あらすじ
☆☆【2020年秋】NHK総合よるドラにて、TVドラマ化!☆☆
謎を解けば、あなたは生き返る
――どこからでも読める珠玉のミステリシリーズ!
☆☆☆
「僕を殺したのは、たった一人の友だちなのか?」
天涯孤独の土田は大学受験を前に、友人の夏目の家で焼死した。夏目は酷薄で人を殺してもおかしくない人間だ。僕には生きる目的もないし死んでやってもいい。
でも、僕を殺した理由はなんだ?
死亡した土田の前に現れたのは、閻魔大王の娘・沙羅だった。
今回の謎はワイダニット(なぜ殺したか)。もう一度友人と話すため、霊界の推理ゲーム開廷!
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亡くなって閻魔大王の娘沙羅に会い、自分が殺された理由を推理する。殺された側、殺した側それぞれに理由がある。身勝手な理由に見えても犯人側にすれば切実なことも。顔の美醜で損得が決まるのも確かだけどまずは自分が自分を大切にしないと。罪の無い子供にまで親の事情や罪を背負わせて、それで妻を救っても妻は嬉しいのか?生まれながらの犯罪者てこんな感じ?各章の主人公に最後に沙羅がかける言葉が深い。
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気分転換に集中してのめり込める本を読みたくて読み始めました。読み始めると先が気になって目が走って夢中で読んでしまいました。
閻魔堂沙羅ちゃんシリーズの第三弾。
私も主人公と同じだけのヒントをもらえているのに、全然推理が導き出せず、毎回オチに驚きます。そして、なるほどーと納得します。
あと、今回も沙羅ちゃんの言葉が自分にも刺さります。一度きりの人生、大事にしないとなという気持ちにさせられます。
人の気持ちに歩み寄らないといけない、それが当然だ。と、そういう風に考えていたのですが、その思いは大切だけど、歩み寄らない人もいる。確かにその通りだと思いました。あるべき姿は歩み寄ることが正解かもしない。でも、それで自分が傷だらけになるなら確かに意味がないことなのかもしれません。この歳になってもまだまだ考えさせられることが多いですね。
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全部で3篇併録されている。
前作と同じく、本作も中編小説の内容となっている。
1篇は犯人が事前に分かっている状態で、なぜ犯行を行ったのか・・動機を推理する展開となっている。
推理小説を網羅している玄人には、軽すぎる作品かもしれないが、それを補うだけの世界構成をしているかなと感じる。
満点の一作です。
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ミステリの形式を取りながらもいろいろな問題に触れている。第一話。外見で不利な女の子の話。ひょんなことから自分の思っていたのとは違う人生になってしまうというのは案外あるのかも。第二話。時事問題も絡めつつ社会派? 二人で教え合うのは、ルール的にありなのかと疑問に思ったけれど、沙羅が教えているわけではないので、自分で推理していくのと同じ範疇なのかと納得した。第三話。心の闇の問題。沙羅というキャラがちょっとワンパターン化している気がしなくもないけど、これはこれで「お決まりの流れ」という意味ではアリなのかもしれない。「キレ顔」も出てきたし、ってそんな姿は見たくなかったけど、ってみたわけじゃないけど。
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早くも登場、シリーズ第3作。歴代のメフィスト賞受賞者の中でも、デビュー以降これほどハイペースで刊行している作家はいなのでは。続編を出しやすい一話完結のフォーマットとはいえ、多様な人間模様を描き出すのは簡単ではない。
今回の面々は、それぞれ背景も生い立ちもバラバラ。共通しているのは、恵まれた境遇とは言えないことくらいか。「普通」ということのありがたみを感じさせる事例だろうか。特に第1話は、とてもコメントにしくい。
1人目、30歳の契約社員、女性。彼女の望みは、普通の人生。しかし、なかなか正社員には登用されない。原因はわかっている。そのために母をなじったりもした…。真相が薄々予想できるのが悲しい。せっかく生き返った後に、追い討ちをかけるのかよと思ったら、何だその展開。これが転機になるのなら、まあいいか。
2人目と3人目、78歳と11歳。2人同時に沙羅が迎える初めてのパターン。詳しくは触れないが、老人と少年の関係は複雑だ。しかし、少年に何の罪もあるまい。事情が事情とはいえ、許しがたい。何だかんだで、じいちゃんを慕っている少年。彼ならたくましく生き、そして大志を成し遂げるだろう。現代社会を問う1編だっ!
