あらすじ
文壇事情に精通し、匿名批評も多くし、四十九歳で世を去った昭和の文芸批評家、十返肇。軽評論家と称され、正当な評価を受けていたとは言いがたい彼はしかし、文学への深い愛と理解力、該博な知識をもって、昭和という激動の時代の文学の現場に、生き証人として立ち会い続けた希有なる評論家であった。今なお先駆的かつ本質的な、知られざる豊饒の文芸批評群。
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Posted by ブクログ
新規。一つ前の旋毛曲がりの本の続き出てないのかなと坪内祐三の名前で検索したら編者の方で引っ掛かったので買ってみた。やっぱりゲームにつられて。作者の名前だけは聞いたことがあるけれど文章読んだの初めてだ。
安吾の『堕落論』批評がずばずばしていて面白かった。いかにも彼と同じ時代を生きた人だから出てくる言葉、という感じがする。そして「文壇の崩壊」なんて言いつつ文学好きで好きでしょうがないのが伝わってくる。後半はなるほど軽批評家って文章。
リアルタイムの評価って面白いなあ。数十年後に今のどの小説が残って読まれてるんだろう。。私は今の文芸批評に触れることがほぼないけれどそういうのも残ってこんな形で読まれたりするのかしら。