あらすじ
「みえぬけれども あるんだよ」――数の宇宙にひそんでいる、思いがけない現象におどろく。ごくありふれた日常の情景を感性豊かにとらえた金子みすゞの詩。ごくありふれた顔つきに見える数たちもまた、それぞれに個性的で、ふしぎな性質をもっている。完全数、フェルマー数から、素数定理、相互法則まで。まったく新しいアプローチで数論の魅力を語る入門書。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
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Posted by ブクログ
証明を適宜省き、数論の魅力を伝えることに成功した好著。
当初、金子みすゞの詩と数学との響き合いはいささか無理があるのでは?と思ったが、読み進めるうちに、数学で視野が狭くなる、詩に触れて大きな心になる、を繰り返して、呼吸が整ったスポーツのようだった。
ブルーバックスらしく最後の章「さらに詳しく知りたい人のために」(ここが58頁もある!)と文献案内は本格的で素晴らしい。
Posted by ブクログ
高校レベルの数学を学んだことのある人なら誰でも素数について理解できる素晴らしい一冊。かつ深く学びたい人のことも置き去りにしていない。前半では,金子みすゞの詩とともに簡単な数式と文章で易しく解説し,後半では詳細な計算式や証明,参考文献の紹介をする形式。数学に少しでも関心がある人には一度手に取ってほしいと思う。
数の美しさと詩に現れる美しさには類似しているところがあるというのは意外性があるが,それこそが美しさであるのだと思う。
また,研究者にはこの著者のような力が必要なのではないかと考える。「有識者の間で」優秀な研究者は勿論大切な存在だけれど,その学問を学んだことのない人にも理解してもらえるような単純明快な説明をしたり,人々に自らの研究への興味を持たせたりできるのもこれからの研究者に求められることなのかもしれない。
Posted by ブクログ
※献本レビュー
数学についての前提知識がまったくなくても、数論のふしぎで美しい世界を、金子みすゞの詩を味いながら楽しめる良書。
(第7章は数学慣れしてないと辛いけど、あとがきは読むべし)
本書の数学に関する内容は、数論、特に素数の重要な性質についてのまとめ。素数の基礎知識と周辺定理、中でも重要な「ガウスの素数定理」「ルジャンドルの相互法則」とその意味について、比較的読みやすくまとめられている。
数学の内容はともかく、「数学」と「金子みすゞ」になんの関係があるのか、というのが第一感だろう。
しかし本書を読み進めるとそれが分かる。
生活の中のごくありふれた情景に美しさを見出す「金子みすゞの詩」と、数学の美しさには、感性として通じるものがある。
著者は、数学研究の中で身にしみたこの「美しさ」の正体を読者に伝えたいのだ。
良い数学(特に数論)の理論は、美しさを感じ取る感性がなければ決して生まれない。
この著者だけでなく、数学者の岡潔も、同じ意図で「数学とは情緒である」と語っている。
この本を読んで、数学の美しさにもっと触れたいと感じた方は、ぜひ本書の巻末にある豊富な参考文献にも、手を付けてみると良いと思う。
Posted by ブクログ
金子みすずの詩をモチーフに、数学の不思議さ、美しさを伝えようとする書。作者の意図はよーくわかるが、いかんせん頭がついていかない。exp(iπ)=-1を美しいと感じた若き頃に戻りたい。自然数k(k>=2)に対して、k組素数が存在すれば、1<=x<=Kで素数値をとる2次式x2+x+Aが存在する という定理を聞いて、美しいと思うか? うーん・・・・
メルセンヌ素数 2^n-1、フェルマー素数 2^2^n+1、ソフィ・ジェルマンの素数 Pが素数で2P+1も素数、ディリクリの定理 aとbが互いに素であるときan+bの中に素数は無限に存在する、素因数の法則 x^2+1の素因数は2と4N+1の素数のみ(4n+3は現れない) そして4n+1の素数はすべてx^2+1の素因数である。 素数定理 素数の出現率は 1/logxに近づく 、ルジャンドルの記号 奇素数pがx^2ーaの素因数になるとき(a/p)=1 素因数にならないとき(a/p)=-1 pがaの約数のとき(a/p)=0,
相互法則 p、qが異なる奇素数のとき(p/q)(q/p)=-1^((p-1)/2*(q-1)/2) ,
ライプニッツの公式、1/1-1/3+1/5+1/7+1/9・・・・=π/4、
オイラーの多項式x^2+x+41 はx=0~39まで連続して素数になる。虚二次体 x+y√d d<0、