4人目。19歳の浪人生。彼の生い立ちを思えば、幼少時から人付き合いを避け、友人1人いないのも無理はない。そんな彼が、小学生時代の数少ない知り合いと再会した。彼は、小学校でのある事件が、ずっと引っかかっていたのだが…。
犯人は分かり切っているという異例のパターン。問題は、ホワイ、動機なのだ。聞いてみれば、そういうネタかと納得するが、それでも君は話がしたいのか。もう十分だろう。彼が持って生まれた人間性が、いずれ運命を切り開いてくれる。
自分はとりあえず普通の人生を送っていると思うが、どこに落とし穴があるのかわからない。徳ばかり積んできたわけではない人生だけに、どういう判定をされるのか…なんてことは思わないが、日常には感謝をしたいものである。
固定フォーマットながら、沙羅と対峙する人間たちの生き様はそれぞれであり、飽きさせないのがこのシリーズの強み。第3作にして、構成面のひねりや工夫も見られる。木元哉多という作家は、もう新人ではないな。
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閻魔堂沙羅シリーズ第三弾。今回はホワイダニットに特化した短編集になっていて相変わらず沙羅のキャラと台詞回しが魅力的だったし、「10分で自分が死んだ真相を解く。」という構成が面白かった。
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シリーズ三作目。
殺された被害者が、誰に殺されたかを推理し、正解だったら生き返れる、というパターンは第一作から崩れていないが、少しづつアレンジが加えられているのが面白い。今回は被害者が二人だったり、誰に殺されたかより何故殺されたかを推理する話があったりと、飽きさせない工夫がみられた。
作者の文章のリズムに慣れてきたせいもあって、軽快に読めたのも良かった。このシリーズを続けるのもいいが、長編も読んでみたい。
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毎回面白いシリーズ。今回は熱く語る場面が多かった印象。沙羅ちゃんは相変わらずクール。犯人や動機が察せられるケースもあるものの、それがわかったうえでもがっかりさせられることがないのが良い!
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二話目の政治的な考えの部分は流し読みしてしまったけれど、面白かった。3話目が一番好き。
ものすごいペースで刊行して年内もう一冊出るとかすごいなぁ…。次も楽しみ。
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2018年97冊目。すでに安定した面白さ。パターンが固定されて、ペースもそれなりに早いのにこのクオリティーを保てるのは素直に凄い。ストーリーは申し分ないだけに謎の精度が上がってくればもっともっと面白くなっていく筈。
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3巻目。このスタイルもだいぶ安定してきた感があります。そんな中で死者が2人だったり、犯人は明確で動機を推理する形だったり、変化球を模索してる感じですね。
いい感じなのでまだまだ続いて欲しいな。
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閻魔堂沙羅の推理奇譚第三弾。 今回のテーマはワイダニット! 何をしても容姿で損をする天性のブス、余命一年のおじいさんとその孫、天涯孤独で死のうと思ってる浪人生、殺される覚えも由縁もなさそうな方々、何故殺された?
良かった良かった特に表題作。 犯人確定済の純ワイダニット。 こういう終わり方の作品も偶には必要だよね、私も昔は自分を特別な存在と思いたかったものよ。
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短編が3つ。
一話目は、ブサイクな女性が全てを顔のせいにして何もかも諦めている話。ストーリーとしては重めだが、主人公が前向きになっていく様子は気持ちよかった。言い訳ばかりすることに対して、考えさせられた。
二話目は、小学生がメインの主役になる話。こんな素直で優秀な人間になりたかったと思ってしまった。
三話目は、恵まれない生活をしていた浪人生の話。
環境には恵まれなかったが、ひねくれることなく育っていることが良かった。
「いろいろチャレンジしてみてください。たとえ、失敗しても、その経験によって自分の思わぬ一面に気づけたり、引き出しが増えたりする。
成功率が1パーセントしかないなら、百回やればいい。」
沙羅の話は、難しい言葉を多用しているせいもあるだろうが、登場人物の人生を綺麗にまとめて、良かった部分を上手く見つけているため、読んでいて気持ちがいい。