【感想・ネタバレ】生還者のレビュー

あらすじ

ヒマラヤ山脈東部、カンチェンジュンガで雪崩が発生。日本人7名が巻き込まれる惨事となった。犠牲者の一人・増田謙一の弟である直志は、兄の遺品を整理するうち、ザイルに細工がされていたことに気づく。死因に疑問を抱く中、兄の登山隊に関係する二人の男が相次いで奇跡の生還を果たす。真相がわかるかと期待した直志だったが、二人は全く逆の証言をし……。雪山という密室を舞台にいくつもの謎が絡み合う緊迫の山岳ミステリー.

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

序盤からあるいくつかの謎がなかなか明らかにならず、それどころか食い違う証言や新たな疑問がどんどん出てきて、とてもやきもきさせられます。

それで嫌な気分になるわけではなく、むしろ読むモチベーションがどんどん上り、最後まで駆け抜けるように読み切ってしまいました。

あとがきに「ルービックキューブのようにおもしろい」とありましたが、それに完全同意ですね。なかなか色が揃わないけれど、終盤はたたみかけるように色が揃っていく様が、クライマックス以降あれよあれよという間に真相が解明されていく展開に似ていると思います。

白馬岳での美月たち女性陣の行動には、ほんとにそんなことを美月がしたのかなぁと少しスッキリしない気がしましたが、それ以外の真相にはただひたすら「なるほど」と溜飲が急降下しまくり。過程が過酷だった分、ラストシーンの4人の姿と彼らの関係に、すごくホッとした気持ちにさせられました。

0
2021年03月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

主人公の兄が雪山で死亡。
その登山隊の関係者2人が救出されるが、証言は正反対のものだった。主人公は兄の死の真相を追求する、とういお話。


雪山なので証拠らしい証拠は何もなく、証言だけがほとんど。その中で真相を追求する難しさが面白かった。

登山の用語が難しくて、調べながら読んだ。

すごくドロドロした人間模様に引き込まれた。前半なかなか真相に近づかないのでモヤモヤするけど、後半は特に面白くて一気読み。ハッピーエンドなので読後感も良くておすすめです。

0
2019年03月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

あとがきのルービックキューブのように、という例えがあまりに当てはまりすぎる。一つの面がそろっても他の面が揃わない。そして生還者2人の意見が異なる、どちらが嘘をついているのか。つぶしてもどんどん湧いてくる穴は全て最後に回収されるのがすごい。
相手を信頼していれば手を広げ後ろに倒れることができる。ザイルを組むとは互いの人生に責任を持つこと。雪山の過酷さも魅力も未経験だが、一緒に登っている感じが味わえる。ラストの結婚式で安心した。

0
2025年08月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

みんな山が好きな人なのに、極限での選択が悪い方に向いてしまったり、すれ違いによる誤解により罪の意識に苛まれてしまった、切ない話でした。最後は救われる話で良かったです。

0
2022年04月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

最後救われて良かったです。

ただ同時に、山を登った者同士にしかわからないなどといった理由(感覚としてあるのかもしれませんが・・・)によって、葉子が報われないというあまりにも身勝手な結果にならなくて良かったとも感じました。

0
2022年01月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2017/7/29 ジュンク堂住吉シーア店にて購入。
2020/3/2〜3/7

過去の遭難により恋人を亡くした兄が、山をやめていたはずなのに、カンチェンジュンガで雪崩に遭い遭難死する。生き残って帰国した2人の口から、正反対の内容が語られる。どちらが正しいことを言っているのか、また、なぜ兄は山を再開したのか。いくつもに謎に緊迫する冬季登攀シーンの末に明かされる真実。大変面白かった。

0
2020年03月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

次々に明らかになっていく真実に様々な角度からライトが当たって違う一面が顔を出し、生還者二人に最後まで翻弄される。
美月が絡んだ遭難事故の真実は、どんなに魅力的な人でも極限状態では正直に行動してしまうある意味非情な描かれ方がこれぞ人間。
自分は山国育ちで過去の登山に纏わる経験から山は死に直結していて畏怖が先に立つ。命を預け預けられる仲間との信頼の絆がいとも簡単に断ち切られ、生還してもとてつもない苦悩を背負う山、何より人の本性が剥き出しにされる山の印象は相変わらず怖い。でもこの本はその怖さ以上におもしろかった。

0
2017年11月24日

「小説」ランキング