がしだけど、すぐに慣れます。大丈夫。
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2年半のマレーシア生活から戻ってきた中学2年生の女子の日常。日本の学校に馴染めるのかドキドキ。ちょこちょこ出てくるマレーシア語の響きも面白い。
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爽やかで甘酸っぱくて切なくて。周りに合わせなきゃいけないプレッシャーのなかでもがくサヤと、学校以外に世界を持つ佐藤先輩の吟行の行方。意外に響きが可愛いマレーシア語を織り交ぜた短歌の世界。自分は自分のままでいいんだよ、とメッセージをくれる児童書。読後感も爽やかでかなり久々の読書のいいリハビリになりました。
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タイトルがマレーシア語の5,7,5,7、7ということにまず驚いた。帰国子女の子がなじめないかもしれない、と心配する気持ちはよくわかる。それによってとってしまう残念な行動も良くわかる。ただ、そんな子の気持ちを、芯をもった高学年の女の子が吟行をするという形で引っ張っていく結果、良い方向に変わっていくというのがさわやかでよい。
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小学高学年、中学生におすすめ。
人は見かけじゃない、いろんな事に興味を持って、など長くもくどくもない読みやすい文章で、さらりと読める。
この作者さんいいな。
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特に期待せずに読んでみたのだが、なかなか面白かった。講談社児童文学新人賞を受賞だけに中学生、小学生高学年あたりがおすすめか。
短歌とマレーシアやイスラム教との絡み方が非常におもしろい。多様性が大きく叫ばれている今の時代ならではの小説だと思った。
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みんなと同じじゃないと...と思い込んでいる子どもたちに読んでもらいたい。
短歌の魅力が伝わってくる。
マレー語?の響きがおもしろい。
恋心を絡めているところも中学生には身近に感じるだろう。
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題名からはどんな物語なのか想像できずでしたが、私は「リマ・トゥジュ」の言葉の意味をずっと覚えているかと思います。
女の子たちが日常で作る短歌には、微妙なお年頃の心情がギュッと詰め込まれていたので、ストーリー自体もすべての短歌も読んでいて面白いです。
短歌にはちょっとした謎解き要素も隠れていて主人公とともに少し探偵気分に。
難しい言葉や言い回しもなく、恋バナもありなので、読書が苦手な子にも楽しめるかと思います。
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異文化と年頃にありがちな面倒くささと。制約あるがゆえの自由さをもった短歌がいろいろな壁を乗り越える。言葉にすべて変えられない年齢ゆえのもやもや感の尊さよ。
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マレーシア語を混ぜて詠まれる
短歌がものすごくよかった。
テストにたくさん使われた文章だそうです。
小中学生におすすめしたい、
さわやかなお話でした。
もっともっと、日本でもいろんな文化と生き方に
寛容になっていけるといいよね。
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子どものために購入も、面白くて先に読んでしまいました。
日常生活のなにげない場面も、改めて俳句にしてみると新しい発見が色々あるんだろうな。文章も難しくなく、読みやすかった。
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マレーシアから帰ってきて日本の地元の中学に編入したばかりの沙弥。クラスになじもうと必死の彼女だが、一年上のせんぱいにむりやり「ぎんこう」にひっぱりだされて、いつしかいっしょに短歌を詠むようになる。タイトルは、マレーシア語で五七五七七のこと。もうそれだけで勝利、という感じの楽しいひびき。
ちょっとできすぎのところもあるけど、さわやかななかにも自分とちがうものを受け入れるということ(国籍とか文化以前に、短歌を詠むということだって、中学では浮くよね)がさらりと描かれていて気持ちのいいお話でした。
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マレーシアから帰ってくる中学生の感覚がわかりやすい。先輩も、同級生も。この時期のきつさはもっと狭量かもとは思うけれど。短歌の感情表出がそれっぽいのがすごい。
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タイトルはマレーシアの言葉で「五七五七七」。話の軸は短歌。
読後感が爽やかな作品。話題が次々展開していくので、一気に読みました。イマドキ中学生の誰もが持つ悩みをよく描いているし、かといって閉塞感のある苦しい空気感ではなく、いろんな人間関係もよく考えられていて、不自然感がない。
短歌、図書室、異文化、自分らしさ、そして、恋。たくさんのキーワードがケンカすることなく、うまく繋がって、流れるように読みきりました。
登場人物の個性がわかりやすく、小さなドキドキも散りばめられていて、本当に面白かった!
短歌、やってみたいなーと思っちゃいました。
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読後に「再構築」という言葉が思い浮かびました。
一度離れたものを結び直したり、今あるものを入れ替えてみたり、誤解をといて謝ったり。
腕時計のベルトは変えず電池を入れ直すように進んでいく若者達が皆可愛くて眩しいです。大人も日々進んでいることも優しくて描かれています。悪者が居なさ過ぎですが。
小説内では短歌を交え、言葉の思い違いや環境の変化、親や配偶者の都合で変わる生活や宗教、帰国等の不安をポジティブに変えていこうとする人々が描かれています。
小学校前に母親を亡くした藤枝くん、閉店&転職、退学&転校、再婚、改宗、海外生活、異文化、誤解、失恋...
人生にそれらと、それらに関連する苦労が無いなら平穏かもしれない、けれどそれらを経験し乗り越えて再構築していく経験もまた、かけがえの無いものである、というメッセージを明るくリズミカルに伝えてくれるお話でした。
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2025年、1ヶ月に1冊、子供向けの本を読もうと決めて、さっそく1月分はこちら。
タイトルはマレーシア語で「五七五七七」。帰国子女の少女が先輩に誘われ短歌を詠む「吟行」へ踏み出していく。心の動きが素直で細やか。短い章立てで、エピソードの度に心が解放されていく主人公。バイリンガル短歌も愉しいね。
ただ宗教のくだりはちょっと疑問。家族全員が同じじゃなきゃダメ?
ちなみに中学受験でよく使われた本だそうで、ほんとにこれ子供は喜ぶのかな?ネットのレビューは大人の感想ばかりで困ってしまう。それでも「うちの子は熱心に読んでました」というのは幾つか見かけたので、ちゃんと人気はありそう。
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詳しくは言いませんが、一部分だけ読んでみて全体を読んでみたくなって読みました。この題名も、読む前はなぜか気になりましたが、読んでみて納得です。短歌が
文中に出てくるんですが、読んだ後に思わず口ずさんでしまうようなものばかりで、印象に残りました。おすすめです。
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帰国子女の中学生のサヤ。周囲から浮かないように遠慮がちに過ごしていたが、「督促の女王」先輩から突然吟行に連れ出されてしまう。得意なマレーシア語を使い今の気持ちを短歌にして押し出したら気持ちが良く、どんどん先輩と吟行に引き込まれていく。そして、サヤはお母さんや先輩の昔の吟行パートナーを気になってくる。そんな中、サヤの思い人がイスラム教徒になっていたり、先輩の昔の吟行パートナーだったことを知り、落ち込むサヤ。しかし、先輩の肩を押してあげた。この話をまとめると、吟行を通じて少女達の友情、心理が描かれている。