【感想・ネタバレ】回転木馬のデッド・ヒートのレビュー

あらすじ

「それはメリー・ゴーラウンドによく似ている。それは定まった 場所を定まった速度で巡回しているだけのことなのだ。どこにも行かないし、降りることも乗りかえることもできない。誰をも抜かないし、誰にも抜かれない」人生という回転木馬の上で、人は仮想の敵に向けて熾烈なデッド・ヒートをくりひろげる。事実と小説とのあわいを絶妙にすくいとった、村上春樹の8つのスケッチ。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

すごいサクサク読める。
そして裏切らない。

よく、登場人物の伝聞がストーリーになっている気がするけれど、
ほんとうに、自分もその人の話を一緒に聞いているようで、
その親近感か何かがとても落ち着く、というか、
普段のテンションで、読める、というか、
ちょっと奇妙な、そんなこともあるんだ、みたいな、
いつのまにか不思議な世界に引き込まれている感じ。
本当に正直に伝えるところが、

やっぱファン・ボルムさんの本にもあったように、
登場人物は、現実の人間だと隠しているようなことも読者に分かるように伝えられることが特徴的だ。
なかなか聞けない話、知れない事実、見れない情景、などなど。

そして村上春樹さんのショートストーリーは、
シーン、セッティングが多岐に振れて、
次はどんな人たちと出会えるんだろう、
と思いながら、
なにかと普遍的な、共通するような、
人間の不思議みたいなものがあるような、
そしてそれがたんたんと、
語られることで、
ああ、こういう体験も、あるのか、
こういうひとも、いるのか、
こういう考えも、持ったりするか、
と、
想像を膨らます。

と分かったようなことを書きながら、
おりのようなもの、って何だろう…

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2025年05月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

小説ではなく、聞いたままの話を文章にうつしかえたものの集まり。(作中ではスケッチと表現)。
確かに、何かの示唆だとかテーマ性を持っているだとかいうお話達ではない、だけど面白い。

ただ、下記の文章は刺さりました。
『自己表現が精神の解放に寄与するという考えは迷信であり、好意的に言うとしても神話である。少なくとも文章による自己表現は誰の精神をも解放しない』
『自己表現は精神を細分化するだけであり、それはどこにも到達しない。もし何かに到達したような気分になったとすれば、それは錯覚である。人は書かずにいられないから書くのだ。』

お気に入りは、
ある女性の母が、ドイツで半ズボン(レーダーホーゼン)を買う際に離婚を決意するに至った『レーダーホーゼン』
画廊の女性オーナーが、かつて一番衝撃を受けた絵について話す『タクシーに乗った男』

『今は亡き王女のための』も淡いエッチな感じと喪失感が程よい。

ラストの『ハンティング•ナイフ』が一番わからなかった…

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2024年06月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読んでいるうちに忘れてしまって、レビューを見て思い出した。
この話全部本当の話なの?
これほど不思議で奇妙な話を持っている人がいることにも驚くが、やはりそれを文章化して引き込ませる村上春樹がすごい。どの話もオチらしいオチはないし、びっくり!と言いたくなるような話もない。
だけど、現実の話だからしっかり現実味があって、でもどこか現実離れしている。特に「嘔吐1979」なんかそうだ。まず題名から気に入った。これを読むにあたって、主人公がなぜ嘔吐し続けたのか。電話の主は一体誰だったのか。を考えることは意味がない気がして、読んでいる時は考えなかった。

野球場が1番好きな話だ。人間の汚さと言うか自己中心的な部分が現れてて読んでいて楽しかった。映画化すると面白そう。全体的にどの話も流れがゆっくりで季節もわからなくて現実味がなかった。何度も言うが、これが現実に起こったとは考えられない。

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2023年04月18日

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