【感想・ネタバレ】鎌倉と京 武家政権と庶民世界のレビュー

あらすじ

中世とは、地方武士と都市庶民の時代だった。武士擡頭の契機となった保元の乱に筆を起こし、源頼朝とその前後の政治史をふまえて読み解く、一貫した歴史の視座。生活の場(都市・農村・家)と、その場での営為(芸能・文学・宗教・政治)から明かされる、自我がめざめた「個」の時代の相貌。十二世紀後半から十四世紀前半にかけての中世像が鮮やかに甦る。

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Posted by ブクログ

 本書が扱うのは、中世前期、12世紀前半から14世紀後半の約180年間の歴史。
 概説書の通史であり格別新奇な説が主張されている訳ではないが、かなり長めの期間を扱っているので、時代の全体的な流れを把握するに適当ではないかと思われる。

 政治史に加え、文化史、特に宗教に関して詳しめな解説がされているかなという印象。
 また、”はじめに”で言及されているように、歴史を身分や階層の展開の中でとらえる見方をさらに進めて、人と場との関係の中で具体的にとらえること、人の生活する場ー都市・農村・家などーの種々相や、場での人の営為ー芸能・文学・宗教・政治などーの種々相を具体的に示すことを目指していると著者は言う。その点については、「第八章 中世都市の成立」、「第九章 つながる農村社会」における叙述が興味深い。
 
 

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2024年09月08日

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