あらすじ
創業家VS.左遷サラリーマン!日本の救世主は、ハズレ社員だった。気鋭の経済記者が覆面作家となって挑む日本最大のタブー「27兆円企業」に迫る!「失われた20年を、高度成長期並みに駆け、世界一となったあのトヨトミ自動車が潰れるときは、日本が終わるとき。日本経済最後の砦・巨大自動車企業の真実を伝えたいから、私は、ノンフィクションではなく、小説を書きました」(梶山三郎)
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Posted by ブクログ
感想
面白かった。トヨタの内情は全然理解していなかったが、その一面を垣間見ることができた気がした。
トヨタ自動車の奥田碩をモデルにした小説。
創世記はカンバン方式と徹底したコストカット。下請けと共に生き残るために。という理由で昔は理由がついたが、今は下請けイジメにとらえられる。伝説の大企業はどのようにして生まれたのか?興味津々。
創業家本家の御曹司にやはり外様サラリーマン社長は敵わないか。経営も今の時流だけでなく、将来の不確定な要素も含めて評価されるから厳しいなぁ。奥田体制がもっと続けば盤石な未来になったのか?想像もできないな。
創業家社長は上手くやってるものと思いきや、詳しくみると全然ダメだったのね。
あらすじ
トヨタの社長として抜擢されたのは創業家外の武田。社内役員でも譜代と外様では経済事情も創業家からの気に入られ方も異なる。
武田は早速、中国市場を見据えてダイエン工業と立川自動車の買収を行う。次にハイブリッド車の量産化の1年前倒しを約束させる。国外は中国、イギリス、フランス、アメリカと次々に工場を建てて世界化を図る。ハイブリッド車の量産化を実現させたが、作るほど赤字に。ただ宣伝費として意にも介さず、この成功で使えない役員を切っていく。
就任四年で売り上げを倍に伸ばしたが、脱トヨトミ家を図るために持ち株会社への移行を画策したが、懐刀の副社長御子柴の裏切りにより、わずか四年で会長へと移行する。その後は財界の重鎮として活動する。
創業家に社長が代わり、恐怖政治でイエスマンしか居なくなる。アメリカの方もロビイストを切ったツケが、アメリカでの事故を後手後手に回らせて問題に収集がつかなくなる。社長の統一は米国公聴会に呼び出され、吊し上げにあうが、真摯な対応でここを乗り切ったことで社が一丸となり、売り上げを伸ばしていく。
統一は最後にアメリカの攻略法を武田の伝授され、自信を持って、2030年までにガソリン車をゼロにすると宣言するところで終わる。