あらすじ
「おれは運命の相手というものを信じている。今はまだ、めぐりあってないけれど……」「わたしは愛情というものを信じていない。くだらない、と思っている」他人との関わりを避けているホラー映画好きの少女、森せつなと、愛情あふれる家庭で優しく育った少年、古賀龍樹。正反対の2人の恋の行方は――?
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Posted by ブクログ
恋はしないと他人との関わりを避けている森せつな と 仲良い両親から愛情いっぱいに育てられた古賀龍樹。高校生男女の青春恋愛小説。
森さん視点と古賀くん視点 交互に物語が進んでいく構成。読みやすかったので あっという間に読んでしまった。大きな出来事はないけれど、比較的穏やかに進む物語(森家はいつも穏やかではないけれど)で読後感も◎
古賀くんの真っ直ぐで憎めないキャラクター。森さんの安らげる場所が保健室からいつの間にか古賀くんになっていて、その特別な存在のおかげで森さんは強く前向きになれた。そんな二人を応援したくなる話だった。
Posted by ブクログ
出た、せつなパパの「誰のおかげで飯が食えるとおもってるんだ」発言。それ、辰巳渚『父の作法』にもあったNG発言ですから。序盤でせつなを映画に誘う龍樹だけど、その年のころ、気になっている女の子を映画に誘うなんて発想はできなかったな、自分。せつなの、電話番号が書かれた紙を持っているだけでつながりを感じて満足するってのいいな。初々しくて。「お洒落をするのは媚びているような感じがするので無難な格好をする」というせつなの感じ方は、次巻のあおいとの考え方との大きな相違点。
Posted by ブクログ
幸せな家庭に育った男の子が、クラスでひとり浮いた感じの女の子に一目ぼれしてぐいぐいと迫っていくが、女の子もなんだかそれがうれしくなっちゃって、という一直線なストーリー。この作品だけを読む分だと、この二人がだんだんくっついていきつつ、女の子のほうは、自分自身の家庭の悩みとかはきっとわかってもらえないんだろうなあと葛藤するという、ほとんどそれだけ。
すごく単純なんだけど、ディテールが丁寧に描かれていて説得力があり、とても楽しく読めた。
もっとも、それだけじゃないんだよということは少し匂わせてあって、そちらは「僕の嘘」のほうで描かれる。