あらすじ
呪いの仏像、鷺に救われた話etc.――、今も不思議な怪異が絶えない小泉家。「耳なし芳一」などを遺し、"怪談"の礎を築いた八雲は、ギリシャで生まれ、世界各地に暮らし日本に流れ着く。旅多き人生と、奇妙な縁でつながった四代の歴史を、曾孫である著者が辿る。百年の時を繋ぐ、特別な家族エッセイ。
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Posted by ブクログ
前々から漱石関連で名前を聞き及んでいた。
いまは仕事で出雲ー松江ー米子に行っている。
つまり神、怪談、妖怪の故郷に。
水木しげるはすでに生涯タスクだが、せっかくなので小泉八雲にもぼちぼち手を伸ばそうと思い、手に入れた。
小泉八雲記念館にて購入したので著者サイン入り。
で内容を、ルサンチマン意地悪たっぷりに言えば、
八雲のおかげで文化的セレブになった一族のひとりが、八雲にぶら下がって飛び回った先で偶然に遭遇し、すべて八雲のいたずらと感じてにやにやする、というもの。
そもそも偶然などではなく、全世界に八雲のファンがいるか、八雲ゆかりの場所を訪れるので必然としてそういう話題が多くなる、というだけなのだろう。
ただし上記のサングラスをとって見れば、結構洒脱なエッセイである。
そもそも怪談も索漠としたもので、エピソードの積み重ねのようなもの。
だから書き散らした印象になるが、むしろ著者が把握している八雲関連の挿話をまとめた渾身作ともいえる。
最終章で言及されたボナー・フェラーズ……天皇を戦争責任から庇った人……に興味を持った。
「終戦のエンペラー」という映画があるらしい。
そして小泉八雲記念館で企画展が行われているとか。
先日NHKで放映された「オープンマインド~小泉八雲が愛した日本の原風景~」に著者が登場していた。
チック?神経質そうだったが、やはり「継いでいく人」は重要なのだ。