あらすじ
男はとてもびんぼうでした。働いて働いて、気がつくと大金持ちになっていたのです。ほしいものはなんでも手に入るようになった男がつぶやきました。「ああ、あのときのカレーライスが食べたい。」まずしいときにごちそうになったカレーのことです。男の頭はそのカレーのことでどんどんいっぱいになっていき、家来や家族に無理を言って……気がついたら、またひとりぼっちの、びんぼうな男にもどっていたのです。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
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Posted by ブクログ
思い出のカレーライスを食べるために
お金で解決しようとしたお金持ちの話
貧乏だった彼は
今では町一番のお金持ちとなり
お金で買えるものは全て経験した。
しかし、ふと昔食べたカレーライスを食べたくなり
多額のお金を投じて食べようとした。
だけどどんなに良い食材やシェフを使っても
再現出来たものが無く
ついには人や財産も全て無くしてしまった。
路頭に迷っていた時に足を滑らせ気絶をしてしまう。
目を覚ましたときには誰かの家で保護されていたが
食事で用意してもらえたのがカレーライスだった。
実はそのカレーライスそのものが
その男が追い求めていたカレーだった、という流れ。
たぶん、どのカレーライスも美味しかったはずだったし、男の努力も間違いでは無かったと思う。
だけど、再度貧乏だった自分に戻ることで
食べ物に対する価値が変わったんじゃないかな。
お金で満足した人生は、恩恵を感じにくくなるものだけど
お金が無いからこそ得られる恩恵は、この上なく贅沢に感じることができる。
本質として学んだことは
お金持ちこそが成功じゃないんだよ
お金で買えない「価値があるもの」もあるんだよ
ということでした。