あらすじ
敗戦直後、戦争への道を自らの手で検証しようとした国家プロジェクトの全貌。1945年11月、幣原喜重郎内閣が立ち上げた戦争調査会。多数の戦犯逮捕、公文書焼却など困難をきわめるなかおこなわれた40回超の会議、インタビュー、そして資料収集。日本人自らの手で開戦、敗戦の原因を明らかにしようとしたものの、GHQによって1年弱で廃止された未完のプロジェクトが明かす「昭和の戦争」の実像。
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Posted by ブクログ
戦後直後の日本、敗北の原因を探ろうとした人々とその挫折を丁寧に追っていった本。
戦争開始に至る原因を探る当時の人々の考察を追う。
結論としては大日本帝国憲法の運用に齟齬が生じたのが原因だと結論づけている。
そこだけは気に入らない。
大日本帝国憲法の手本となったプロイセン憲法と帷幄上奏権の関係を無視している。プロイセンにおいては帷幄上奏権は軍事関係について皇帝に上奏することができると限定されていた。しかしながら大日本帝国憲法は帷幄上奏権は軍が政治全般に介入する余地を作った、いわば劣化コピーであることは言及されていない。
第二次世界大戦に日本が突入し、敗北する原因はやはり明治維新まで遡るべきだというのがレビュアーの意見である。