あらすじ
「つれづれなるままに、日ぐらし、硯にむかひて……」徒然草の有名な書き出しは、実は兼好法師のオリジナルじゃなかった!? 「つれづれなりし折……」(和泉式部)、「つれづれに侍るままに……」(堤中納言物語)、「つれづれのままに……」(讃岐典侍日記)など、平安時代の定番フレーズがその源にあった。古典文学の大河の間にまに掬い上げられる名句から、新たに生まれる流れを辿ってゆく。
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Posted by ブクログ
「古典文学における共同性と個性」をテーマに書かれた話。大まかな内容としては各古典文学における「共同性」(源氏物語と長恨歌のような)と「個性」(その個性は度々後世の物語に影響を与える)を紹介したもの。一番面白かったのは「竹取物語」の話で、かぐや姫や一寸法師のような極端に小さい人というのは「神の遣い」の象徴なのだそうです。また、物語のいでき始めの祖ということもあって物語の要素(天人女房、結婚難題)は後世の文学に多大なる影響を与えたそうです。これに関しては古典に限らず今の文学にも関係しているんじゃないでしょうか。また、「伊勢物語」の魅力は恋のスリルや男の行動力、そして王朝の雅、神秘性にあるそうです。なるほど、と思わされる本でした。