あらすじ
夢を行き交い「心の傷」を美味しい食事にかえて癒やしてくれる不思議な料理人・平峰花。リストラを宣告されたサラリーマンがうなされる「月」に追いかけられる夢も、家族を失った孤独な女性が毎夜見る吹雪の中で立ち尽くす悪夢も、花の手によって月のチーズやキノコのステーキにみるみるかわっていく。消えない過去は食べて「消化」することで救われる。心温まる連作短編集。
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Posted by ブクログ
矢崎存美さんの本は、心が疲れた時でもすんなり読めるので、日常に溺れそうになると書店で探してしまう。
繕い屋というタイトルだけれど、平峰花のお仕事(?)は針と糸を使用する繕い物ではなく、心の傷を美味しく料理して傷を持つ本人に食べさせること。
この本におけるドラえもんのような存在である平峰花は、飄々としているけれどカウンセラーのような雰囲気で、彼女に出会った人は不思議なことを「まあいいか」と深追いせずに会話しているうちに、心の中の蟠りが解きほぐされたり、我が身を振り返るきっかけができたりして、美味しく悪夢をいただいた後に日常へ戻っていく。
めでたし、めでたし。
――という単調な話ばかりでないことは5つめの短編を読むとよくわかる。
魔法使いの存在する現代のおとぎ話のようでいて、心に傷を抱えた人たちがそれぞれに自分の足で立ち上がろうとする物語だった。
近頃よく見るふんわりした短編集を期待していると、ふんわりパートで平峰花の抱えているものが少し気になって、最後の話でそれが明らかになるのかと思えばほとんど語られず半端なところで途切れてしまう。どっち付かずで物足りない感はある。けど次巻が出たら読んでみたいと思う。
Posted by ブクログ
他人の悪夢の中に入り、心の傷を繕う繕い屋
悪夢の原因にはそれぞれの事情がある。
人の不幸は蜜の味というエグいひと言もありながら、美味しそうに調理されたたべものをたべ、消化する描写にメッセージ性も感じられました。
中でも、『逃げる』ことを『選択』として捉えるという言葉が印象的だった。
Posted by ブクログ
悪夢の素を料理して、食べちゃうというのが面白い発想だなぁと思いました!
こんな風に消化しちゃえたら、いいのになぁ…
アニメとか漫画になったら、もっと面白そうだなぁと思いました。
Posted by ブクログ
『ぶたぶた』を読んだ後で期待感もあったからかな。。 ちょっと物足りなさ感が残りました。
最終話で花目線の物語が来て少し物語に触ったかなって終わり方だったからかもですが。
続編があるなら期待♪
物語としては良い内容だと思うので、もっと掘り下げて引き込まれるともっとおもしろくなるのかも。