あらすじ
歌人の家に生まれ、和歌のことにしか興味が持てない貴公子・希家は、武士が台頭してきた動乱の世でもお構いなし。詩作のためなら、と物騒な平安京でも怯まず吟行していた夜、花に囲まれた月下の死美女を発見する。そして連続する不可解な事件――。御所での変死、京の都を揺るがす「ぬえ」の呪。怪異譚を探し集める宮仕えの少女・陽羽と出会った希家は、凸凹コンビで幽玄な謎を解く。
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最高やった、最高やった!
凸凹コンビのやり取りも最高だし、こうきたのかという圧巻の展開と、多分多分黒幕は…って思ってた通りの展開だけどあー!!!
もう喉をかきむしりたくなる、早く続き読みたい!!!
変わり者の二人が織り成す滑稽な光と黒幕や被害者達の闇の対比がしゅごい
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動乱の世、平安時代から鎌倉時代になり幾年か経過した平安京で、
歌人の家に生まれ、和歌を詠むしか興味のない貴公子の稀家は、
従者の是方を引き連れ夜の道を歩いていたら、
花に囲まれた月下の死美女を発見してしまう。
その後、宮中で怪異騒動が発生し、怪異譚をあつめる宮仕えの女の童・陽羽
と出合った稀家は、2人で怪異騒動の謎に迫る。
エンタメ小説ではあるが、時代的なこともあってか、
慣れないとスラスラ読めるという文章ではないため、
面白いのに時間がかかってしまったのは言うまでもない。
著者の別作品で、ばけもの好む中将という作品があって、
こっちは、平安時代にばけものを求め現地に赴いてしまう中将が
出てくる作品。
2つの作品は、時代が少しだけ違うとはいえ、類似したところと、
正反対なところがあって、ばけもの好む中将のほうは、怪異に
興味を示し、求めた先で遭遇した出来事を解決へと導いていく。
それに対して、百科一歌の稀家は、和歌を詠む以外興味を示さないが、
出来事に遭遇してしまい、解決のために巻き込まれていく。
平安・鎌倉時代の平安京での動乱とは一線を画す、
ミステリーを含む怪異譚のエンタメ小説を読みたい人には、
楽しめる作品と言えるでしょう。
ついでに、ガッツリ怪異が出てくる平安時代を舞台とした、
暗夜鬼譚という作品も著者は書いている。
ちなみに、暗夜鬼譚は積読して読んではいません(笑)。
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歌人の家に産まれ、和歌の事にしか興味を持てない貴公子・希家は、詩作のため吟行していた夜、花に囲まれた月下の死美女を発見する。
そして、連続する不可解な事件……。
御所での変死、鵺の呪い。怪異譚を集める少女・陽羽と出会った希家は、凸凹コンビで謎を解いていく。
平安京が舞台のバディもの連作時代ミステリです。
花に囲まれ死んでいた月下の美女や、鵺の呪い、宮中でのいざこざなど、起こる事件は血生臭くも幽玄かつ幻想的で美しい。
内容紹介だと浮世離れした雰囲気に見える希家は、現代でいうちょいオタク気質のブラコンかつ巻き込まれ苦労人に見えますし、陽羽もミステリアス美少女に見せかけて元気っ子でかわいいです。
また、内容紹介では凸凹コンビで謎を解く、とありますが、実際この2人で謎を解いている感じはあまりしないです。自白や第三者の解説がメインな感じ。事件自体は一応解決しているので良いのですが。
残った謎も多めですが、ラストの惹きがすごくて、これは続きがきになります。
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歌人の家に生まれ、和歌のことにしか興味が持てない貴公子・希家は、武士が台頭してきた動乱の世でもお構いなし。詩作のためなら、と物騒な平安京でも怯まず吟行していた夜、花に囲まれた月下の死美女を発見する。そして連続する不可解な事件ー。御所での変死、都を揺るがすぬえの呪い。怪異譚を探し集める宮仕えの少女・陽羽と出会った希家は、凸凹コンビで幽玄な謎を解く。
シリーズ1作目。
なんともすっとぼけた、希家のキャラクターが好きです。
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瀬川さんの宮中モノ。本書は鎌倉時代初期の京都が舞台となっております。
歌人の家に生まれ、和歌のことにしか興味がない貴族の希家と、大和国の尼寺で暮らしていたのを、宮中に務める叔母・讃岐の口利きで中宮に仕える事になった女童の陽羽。
“月下の死美女”をきっかけに出会った二人が、宮中で起こる怪異の謎を追う連作5話の構成です。
和歌ヲタクの希家は、登場当初はマイペースな変人という印象でしたが、はねっ返りな陽羽と行動を共にするときは割と常識人だったりします。
二人に共通しているのは、月姫様こと中宮の味方であるという事。
陽羽が怪異譚を集めているのも、帝の気を中宮に惹きつける目的があったようで・・。
その中宮と希家の従兄弟でイケメン僧侶の寂漣との関係も気になるところです。
今回の一連の“鵺騒動”は陽羽の活躍で一応収束したものの、その首謀者が公にはならずじまいか・・・と、思いきや、ラストで“え?まさか、あの人が・・・?”という場面でこの巻が終わってしまいました。
これは、続き気になるヤツ~。
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まあ、鎌倉時代が舞台だが、ラノベのミステリーって感じかな。主人公は藤原希家と中宮に仕える13歳の少女陽羽の2人だね。明らかに希家は藤原定家をモデルにしていて、歌にしか興味のない変人という設定だが、実際の偏屈定家よりよっぽど常識人だ。鵺が出るという怪異をこの2人と陽羽の叔母の讃岐(源頼政の娘)たちが何とかしようという話である。死人も出てしまう。鵺出現の裏にはなにやらきな臭い陰謀がありそうだ。希家は他人の和歌はいろいろ呟くのだが、ちっとも自分で和歌を詠まない。
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ちょうど先日、平家物語の解説的な番組を見たので、時代背景がドンピシャで入り込みやすかったです。
めでたしめでたしと思ったら、最後の最後に不穏な空気が。
お兄様ー!!!
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日本の平安時代にとてもよく似たパラレルワールドでのお話、という感じです。歴史の本に載っている実在の人物の間に、本作の主要登場人物が実在のモデルとなったであろう人物と良い感じのズレを伴って登場してくるのが楽しく読めました。
怪異譚好きの宮仕え少女の造形は、森谷明子さんの紫式部のシリーズに出てくる女性の若いころを連想しました。
分かり易い表現で貫かれていますが、それが、かえって、そこまで書かなくても読み取れますよ、という感じを持たせるところが、ところどころにあるように思わせました。人物が分かり易いのが、そんな感じにさせるのでしょう。
最後の2ページも、やっぱりねえ、と思わせる感じで、次の1冊に進むかどうか、ちょっと迷っています。
Posted by ブクログ
壇ノ浦の戦いで平家が滅び、武士が台頭してきた平安末期。和歌のことしか興味がない貴族と、お仕えする中宮のために怪異譚を集める少女が、御所の怪事件に立ち向かう。
この時代の人にしては怪異をあまり信じず恐れないキャラが多くて全体的に軽いが、読みやすく面白かった。ラストで事件の黒幕は暗示されているが続編に続きそうな終わり方で気になる。
Posted by ブクログ
歌人と怪異の組み合わせ。美しい死体を見て歌を詠んじゃう空気読めない人。怪異のように見せかけて人の仕業。半端なとこで終わったけど、問題が解決したら悲しい結末が待ってる気配。