あらすじ
ウェブ雑誌「レトル」を立ち上げた80歳の小説家・幸田まり子は、シャッター商店街の活性化のため、商店街の中でファッションショーを行うことを提案する。当初は否定的だった住人たちも、まり子の情熱に影響され、少しずつ前向きに考え始める。しかし、息子・こうじの嫁の不倫疑惑や、親子関係がこじれた中華屋さんの閉店騒ぎ、そして協力者であるぴえ~るさんの病気など、問題が続出で…?
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Posted by ブクログ
ここまで読んできて、もっとのんびりしたお話なのかと思っていたらハラハラしっぱなしで毎巻読むのが怖いくらいだ。
傘寿と言えば今年義理の母と実家の父が迎えた年。
年を取ったなと思いつつ、この本を読んでいると年齢というフィルターを取っ払った人間の可能性、実力を思い知らされる。
最初の1巻で家を出てよりどころを失うところから始まって、まり子さんのパワーは本当にすごい。
それはきっと、作者であるおざわゆきさんの生き方が表れているのだと思う。
超常現象も魔法もないけれど、奇跡のような行動力で現実的な難問や辛い人間関係をなぎ倒していくまり子さん、怖くないのに怖いシーンの連続のような、私だったら走って逃げたくなるような状況を笑顔で解決していく強さが本当に素敵だ。
でも、スカッとするというよりはああ、何とかこの状況も解決して良かった、とホッとする感じ。とても怖い。
これからどうなるんだろう。
結婚していても子供がいても、ずっと幸せかもわからない。住むところもこんな風になくなることだってある。
そんなとき自分だったら、傘寿でそんなことになったら?
他人事じゃないと思って読んでいるから、怖いという気持ちがずっと続くのかもしれない。