あらすじ
なぜだか地面が10倍になった広大なこの世界では、ヒコーキが足代わり!毎日が冒険だったイサキですが、なんだかギモンを感じてきました。日常なのに、なんだか自分だけ違和感を感じているような……。世界のフシギが目を覚ます、完結巻の登場です!
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ぐぉ?
こ、この断ち切られ感…
『この』世界の人達は、誰かが、何かを
知ってるのか…遠くへ、遠くへ…行きたいと
思う者が、特殊なのか…
イサキ君に幸多からん事を。
Posted by ブクログ
多くのファンが「えっ?」と思ったろう。この終わり方はなんなのだろうと。両論当たり前である。この世界の説明を待っていた人には、消化不良という評が与えられるのだと思う。
けれど実際は、回答どころか、おそらくは解釈さえ、はじめから必要とされていなかったのだろう。
音が鳴って、それを合図に落ちていって、言葉はあるけれどそれは祝詞のようで、よく意味の分からないまま、発せられる声だけが染み込んで、それに従い、またの合図で、覚醒する。まるで催眠の流れのような、件のシーン。あとに残るのは、拡張され鋭敏となった感覚だけ。そして、それだけが重要なのだ。それ以外のものは重要ではないのだ。きっと人は、そういった感覚の中で何かを感じ取る。伝えるのは至難であり、伝わるかも分からない、こそばゆい何かを。
「音やにおいで出来ている」と、ココネが認識したように。子海石先生が「どこらへんまで見ていけるのだろう」と問うたように。それは言語を絶して、イサキの中にしかないものだ。
イサキのバッグの中の瓶と、ヒコーキ似たオートバイの感覚。それが、この作品だったのだろう。どんなに長く続いても、それはきっと変わらなかっただろうと思う。