あらすじ
対男用のモテ服好みなOL早希と、豪華な衣裳部屋をもつ人気タレントのだりあは、幼稚園以来の幼なじみ。危うい秘密を抱えてマスコミに狙われるだりあを、早希は守れるのか? わちゃわちゃ掻き回されっ放しの、ままならなくも愛しい日々を描く恋と人生の物語。表題作他「いなか、の、すとーかー」収録。【解説入り】
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
いなか、の、すとーかー
初めは女→男への執着ストーカーのホラー話かと思い、身構えて読んでいたが、途中からいい意味で話の路線が変化していった。果穂の歪んだ愛情も恐ろしかったが、やはり砂原の精神をじりじりと壊させられる、ストーカーらしい嫌がらせが1番堪えるなと思った。果穂は最後、もう主人公の前に姿を現さなくなったとあるが、いつまでも主人公の周りを彷徨く砂原がとても気持ち悪く思えた。
ウォーク・イン・クローゼット
早希の性格がとても好きだった。良くも悪くも自分を客観視して、踏みとどまるところではきちんと踏みとどまる。今まで読んできた小説で考えると、早希は流れで隆史と一夜を共に過ごし大後悔…の流れになる。だが、一歩手前で隆史の思惑に気付き、逃げ出したところですごく好きになった。
多分、私は早希の素直さに憧れたから好きになったんだろうなと思った。
この話はところどころ登場人物の言い回しが面白くて笑える部分があった。
Posted by ブクログ
ストーカーの話は終盤どんどん盛り上がっていくのに、オチが尻すぼみな気がした。
ウォークインクローゼットは、20代女性の話。共感できると面白いと思う。
Posted by ブクログ
田舎でストーカーされる陶芸家の男の話と、服が好きな早希と美人のダリアの友情の話。
「いなかのすとーかー」は、ストーカー二人の思考が突拍子もなく、「ザ・ストーカー」って感じだなと思った。
表題の話は、早希がだりあに劣等感を感じるみたいな話かと予想してたけど、意外にシスターフッドの話だった。だりあが妊娠してて、マスコミに追われるのを助けていた。服、恋愛、友情の話だった。
Posted by ブクログ
綿矢りささんの小説3冊目!
読みやすさと話へのワクワク感は期待通りだったけど、『嫌いなら呼ぶなよ』程の感動はなかった。
「いなか、の、すとーかー」は特にそうで、自分が主人公に共感してしまいやすいって言うのが1番あるけど透がなんで責められるのか全くわからなかった。ストーカー2人にものすごい制裁があると思ったのに受け入れる形で終わっててモヤモヤした。身の回りのものを利用しようとするほどの野心があって生きることってそんなに悪いことなのかな。
でも、解説にある通り人間の思考回路の解像度がすごいところはどの作品にも共通してた。
Posted by ブクログ
2015年に世に出た綿矢氏の作品。
中篇「いなか、の、すとーかー」および表題作の「ウォーク・イン・クローゼット」からなります。
なお綿矢氏は17歳でデビュー。2004年で芥川賞受賞。すごいですねー。
・・・
綿矢氏の作品は芥川賞作品の『蹴りたい背中』以来です。
結構リアルタイム気味に読んだ記憶はあるのですが、テイスト・テクスチャ―がどんなだったかはまったく記憶にありません。
で、今回、ほぼ初めてという感覚で読みました。
で、どうだったかというと、すごい。というか、すらすら読める、
ということに驚き。
それでいて、キャラクタのアクやクセ・えぐみはきちんと作品に反映されているのです。
故につるつる読めるのですが、読中読後にじわじわと酔いが回るような感覚です。日本酒かよ。
とりわけ、読み口のさらさら感は、私が普段好んでいる恩田陸氏や湊かなえ氏より一層つるつる(!?)でした。これに驚きました。
・・・
さて、えぐみが強いのはキャラ設定だと述べました。
本作は二つの中篇「いなか、の、すとーかー」と表題作「ウォーク・イン・クローゼット」から構成されます。
強烈だったのは、前者では陶芸家石居の幼馴染果穂。石居にたいして憧れも憎しみも兼ね合わせもち、その二面性が「まだら」に現出する描写が良かった。
後者では、デートのオトコ用にそれに合わせたモテ服をチョイスするOLの早希。
これは疲れるんだろうなあ、と読んでてこちらまでちょっと疲れました。作中で彼女は、好きな男の子と幼馴染の女の子と3人でライブに行くことになりましたが、これが大変。男と行くときだったらこういう服・女友達との外出だったらこういう服、とテイストが異なるため、結果ライブに行く前にかれこれ4, 5時間も服のチョイスに悩むという・・・。化粧の時間なくなるよ!?みたいな。
まあでも、どちらも最後はキレイにまとまり、いい感じにおわりました。
・・・
ということで、ほぼ初めてくらいな綿矢氏の作品でした。
なかなか良かったです。
今後も折に触れて読んでみたいと思います。
Posted by ブクログ
いなか、の、すとーかー
大学の授業で使うので読んだ。最後の主人公の考えにはなるほどと思ったが、共感はできない。私なら敵(ストーカー)を倒したり、追い出したりしたい。途中の描写は怖かったが、読むのをやめられなくなった。最終的な主人公の人生観は良い。
Posted by ブクログ
憧れてた物が手に入ったとして、自分には不相応なことってあるよな。
1つ目は芸能人になった友達が妊娠してパパラッチに追われて狭い部屋に引っ越して、そこもバレて逃げてる途中にホテルのトイレで産まれそうになる話。
無事病院で産まれて、お礼として友達のウォークインクローゼットにあった物をもらう。似合わないけど、いつか着こなしてみせる!という前向きなラスト。
”おれが変わったら、あなたのことを好きになるよ、って言われたのが、引っかかってる。変わること前提で愛してもらうなんて、おかしくないか?”というセリフが心に残った。
2つ目はファンストーカーと幼馴染ストーカーの話。愛情とストーカーは紙一重。
表現者として発信していること、その意図がどうであれ、受け取り方は受け手次第。
露出しといて「お前には見せてない」っていうのと似てるな。実際好意のある相手には見せにいってても、キモいオヤジに見られたら嫌、という身も蓋もない現象。でもそういう服を着ている以上、注目を集めるのは仕方ないし、自分が好きで着ているだけでも、見せるために着ていると思うかどうかは見る側次第で、見る側の意識が変わらないと状況は変わらないんだろうな。
2篇のタイトルがパズルみたいで面白かった。
ウォーク・イン・クローゼット
いなか、の、すとーかー